新型コロナウイルス感染症に関する全国知事会と国との意見交換会
令和4年2月1日、岸田総理は、総理大臣官邸で新型コロナウイルス感染症に関する全国知事会と国との意見交換会を行いました。
総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「前回に引き続きまして、こうした機会を持っていただきましたこと、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。各地で感染拡大が続く中、34の都道府県にまん延防止等重点措置が発出され、各知事のリーダーシップの下で、医療体制の強化、そしてメリハリの効いた感染防止策に取り組んでいただいております。一部の自治体では、感染拡大のスピードが明らかに落ちている、こうした状況も見られるようになってきました。
他方、専門家の方々からも、今後高齢者に感染が拡大すると、重症者が遅れて発生し、病床のひっ迫を招くおそれがあるとの話も伺っております。決して楽観視することなく、各知事の皆様方の御協力を頂きながら、ワクチンの3回目の接種の加速や、更なる医療体制の強化に取り組んでいく必要があると考えております。
そして今日、こうした機会を頂きましたので、私からは3点申し上げたいと思っております。
まず第1に、ワクチンの接種についてです。現時点で、先ほど平井知事さんから御紹介いただきましたが、全国97パーセントの自治体が2月末までに、対象となる希望する高齢者等への接種を完了する見込みとなりました。迅速な体制整備に感謝申し上げる次第ですが、今後は配付させていただいた毎月のワクチンを100パーセント利用して、実際に接種が進むよう更なるペースアップが必要であると考えております。
昨日、一般の方々についても、予約枠に空きがあれば6か月の間隔でできるだけ多く、更に前倒しして接種を行っていただくよう、改めてお願いさせていただきました。管内の市町村に接種券の早期発行などを改めて要請いただくとともに、各都道府県においても、大規模接種会場の設置など市町村の取組を後押ししていただきますようお願い申し上げます。そして国としても、自衛隊による大規模接種会場における接種の推進や、交互接種の安全性、有効性に関する広報など、自治体の取組を後押ししてまいりたいと思っています。
そして第2は、臨時の医療施設、酸素ステーションの整備についてです。計画された箇所の、開設までに一定の期間を要することを踏まえ、看護師等必要な医療人材の確保を含め、準備に着手するよう既にお願いさせていただきました。各都道府県の直近の感染状況を踏まえ、先手先手で増設に取り組んでいただきますよう、改めてお願いいたします。国としても、看護師等の派遣補助単価の引上げなど、医療人材の確保に向けた支援を強化してまいります。
そして第3に、軽症で自宅療養されている方々への対応です。自宅療養者が急増する中で、自治体、保健所の対応能力も考慮して、積極的疫学調査の重点化や、ITを活用した健康観察など、業務の合理化を進めてきたところです。自宅でも不安なく療養いただくためには、万一症状が悪化しても、すぐに相談し必要な医療を受けられることが重要です。地域の医療機関との連携の下、即応体制の更なる強化に取り組んでいただきますようお願いいたします。
本日は、多岐にわたる緊急提言を頂戴いたしました。手元に厚い冊子を頂いております。特に、これまでのデルタ株のときと違って、学校、保育所、家庭等で感染が広がっている実態、あるいは、高齢者施設等におけるクラスターの経験等の話を踏まえ、オミクロン株の特性を踏まえた感染対策へと、更に改善を検討していきたいと考えております。今後とも、現場で対策に当たっておられる各知事の皆様方と緊密に連携を図りながら、強い警戒感を持って対応に当たっていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。」