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第2回 コンテンツ専門調査会 議事録 | |||
1. | 日 時: | 15年11月13日(木)8:30〜10:30 | |
2. | 場 所: | 霞が関ビル東京會舘 エメラルドルーム | |
3. | 出席者: | ||
【委 員】 | 牛尾会長、岡村委員、角川委員、久保委員、久保利委員、熊谷委員、里中委員、重延委員、関根委員、浜野委員、日枝委員 | ||
【参考人】 | 河口東京大学大学院教授、杉山デジタルハリウッド株式会社取締役学校長 | ||
【事務局】 | 森口事務局次長 | ||
4. | 議 事: | ||
(1) 開会 | |||
(2) 岡村委員ご発言 | |||
(3) 参考人からの意見聴取 | |||
(4) 参考人への質疑応答 | |||
(5) 自由討議 | |||
(6) 閉会 |
○牛尾会長 定刻よりも少し早いようでありますけれども、全委員そろいましたので、皆様の貴重な時間を有効に使うために、ただいまから「コンテンツ専門調査会」第2回会合を開催したいと思います。
○岡村委員 東芝の岡村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○牛尾会長 どうもありがとうございました。
○森口次長 それでは、お手元の資料1をご覧いただきたいと思います。
○牛尾会長 ありがとうございました。時間の関係上、大変急いで御説明を頂戴しましたが、なかなか充実した問題提起であったと思います。
○河口参考人 河口です。おはようございます。こんな早く起きたのは久しぶりで、年に一回の入試のときしかないような気がするんですが、朝5時に起きました。
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○牛尾会長 大変興味深い問題提起がありましたが、質疑は次のデジタルハリウッド株式会社の杉山知之取締役学校長の後にまとめて議論したいと思いますので、次は杉山参考人からお話を頂戴したいと思います。 |
○杉山参考人 おはようございます。このような機会を与えていただいて大変感謝しております。私は94年からデジタルハリウッドというコンテンツ・クリエイターを育成するという事業を会社としてやっておりまして、そういった観点から私が経験してきたことを、数字等を踏まえて、プレゼンテーションをさせていただきたいと思います。
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○牛尾会長 ありがとうございました。では、これから参考人のお二人に対する質疑応答並びに、それぞれの個別の御意見等について時間を割きたいと思います。
どうぞ、角川委員お願いします。 ○角川委員 コンテンツ人材の養成についての資料をつくっていただきました件に関しまして述べさせて頂きます。4ページにプロデューサー、エンタメロイヤーの不足ということが書かれておりますが、私も10年ばかりプロデューサー稼業もしておりますので、感じております。何かと問題が起こると、プロデューサーがいないから問題があるんだという話になって、逃げ口実になっているところがあります。
○牛尾会長 久保利委員、どうぞ。 ○久保利委員 久保利でございます。杉山参考人にちょっとお伺いしたいんですけれども、先生の御発表のうちの新しい専門職大学院というのをおつくりいただくと。その中で、結局この専門職大学院がつくる対象というのは、今、角川さんがおっしゃったプロデューサーをつくるということなのか、あるいはエンタメロイヤーまで視野に入れていただけているのか、この辺りについての構想をちょっとお聞かせ願いたいんですけれども。 ○杉山参考人 エンタメロイヤーは、残念ながら含まれておりません。やはり、我々自体が先生として頼めるという人たちを考えたときに、やはりそういったロイヤーの方はほとんど知らないですし、まずは8年間ぐらい、多くのプロがデジタルの中で鍛えられたので、本当にプロに教えてもらおうということで、プロデューサーとディレクターというところから始めさせていただくということになります。
○久保利委員 意見なんですが、確かに日本のエンタメロイヤーの数は少ない。だけど10人ということはないだろうと思うんです。どう見てももう少しいますね。要するに、これは著名な方をということであると10名かもしれないけれども、その下に付いている人たちを考えると、100 人や200 人はいるんではないかというふうには思いますが、それでも少ないと言えば少ない。
○牛尾会長 岡村委員、どうぞ。 ○岡村委員 いろいろお話を伺っていて、いわゆる製造業者という立場から見ると、大変共感を覚えるんですけれども、やはり日本の製造業の発展のプロセスは、やはり技術がベースになって、この技術の発展が続く限りは、日本の製造業が世の中をリードし切れてきたと。
○牛尾会長 確かにおっしゃるとおりで、アメリカでも知的財産権が、アメリカの世界市場における競争力として非常に大事であるということを決意したのは、ヤングコミッティーで1986年、まだ17年しか経っていないんです。決して日本だけ極端に後れているわけではないということが1つ。
○浜野委員 2人とも同僚みたいなので聞きづらいんですけれども、3点あります。現場の方を育てるということは大事なんですけれども、研究者の集積とか、学会すらないわけです。ですから教える人はだれなのか。杉山先生の回答があると思うんですが、その点を1つお聞きしたい。先日、CGアニメーターの育成機関として高名なシュパンフォコムの校先生のお話を聞いたんですが、フルタイムの先生は4人だけで、現場の一線の方が教えています。我々の大学の任用制度からすると、そんなことはあり得ないので、河口先生からその点をお聞きしたい。
○牛尾会長 先に日枝委員、お願いします。 |
○日枝委員 先ほど牛尾会長から日本はどうして後れをとったのだろうかというお話がありましたが、非常に私の暴論かもしれませんが、隣りに岡村さんがおられるので大変恐縮ですけれども、日本は重厚長大中心の社会だったんですね。それで、文化とか、今でこそエンターテイメントと言いますけれども、古くは芸能界と言っていたんですね。芸能界に子どもが行きたいなんて言ったら親は絶対反対したはずですね。今でこそ、映画監督になりたいとか、プロデューサーになりたいというと、まあ認めようかという環境になってきましたが、そういう考え方が後れをとったベースにあるのだろうと思いますね。重厚長大の重視というのがあってこうなっているということをまず認識しなければいけないのではないかと。
○牛尾会長 ではこの辺で、それでは先に重延委員、どうぞ。 ○重延委員 あとで意見はと思っているのですけれども、ちょっと参考人の御意見で1つだけ意見を伺えればと思うんですけれども、河口参考人の提示した三角形の構造があって、アマチュア、専門学校、大学研究所、に加えて多分アマチュアの部分というのがデジタルの世界では、この幅ではなくて広大な世界が今、生まれているのだろうと思うんです。
○牛尾会長 関根委員、どうぞ。 ○関根委員 放送事業者の視点から意見を述べます。今、放送で言いますと我々は海外の放送局やプロダクションと共同制作というのをやっておりまして、プロデューサーという番組をつくるという立場から言えば、海外の一線のプロデューサーらと比べそんなに力量や能力が劣っているとは考えていません。現に我々のNHKでつくっている作品なんかは海外で結構売れています。ただ問題なのは、杉山さんの御指摘にありましたけれども、言葉の問題もあるんでしょうけれども、できた作品を海外に展開する上で、マネジメント経営のノウハウ、それと人脈、そういったものが徹底的に欠けているということです。やはり言葉以前の問題として、日本の放送業界の作品が世界になかなか流通しにくいということの理由がマネジメントに優れた人材が育っていないことにあると思います。
○牛尾会長 ここで一度ここまでのところの、各委員からの質問をまとめて、河口参考人と杉山参考人から、コメントなり御意見なりを頂戴したいと思います。 ○杉山参考人 それでは、覚えている限り答えさせていただきたいんですけれども、浜野先生おっしゃった、パブリックディプロマシーというところで、そういう意味も含めて大学院はいいなと思っていまして、私たち民間で学校をやっていますと、やはり留学生のビザを出せないのです。ですから、何とか文科省に認めていただけると、留学ビザが出せますので、海外から、今までも髄分お問い合わせがあったんですけれども、これまで受け入れられなかったということがあります。
○牛尾会長 では、河口参考人、お願いします。 ○河口参考人 この人材育成の話しで、いい例はジョージ・ルーカスが、ILM、すなわちインダストリアル・ライト&マジックで最先端の映像表現技術の開発してやっていますけれども、彼らは学生時代から映画をつくるための技術を持っていたんです。だから、圧倒的に『スター・ウォーズ』が当時、それまでの映画と全然違うレベルの、高度の宇宙映画をつくったわけです。だけど、それはいろんな方が案としてはみんな持っていたのに、それを実際に実現する技術を彼らは手に入れたからすごかったんです。米国のハリウッドの映画は、結局そうなんです。
○牛尾会長 重延委員が退室されるので、一言どうぞ。 ○重延委員 済みません。私のわがままで、これからあるところで映像を教えなければいけないもので早退しますが、ただこういう御提案が出てある種の機関をつくるというのは、私は基本的には賛成なんだけれども、これだけではないと、さっき言ったアマチュアを含めた養成の方向ということに関しては、どこかで考えて広っていくというツールをつくることも重要です。
○牛尾会長 ありがとうございました。
(重延委員退室)
○牛尾会長 それでは、次に久保委員、里中委員、熊谷委員の順番で、申し訳ありませんが、3分ずつぐらいでお願いします。 ○久保委員 映像をやる人間にとって、北米というのは最大のマーケットでありコンペティターであると思うんです。ここでどう成功するかが、世界へ進出する上での大きなポイントになってくるんだと思います。
○牛尾会長 ありがとうございました。
○里中委員 教育に関してなんですけれども、そういう場をつくったから人材が生まれるものではないというのは、よくわかるんですけれども、ではこれまで日本の教育で、普通文化科とか、英文科とか、国文科があって、文学者が育ったのかというと、何となくそういう学部があるだけですね。
○牛尾会長 ありがとうございました。
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○熊谷委員 ゲーム業界含めまして、ちょっと御意見を幾つか申し上げさせていただきたいと思います。まず昨今のゲームのゲームコンテンツ業界は、全体的に産業としてシュリンクしているということは、もう既に皆さんの話題の中にも入ってきておりますし、否めないことだと思います。
○牛尾会長 どうもありがとうございました。今日は、依田委員が欠席でありますが、資料5に依田委員からコンテンツ専門委員会に対する書面による意見が出ておりますので、御出席の皆さん、並びに事務局の方でこれをご確認いただきたいと思います。
○杉山参考人 今の中の御議論にもあったように、実は業界で私自体もコンテンツ制作会社、幾つもこの8年間で立ち上げてきたんですけれども、業界で今、必要とされているのは、やはり一つ審美眼、アートがちゃんとわかる、つくられた作品をちゃんと評価できる。これはやはり芸術系、今までではアートと言われていたところです。
○牛尾会長 これは特区はもう申請されたんですか。 ○杉山参考人 今は、特区申請は全部終わりまして、文科省に設立の申請をしております。だから、これから細かく審査いただくと。 ○牛尾会長 許可になるわけですか。 ○森口次長 まあ、大丈夫だといいんですが。 ○杉山参考人 大学の先生方に審査をしていただくんですね。やっと同じまな板の上に乗ったということですから、ここでただ3つに分かれているわけです、芸術系でも文系でも理系でもないんじゃないかと、どれなんだと。 ○牛尾会長 特区は実験的にやってテストするわけですから。
○河口参考人 先ほど杉山先生おっしゃったように、なぜ理系の方がコンテンツにいいかというと、やはりコンテンツのプロセスを知っているので、いろんなテクノロジーを使った場合のことを考えると、やはり理系のことを勉強したプロデューサーが一番強いんじゃないかと、知らないとどうしても表面的にだまされそうな感じなので、中身を知ってないといけないので、これは是非理系的な知識があった方が絶対いいと思います。
○牛尾会長 国立大学は、来年4月から独立法人化して、各大学は独立法人として特色を出したい。東京大学の場合でも、そういう各部門間を越えて400ぐらいのプロジェクトをやっているわけですから、是非東大で河口参考人等といった方々が大いに頑張って、そういう主張をされたらいいきっかけになるんじゃないですか。 ○河口参考人 内部だけでやると、どうしてもポストとか場所の問題が出てくるので、やはり外部からも是非そういうことを言ってくれないと、変わりにくいんです。目に見えない壁となるものがいっぱいありますので、是非お願いします。 ○牛尾会長 最後の一押しがあれば、それをサポートする素地は東大の中にあるんですか。 ○河口参考人 はい、いろいろ動いています。エンターテイメント、メディア・アート、映像技術系はやろうと言っているんですけれども、ただ人数が少ないので。 ○牛尾会長 今、何人ぐらいいるんですか。 ○河口参考人 まだ数えるぐらいですけれども。 ○牛尾会長 5、6人ですか。 ○浜野委員 興味を持っている学生さんはたくさんいるんですけれども。 ○河口参考人 どこか遮るものがあるんですね。
○牛尾会長 東大というのは、丘の上の町のように周囲から視線が注がれやすいというところがあって、やはり東大がそういうものをつくり出すと、各大学が全部つくり出すという。そして、私学にも。今、関根委員から早稲田大学の例がありましたけれども、来年の春からの1年間ぐらいというのは、内部の動きにこういう外部の動きが連動していかないとだめなので、内部的にもお願いしたいと思います。 ○河口参考人 はい。 ○牛尾会長 では、コンテンツビジネス振興に関する人材の議論につきましては、この辺で一応終了したいと思います。参考人のお二人、大変に長い間拘束をしまして申し訳ありませんでした。一応ここでお二人には御退席していただきたいと思います。
(河口参考人・杉山参考人退室)
○牛尾会長 それでは、最後にコンテンツビジネス振興に関し、各種意見書が提出されておりますので、御紹介させていただきます。
○角川委員 今、お話がありましたように、意見募集が専門委員会に出ておりましたけれども、経団連からも出ております。
○牛尾会長 このコンテンツ問題をコンテンツ専門部会から我々が頂戴するとともに、日本経団連の中の多くの提言の中の重要項目として、ワン・オブ・ファイブとか、ワン・オブ・スリーぐらいの感じで奥田会長のところで発言してもらうと、省庁全体が動きやすい。
○角川委員 18日に、経団連の理事会でこれが正式に承認されますので、その後に、今、牛尾さんがおっしゃったことをまた伝えていきたいと思います。 ○牛尾会長 重要な項目の1つではなくて、重点3項目か、4項目にこれを入れて頂きたいと。 ○角川委員 はい。 ○牛尾会長 続きまして、資料7を御参照願いします。
○森口次長 資料7をご覧いただきたいと思います。
○牛尾会長 ありがとうございました。以上のように、コンテンツビジネス振興に関する関係確認の要望は大変に強いものがあります。
(「異議なし」と声あり)
○牛尾会長 ありがとうございました。それでは、そのように進めさせていただきたいと思います。
○関根委員 コンテンツ振興ということでよろしいわけですか。振興ですから、規律とか、規制という内容はできるだけ入らないように対応していただきたいと思います。これは要望であります。 ○牛尾会長 振興の観点は、規制とか行政の介入がより少なくということですね。 ○関根委員 そうです。 ○牛尾会長 それは当然だと私も思いますが、そういう疑念を持たれないようにしてください。
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