地方における知財活用促進タスクフォース 議事要旨(第2回)
【日 時】 | 平成27年3月4日(水)15:00〜17:00 |
【場 所】 | 中央合同庁舎4号館1階108会議室 |
【出 席 者 】 | 吾妻委員、伊藤委員、久貝委員、窪田委員、坂井委員、中山委員、西村委員、土生委員、山本委員、渡部座長、三木オブザーバー |
【政 務】 | 山口大臣、平副大臣、松本大臣政務官 |
【事 務 局 】 | 横尾局長、増田次長、作花次長、田川参事官、北村参事官 |
【関係府省】 | 内閣府総合科学技術・イノベーション会議事務局、文部科学省、経済産業省、中小企業庁 |
山口大臣による挨拶の後、知財事務局から「地方における知財活用促進に関する有識者の主な意見」に関して説明した後、西村委員、坂井委員及び窪田委員からそれぞれ配付資料に沿って説明がなされた。その後、委員等の間で意見交換を実施。意見交換の概要は以下のとおり。
- 取引先として地域中小企業が多い信用金庫との連携は非常に重要である。
- 地銀や信用金庫は、背水の陣でビジネスを作るための様々な方策を考えているはずであり、中小企業へ提供するシーズは大企業と大学のいずれのものでも構わない。
- 金融機関は、知財にほとんど関心がないため、動かすためには支店長が十分に知財のことを知らなければならない。支店長教育を行うことで、若い銀行マンが動けるようになる。
- 誰かが大学と中小企業の間に入り両者をつないでいくということを何度も行い、大学と中小企業の互いのニーズ・シーズが見える関係を構築するための「場」作りも必要ではないか。
- ニッチな分野の事業を行っている企業であっても、どこかの大学には必ずマッチングできる知財があるはずであり、それをつなげる「場」があれば良い。
- 大学の技術は事業化の研究段階に至っていないものが多いという現実があるので、企業が関心を持てる研究段階までに進められるように、欧米の大学にあるギャップファンドを設置してはどうか。
- 日米の大学で異なるのは、「POC(Proof of Concept:新しい概念や理論、原理などが実現可能であることを示すための簡易な試行のこと)」のシステムが日本には無い点であり、米国の大学のTLOはその点で進んでいる。日本では原石を少し磨くところができていないがために、死の谷が生じている。
- 全国でイノベーションに熱心な中小企業をピックアップして、その中で本当に産学連携がうまくいったところを表彰してあげる取組を行うべきではないか。
- 中小企業が地方大学の知財を活用する際は、大学は知財を無償開放し、かつ、手続も簡単にすべきではないか。
- 大学の知財の中小企業への無償開放については、企業としてはハッピーな面もあるものの、大学の研究者のインセンティブはどうなるのかという問題が出てくる。
- 中小企業の技術開発力のレベルアップを図り、地域経済の振興を図るという観点から、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)に中堅・中小企業主体としたプロジェクトを設けるべきではないか。
- かつて特許流通アドバイザーなどの制度があったが、地域の中小企業のイノベーションプロデューサー的な人材を改めて設置したら良いのではないか。
- コーディネーターやプロデューサーがどのような機能を持って働くべきなのかなどを具体的にして人材育成を図る環境が必要である。
- 人材育成の方法については、どう機能すべきか細かく設計するのではなく、とりあえず「自由にやってみなさい」と言える「場」を作っていくことが必要ではないか。
- リスクを取って事業をする主役は中小企業である。「大学の知財活用」といった表現では大学が主役のように思われてしまうので、「地域中小企業の創生のための大学のインフラ活用」などといった表現を使うべきである。
- 大学の単願特許が減り、共願特許が増えているため、知財が活用されにくくなっており、このままでは、大学がライセンスできるレベルの知財も捨てていく可能性が高い。そのため、特許出願費用のための基金のようなものが必要である。
- 大学や中小企業による共有特許の活用を促進するためには、特許法第73条を見直し、大企業が特許を独占したければそれなりの対価を払わなければならないようにして、大企業に対する交渉力を大学や中小企業が持てるようにすべきではないか。
- 開放特許データベースの登録件数が少なすぎる。大企業が提供するインセンティブを付与する制度を考えないと件数は増えない。
|