「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会

更新日:令和4年5月19日 総理の一日

 令和4年5月19日、岸田総理は、総理大臣官邸で「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会を開催しました。

 懇談会では、クリーンエネルギー戦略の検討について議論が行われました。

 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「クリーンエネルギー中心の経済・社会、産業構造に転換し、気候変動問題に対応していくことは、これまでの資本主義の負の側面を克服していく、新しい資本主義の中核的課題です。あわせて、こうした取組は、投資拡大を通じた経済の成長を実現し、国民生活に裨益(ひえき)するものです。
 さらに、ロシアによるウクライナ侵略により、エネルギー安全保障をめぐる環境は一変しました。産業革命以来の長期的な化石燃料中心社会から、炭素中立型社会へ転換するため、少なくとも今後10年間で、官民協調で150兆円超の脱炭素分野での新たな関連投資を実現してまいります。
 『官も民も』の発想で、今後10年超を見通して、脱炭素に向けた野心的な投資を前倒しで大胆に行っていくため、政府は、まず、規制・市場設計・政府支援・金融枠組み・インフラ整備などを包括的に、GX(グリーントランスフォーメーション)投資のための10年ロードマップとして示してまいります。
 そのロードマップには、企業投資の予見可能性を高め、多くのプレーヤー間の市場取引を最大限活用することを可能とする5つの政策イニシアティブを盛り込んでまいります。
 大きな柱は、前例のない支援の枠組みです。従来の本予算・補正予算を毎年繰り返すのではなく、複数年度にわたり、予見可能性を高め、脱炭素に向けた民間の長期巨額投資の呼び水とするため、可及的速やかにGX促進のための支援資金を先行して調達し、民間セクターや市場に、政府としてのコミットメントを明確にいたします。
 今後10年間に150兆円超の投資を実現するため、成長促進と排出抑制をともに最大化する効果を持った、成長志向型カーボンプライシング構想を具体化する中で、裏付けとなる将来の財源を確保しながら20兆円とも言われている必要な政府資金をGX経済移行債(仮称)で先行して調達し、速やかに投資支援に回していくことと一体で検討してまいります。
 また、規制・支援一体型の投資促進策として、省エネ法などの規制対応、水素・アンモニアなどの新たなエネルギーや脱炭素電源の導入拡大に向け、新たなスキームを具体化させます。
 加えて、企業の排出削減に向けた取組を加速させるためのGXリーグの段階的発展・活用、民間投資の呼び水として、トランジション・ファイナンスなどの新たな金融手法の活用、アジア・ゼロエミッション共同体などの国際展開戦略も含め、企業の投資の予見可能性を高められるよう、具体的なロードマップを示してまいります。
 こうした新たな政策イニシアティブの具体化に向けて、本年夏に官邸に新たにGX実行会議を設置し、更に議論を深め、速やかに結論を得ていく考えです。経済産業大臣を中心に、環境大臣始め、関係大臣とも緊密に連携して議論をまとめてもらいたいと思います。」

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