平成23年10月7日情報セキュリティ対策の強化について
情報セキュリティ政策会議議長
内閣官房長官 藤村 修
情報通信技術の発展により、私たちは多大な経済的利益や生活の利便性を享受していますが、その一方で、情報セキュリティ上の脅威も日常のものとなっています。こうした中、国の重要な情報を扱う企業がサイバー攻撃の対象となり、不正なプログラムに感染するという事態が発生しました。
サイバー攻撃は、被害によっては国の安全や国民生活に深刻な事態をもたらす可能性があります。政府及び重要インフラ関連組織においては、これまで進めてきた情報セキュリティ対策を更に高めてまいります。国の重要な情報を扱い国の安全に深く係わる企業の皆様におかれても、今回の事態を契機に、企業の情報セキュリティの一層の強化に努めてください。
情報セキュリティの確保においては、とりわけ早期の情報共有が重要です。その観点に立ち、政府は今後、政府・民間双方向の情報共有等を通じた官民連携の強化を進めてまいりますので、関係する皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
情報セキュリティ上のリスクは、被害者となる恐れがあることはもちろんのこと、不正なプログラムに感染することで意図せずに加害者になってしまうこともあります。情報セキュリティ対策を講じることは、今や社会的な責務ともいえるものになっています。
企業等におかれては、攻撃に強いシステムの導入と、職場一人一人の情報セキュリティ意識の向上等に努めるとともに、感染してしまった場合であっても、被害を最小限にとどめる対策の実施が必要です。国民の皆様におかれては、自分のパソコンやスマートフォン等について、そのセキュリティ関連ソフトウェアを常に最新の状態に維持するなどの対策に努めてください。
情報セキュリティの確保は、安全で安心な国民生活の実現と国際競争の中での継続的な発展に不可欠なものとなっています。官民の連携により世界最先端の情報セキュリティの実現に努めてまいります。