全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会
令和3年11月13日、岸田総理は、都内で全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会に出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「国民大集会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げさせていただきます。
まず、昨年、有本嘉代子(かよこ)さん、横田滋さんがお亡くなりになられたことに、心よりお悔やみを申し上げます。お二人には、私が外務大臣の時代に、お話を直接お伺いする機会がございました。お嬢様の恵子さん、めぐみさんとの再会がかなわぬまま亡くなられたお二人がどれだけ無念の思いを持っておられたかを思いますときに、胸の締め付けられる思いが致します。言葉もありません。改めて御冥福をお祈り申し上げる次第です。
お二人が御存命の間に、お嬢様の恵子さん、めぐみさんを帰国させることができなかったこと、また、2002年に5名の拉致被害者の方々が帰国されて以来、1人の拉致被害者の帰国も実現できず、いまだに多くの被害者の方々が北朝鮮に取り残されていることは、本当に申し訳なく思います。
拉致問題は、岸田内閣の最重要課題です。先日、総理官邸で拉致被害者御家族の皆様とお会いし、なんとしても結果を出してほしいという切実な思いを改めて心に刻ませていただきました。拉致被害者の御家族も御高齢となる中、拉致問題の解決には一刻の猶予もありません。私の手で必ず拉致問題を解決しなければと強く考えているところです。
拉致問題の解決のためには、国際社会の理解と協力を得ることも不可欠です。私は総理就任以来、各国首脳との会談において、拉致問題の解決の重要性を必ず訴え、理解を得ています。
総理就任の翌日には、米国バイデン大統領との電話会談を行い、拉致問題の即時解決に向けて米国側の理解と協力を求め、バイデン大統領の支持を得ました。今後、米国を訪問する際には、諸懸案の中でも特に一刻の猶予もない拉致問題の解決の重要性について、改めて首脳間で理解を深めたいと思っています。
同時に、我が国自体が主体的に動き、トップ同士の関係を構築していくことが極めて重要でもあります。
このため、私は、条件を付けずに金正恩(キム・ジョンウン)委員長と直接向き合う決意です。日朝平壌(ピョンヤン)宣言に基づき、拉致問題の諸懸案をしっかりと解決し、その上で、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指していく、こうした方向性をしっかりと念頭に置きながら、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動してまいります。
本日、この集会を通じて、日本国民の一致団結した強い意思が示されることは、拉致問題の解決に向けた力強い後押しとなります。その声こそが、国際社会を動かし、北朝鮮を動かすことにつながっていくと信じております。
私自身、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、皆様と心を一つにしながら、総理大臣として自らが先頭に立ち、政府を挙げて、全力で取り組んでまいります。このことを今一度、今日の集会においてお誓い申し上げさせていただきまして、私の御挨拶とさせていただきます。」