福島第一原発事故「レベル7」の意味について
平成23年4月12日
Q1:より深刻な事故になったということですか?
A1:違います。
今回の発表は、新たな事態の発生を意味するものでは全くありません。今回、原子力安全・保安院及び原子力安全委員会がこれまでの解析結果や周辺地域の放射性物質測定値から逆算して、事故現場での放出量を推定したものです。つまり、「レベル7になった」のではなく、「レベル7であることがわかった」というのが正確なところです。
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Q2:チェルノブイリと同じ深刻度の事故ということですか?
A2:違います。
事故発生以来の放射性物質の総放出量で比較すると、現時点で、今回の事故はチェルノブイリ事故の時の約10分の1です。ただ、原子力施設事故の指標として用いられている「INES評価」という物差しでは、レベル分けは「7」までしか分類が無いため、福島もその10倍のチェルノブイリも同じランクに入ってしまうということです。(右図参照 / クリックで拡大表示)
Q3:放射性物質放出の仕方も、チェルノブイリとは違うのですか?
A3:はい、違います。
チェルノブイリでは、原子炉が爆発した後、大規模な火災が発生し、多量の放射性物質が広範囲に拡散しました。福島では、水素爆発があったものの、原子炉本体ではなく、その外部であり、大規模かつ継続的な火災はありません。
ただ、放射性物質の放出が爆発的ではないかわりに、持続的である点は、留意しなければなりません。つまり、放出が止められるまでは、積算量は少しずつ増えてゆくという状態です。長期的な監視や、計画的な対応が必要となります。
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