連合2022新年交歓会
令和4年1月5日、岸田総理は、都内で開催された連合2022新年交歓会に出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「皆様、新年あけましておめでとうございます。内閣総理大臣の岸田文雄でございます。連合2022新年交歓会が開催されるに当たりまして、心よりお喜びを申し上げ、また、今日も、政府から大勢の関係者、お招きにあずかりました。心から感謝を申し上げたいと思います。
昨年10月、私は、内閣総理大臣に就任して以来、新型コロナ対応を最優先に取り組んでまいりました。職場において、また、地域において、連合の皆様方にも様々な形で御協力いただいておりますこと、心から感謝を申し上げる次第です。
しばらくの間、感染状況は落ち着きを見せておりましたが、今また、感染力が極めて高いと言われるオミクロン株という新たな変異株の脅威に直面しています。最悪の事態を想定し、慎重の上にも慎重を期す。こうした危機管理の要諦を踏まえて、オミクロン株にも対応していきたいと考えております。
これまで、G7でも最も厳しい水際対策を採ることによって、時間を稼ぐことができ、その間、3回目のワクチン接種を開始し、そして、無料検査体制も全国で展開し、経口治療薬も様々な現場に届けることができた。さらには、感染に対して医療提供体制を充実させていく、こうした国内感染の増加に備えるための準備を進めることができました。
これからは、水際対策の骨格は引き続き維持していきたいと思いますが、対策の軸足を国内対策に移していきたいと考えております。万が一、感染が急拡大したとしても、医療のひっ迫を招くことがないような体制をしっかり作っていきたいと考えております。そして、その間、新型コロナによってお困りの方々の生活、事業、さらには雇用を守り抜くために、昨年末に策定いたしました経済対策をしっかり実施していきたいと考えております。
こうした取組によって、新型コロナを克服し、その先に目指すのは、経済の再生、成長と分配の好循環を生み出す、新しい資本主義の実現であると考えております。新しい資本主義においては、全て市場や競争に任せるのではなく、官と民が、今後の経済社会の変革の全体像を共有しながら、共に役割を果たすことが大事であると考えております。
成長に向けては、人への投資、デジタル、炭素中立、こうした切り口から、経済社会の変革に向け、大胆に挑戦を行っていきたいと思います。特に、デジタル時代においては、人への投資は経済の成長力の源泉です。3年間で4,000億円の人的投資パッケージを創設するなど、新しい官民の役割分担の下で、人への投資を抜本的に強化していきたいと考えています。同時に、分配戦略として、中間層への分配に正面から向き合ってまいります。成長の果実をしっかりと分配することで、経済の好循環が生まれ、そして、次の成長につなげていきたいと考えます。
これから始まる春闘では、労使で真摯な交渉を行っていただき、ここ数年低下する賃上げの水準を思い切って一気に反転させ、新しい資本主義の時代にふさわしい賃上げが実現することを期待いたします。芳野(よしの)会長からも、新しい資本主義実現会議において、様々な御意見を頂いているところであり、引き続き、連合の皆様方には、御理解と御協力をお願いいたします。
こうしたコロナ対応、そして、経済の再生、さらには、外交・安全保障といった様々な課題に立ち向かっていくためには、何よりも、政治の安定が重要です。これには、安定政権の確立なくして、安定を実現することはできないと考えております。その意味で、先ほど芳野会長からもお話がございましたが、来たる参議院選挙は、大変重要な選挙であると思っております。是非、政治の安定という観点から、我々与党にも貴重な御理解と御協力を賜りますよう心からお願い申し上げる次第でございます。
最後になりましたが、御列席の皆様方の御健勝と、そして、今年1年の御発展を心から御祈念申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。」