政府与党連絡会議
令和3年11月29日、岸田総理は、総理大臣官邸で政府与党連絡会議に出席しました。
総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「先ほど、官房長官からもありましたように、本日は新たな政権が発足して初めての連絡会議となります。まず、先般の衆議院選挙では山口代表を始め、公明党の皆様から力強い御支援を賜りましたことに御礼を申し上げます。おかげさまで、連立与党は今回の選挙で過半数を大きく上回る293議席を頂くことができました。引き続き、自民党、公明党の固い結束の下、一人一人の国民の声に寄り添い、その多様な声を受け止め形にする、信頼と共感を得られる政治を実現し国民の皆様からの負託に応えていきたいと思います。
総選挙からおよそ1か月、この間、スピード感を持って政策を前に進めてまいりました。最優先の新型コロナ対応については、対応の全体像を12日に取りまとめました。ワクチンの3回目の追加接種や検査の抜本強化、経口治療薬の確保など予防、発見から早期治療までの流れを更に強化いたします。その上で、感染状況を十分に見極めながら、ワクチン検査パッケージを活用し通常に近い経済社会活動を取り戻してまいりたいと思いますが、先週来、新たな変異株、オミクロン株が世界各地で確認されています。水際対策においても最悪の事態を想定して、機動的に対応していく方針です。オミクロン株については、既に南アフリカを始めとする9か国において、外国人の入国停止と日本人等の10日間の指定施設待機措置を講じたところですが、引き続き高い警戒感を持って臨み迅速に緊急措置を講じてまいりたいと考えております。
そして19日には、財政支出56兆円の経済対策を策定いたしました。新型コロナ対応で20兆円規模、厳しい状況にある人々、そして社会経済活動の再開に向けた支援で10兆円規模、そしてデジタルや気候変動対応といった切り口で新たな時代を先導して切り開いていくための後押しに20兆円規模となっております。与党の皆様には精力的に御検討いただき、新型コロナを克服し、その後の新たな社会を切り開く、力強い経済対策をまとめることができました。深く御礼を申し上げます。
とりわけ、新型コロナでお困りの方々への御支援については、子育て世帯、生活に困窮する世帯、学生など国民の皆さんが置かれている状況に応じてきめ細かく様々な支援メニューを用意いたしました。こうした支援を迅速にお届けすることが何よりも重要です。子育て世帯の給付について、まず5万円の現金を先週決定したコロナ予備費を活用し年内から支給を開始したいと考えております。
世界では健全な民主主義の中核である中間層を守り、気候変動など地球規模の危機に備え、企業と政府が大胆な投資を行っていく、そうした新しい資本主義を模索する動きが進んでいます。この新しい資本主義を起動するため、今回の経済対策で成長と分配戦略を車の両輪として実行いたします。成長を実現するため、科学技術、デジタル田園都市国家構想、経済安全保障といった分野での大胆な投資を行ってまいります。
同時に分配戦略として、人への投資を抜本的に強化するとともに、民間に先んじて保育、幼稚園、介護、看護などの現場で働く方々の収入を継続的に引き上げます。民間における賃上げについても、来年の春闘に向けて先週、新しい資本主義実現会議において議論をスタートさせました。官と民が役割を果たしながら、成長と分配の好循環を実現してまいります。
先週金曜日には、経済対策を実行するための補正予算を概算決定いたしました。12月の頭にも召集する臨時国会に提出し、早期に成立させたいと思います。与党の皆様の御協力をお願いいたします。その上で、重要なことはスピード感を持って執行し国民の皆様にお届けしていくことです。経済対策に盛り込まれた政策が最大限の効果を上げるよう政府一丸となって取り組んでいきたいと思います。与党の皆様方の御理解と御協力を頂けますようよろしくお願い申し上げます。」