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第6回知的財産戦略本部議事録

平成15年12月17日(水)17:00 〜17:50
於:官邸大会議室


○福田内閣官房長官 それでは、ただいまから「知的財産戦略本部」の第6回会合を開催いたします。本日は大変御多用のところをお集まりをいただきまして、大変ありがとうございました。
 まず、本日は知的財産戦略本部の運営などにつきまして、2件御了承いただいた後に、知的財産戦略のこれまでの進展状況について、事務局から報告をいたさせます。
 続きまして、本部の下に置かれました3つの専門調査会における検討状況について、各会長から御報告をいただくとともに、有識者、本部員、及び関係大臣から御発言をいただきたいと思っております。
 それでは、資料1のとおり本部決定を改正しまして、知的財産戦略における競争政策への配慮観点から、公正取引委員会委員長に御出席をいただくこととしたいので、御了承をお願いしたいと思います。
 次に「知的財産戦略本部の名義使用について」でございます。最近、大学や地方自治体が実施します知的財産のセミナー、シンポジウムにおきまして、知的財産戦略本部後援が多数求められております。つきましては、国民への普及啓蒙の観点から資料2の(案)のとおり、名義使用を積極的に認めることとしたいと思いますが、これはいかがでございますか。

(「異議なし」と声あり)

○福田内閣官房長官 そのようにさせていただきます。
 この案で本部として了承したということにいたしたいと思います。
 続きまして、次に今回は7月以来の本部会合でありますので、これまでの知的財産戦略の進展状況について、荒井事務局長から報告を願います。

○荒井知的財産戦略推進事務局長 それでは、知的財産戦略の進展状況について、御説明させていただきます。
 昨年の2月に小泉首相が施政方針演説で、研究活動や創造活動の成果を知的財産として戦略的に保護・活用し、我が国産業の国際競争力を強化することを国家の目標とします、こういう演説をしていただきました。これが明治以来初めての日本の総理としての御発言、演説でございます。
 その後、昨年7月に戦略大綱を決めて、11月に基本法を成立していただいて、今年の3月、この知的財産戦略本部が発足いたしました。7月には、270 項目の推進計画を決定していただいたということでございます。

(PW)
 これを踏まえまして、今年の9月の臨時国会で小泉首相から、知財立国の方針を打ち出し、1年半の間に各種施策を集中的に行ってまいりました。特許の裁判制度の改革や、審査の迅速化を図り、模倣品・海賊版対策を進めます。
 映画やアニメなど、日本文化も世界で高く評価され、経済のみならず、さまざまな面で波及効果を生み出しています。文化・芸術を生かした豊かな国づくりを目指します。こういう演説をしていただいております。

(PW)
 こういうことで、総理のリーダーシップの下に、知財の推進計画が進められておりますが、大学においては、知財本部が整備されております。
 更に法科大学院につきましても、すべての法科大学院で知財のコースが設置されるという予定になっております。
 企業においても、知財報告書の作成が現在進められております。
 地方自治体において、地域の知財戦略の策定を図るということで、東京都、大阪府、愛知県、福岡県、各都道府県で今、推進計画、知財戦略計画が策定されております。

(PW)
 こういうことで、知的財産の各方面での関心が高まっておりますので、各地域において、政府の方針を説明するとともに、御意見を聞くということで、ミニ・タウンミーティングを89件今までに実施しておりまして、1万1,000 人の方に参加していただいております。

(PW)
 次の国会に向けまして、現在、知財関連の7つの法案の作業が進められているということで、知財推進計画をしっかり進めているということを御報告申し上げます。
 以上です。

○福田内閣官房長官 御苦労様でした。
 それでは、専門調査会の報告に移ります。まず、権利保護基盤の強化に関する専門調査会の阿部会長から報告をお願いいたします。

○阿部本部員 御報告申し上げます。資料4、並びに参考1であります。
 知財戦略の目玉の1つであります知的財産高等裁判所につきましては、知財紛争が国際化の一途であるということ、訴訟がすぐれて技術専門的であるということから、これを早期に創設するということで意見の一致を見たところであります。
 その中で知財重視の国家姿勢を明確に内外に打ち出すといった知財高等裁判所を創設すること。
 更に、司法行政面で独立した権限を法律上確保できる組織とすること等、6つの柱を提言させていただきまして、こういった柱を満足する高等裁判所を是非法案として成立させていただきたいという結論でございます。

(PW)
 もう一つございまして、それは特許審査の迅速化に係るものであります。技術開発競争の激化に伴いまして、特許庁や関係者の努力にもかかわらず、特許審査のたまっている分が50万件から80万件になろうとしておりますし、また、待ち時間も2年、24か月でございます。これをゼロにすることを目標にしておりまして、その結果として、特許の国際競争力が大幅に上がると期待をされているものでありますが、多面的な施策が必要であります。 中期5年、長期10年の実施計画を策定いたしまして、これを官民挙げて協力の下に進めるということと、加えて特許審査迅速化法案、この中身でありますが、先行技術調査の決定を促す措置とか、それに係る外部委託の拡充等によるものを含んでいる法律でございますが、これを是非とも実現していただきたいという内容でございます。
 以上でございます。よろしく御審議のほど。

○福田内閣官房長官 ありがとうございました。ただいまの御説明の内容の関連で、御手洗本部員、野間口本部員、下坂本部員から順に御発言をお願いします。

○御手洗本部員 今、権利保護基盤の強化に関する専門調査会の阿部会長からもございましたとおり、今後ますます増えてくる知財訴訟をスピーディーに処理して、技術的に専門性の高い知財訴訟に対して十分に備えていくように、知的財産の専門の高等裁判所を是非設立していただきたいわけであります。
 御承知のとおり、アジアの各国において、これからますます工業化が進み、発展してきますと、そういった知財の訴訟の件数がますます増えていくことが予測されます。そんな中で、日本にそういった権威のある正確で、しかもスピーディーに処理する専門の裁判所があるということは、日本の国威の発揚にもなります。したがいまして、是非、この知的財産高等裁判所をつくっていただきたいわけでありますが、つくることになっているわけでありますが、せっかくつくるわけでありますから、技術系の裁判官や審査官を集めたり、また、専門的な裁判をするという意味からも、将来のことを考えますと、是非独立した9番目の高等裁判所をつくるという方向で是非お願いできればありがたいと思っております。 以上であります。

○野間口本部員 知的高等裁判所につきましては、私も全く同じでございまして、世界に誇れる知財高裁というのを是非考えていただきたいと思っております。
 それから、特許迅速化法でありますが、先ほどの御報告にありましたように、80万件の滞貨、これを一掃して、国際標準に耐え得るような知的財産をどんどんつくるという意味では、この迅速化は喫緊の課題と思っておりますので、これも強調しておきたいと思います。
 今日は少し御紹介したいのですが、大学の方で知的財産の創造活動を強化するという新しい動きが活発になりまして、産業界は喜んでいるわけですが、知的財産を強化されるに当たり、私共も、産業界の経験者の活用ということでどんどん協力しようと取り組んでおります。今日のために調べてまいったのでございますが、既に5名が確定しまして、2名が内定しており、東京大学等で、知財戦略本部の副本部長とか、知財コーディネーターとか、特任教授の形となっています。産業界の経験者を活用いただくことは、日本の知財を活性化するためのオールジャパンの取り組みとして非常に意味のあることであり、これによりレベルが上がっていくのではないかと期待しております。是非こういった動きを強化するような施策を続けていただきたいと思っております。
 以上でございます。

○下坂本部員 先ほど2人の本部員から発言ございましたように、知財高裁につきましては、将来の発展性も考えて是非立派なものをおつくりいただきたいと考えております。
 特許審査の迅速化に向けた総合施策は、民間の参入や任期付きの審査官の配置など、革新的な内容が先ほど御説明ありましたように盛り込まれておりますので、その施策の実行に当たりましては、物的な面以外にも人的な面にも配慮して、全省庁を挙げた協力体制を整えていただきまして、国全体として推進していただければ大変ありがたいと存じます。 私ども弁理士も中小企業やベンチャー企業に対しまして、積極的に支援を行ってまいりまして、審査の迅速化に協力していきたいと考えております。
 なお、推進計画を受けて、私どもは全国各地の知財掘り起こしの手伝いをしています。先般、鹿児島の会合では、参加者の反響が大変大きく、鹿児島にこういう機運が起こってきたのかと大変興味深かったとか、地域の産業が知財や大学と結び付くことの重要性がわかったといった声を多々聞きました。このたびの推進計画の公表は、国民一人ひとりの意識に大きな影響を与えていると実感しております。
 今後とも知財立国を強力に推進してくださるよう心からお願い申し上げます。

○福田内閣官房長官 どうもありがとうございました。
 それでは、次にコンテンツ専門調査会の。

○野沢法務大臣 ちょっと一言。今の知財高等裁判所について、法務大臣として発言させていただきたいと思います。
 知財立国を実現するためには、今般の知財高等裁判所を創設することは非常に意味のあることと考えております。私がただいま副本部長をしております司法制度改革推進本部、総理が本部長でございますが、ここでも法案を提出すべく、今、検討しているところでございます。具体的な組織の在り方については、いまだ意見が集約されていない状況であると伺っておりますので、創設については、司法制度の根幹に関わる重要事項ということで、十分に議論を尽くして検討していただければありがたいと思います。
 以上でございます。

○石井財務副大臣 官房長官よろしゅうございますか。財務副大臣でございますが、財務省からも今、ございました独立した9番目の高裁ということについて、一言申し上げたいと思います。
 行政組織もスクラップ・アンド・ビルドでいろんな見直しをしているところでございますので、司法関係も新たな組織を立ち挙げる場合は、既存の組織を見直していただくということが必要かと存じますので、独立した高裁を立ち挙げる場合には、高裁レベルのスクラップが必要だと財務省としては考えております。

○福田内閣官房長官 では、進めさせていただきます。コンテンツ専門調査会の牛尾会長から報告を願いいたします。

○牛尾専門調査会会長 御報告申し上げます。
 このコンテンツビジネスというのは非常に新しい業界でありまして、今年の4月に経産省でこの問題の研究会の座長をしまして、今度は本部の方の座長になったんですが、何しろNHKの関根さん、フジテレビの日枝さんから、東芝の岡村さん、テレビマンユニオンの重延さん、漫画家の里中さん等々や、今日の本部員のエンターティメントの弁護士の久保利さんや、角川さんまで、あらゆる人が一堂に座ることは初めてなんです。全く種類の違う人が一堂に会して、それだけでも意味があるということは言えるんですが、グループ化が難しい分野であります。
 一応11兆円という、この分野の産業の売り上げが仮称としてありますが、鉄鋼が5兆円、自動車が20兆円ですから、いかに大きな業界であるか。付加価値が非常に高い。
 残念ながら、この5年間は11兆円がそのまま横ばいでして、むしろ減少ぎみで、潜在的には競争力が落ちつつあるという状態で、当然振興することが非常に大事だろうと。
 ソフトパワーとしてこういうものが海外に出ることが非常に日本の理解にもプラスになるし、『千と千尋の神隠し』がアカデミー賞を受賞することが非常に大きな進歩だという喜びと、アカデミー賞を出して大丈夫というぐらいにハリウッドがこの世界で自信を持ってきた。要するに、日本に勝てるという自信を持ってきたという言い方すらあるわけでありまして、楽観を許さない状態です。
 具体的な問題点は、この資料5の問題点というところに書いてありますように、前近代的な構造が残存している。制作現場にも流通にも非常に大から小、近代から非近代までが共生しているものですから、非常にそこのところにたまりが出てくる。
 社会的認知がまだ低い。
 それから、海外展開にも遅れがあるということで、例えばアメリカは海外依存度がもう17%でありますけれども、日本はわずか3%くらいであるというくらいに海外には全く個人ベースでしか出ていない。
 海外の状況を見ますと、世界的にはもうアメリカの一人勝ち、ハリウッドを中心に非常に強いものがある。アジアも、特に韓国と中国が非常に力を入れていまして、韓国は文化産業振興基本法を制定し、中国は国立北京電影学院ができるなど、大変に力を入れて、特にアニメなどでは追いかけてきているというのか現状であります。これは何らかの形で近代化と同時に振興する必要がある。
 2004年から3年間でコンテンツビジネス分野における集中構造改革を推進をして、改革に当たってはコンテンツビジネスの事業規模の拡大、民間主導を中心として、官のバックアップをお願いをする。
 国が進める方策としては、制作流通の近代化支援、人材の育成、今度独立行政法人化する国立大学の中にもこういう分野が徐々に準備をされていまして、社会的認知度を向上するためには、やはりいい人材がそこへ出てこないといけない。
 ビジネス展開では特にアジアでは海賊版対策とか、非常に暗い問題があって、同時に資金調達手段や税制も、ここには十分日が当たっていないという状況でありますので、これから現状を展開して、そういうものを最終答申で、来年3月を予定しておりますが、まず第1答申を出そうと思っております。
 5つの案として、2ページ目に書いてありますように「"カッコイイ"日本」「Brand Japan」とか「Digital Japan」「High−Tech Japan」「All Japan」ということで、この世界は非常に脚光を浴びておるんでありますけれども、このまま放置すると、日本の競争力は減少してくる。大手ゲーム機メーカーでも減益をしたというくらいに、純粋のソフトそのものについては競争状態は厳しいということを申し上げて報告を終わりたいと思います。
 以上でございます。

○福田内閣官房長官 ありがとうございました。ただいまの御報告の関連で角川本部員、久保利本部員から御発言がございますので、まず、角川本部員お願いいたします。

○角川本部員 推進計画で第4章として、コンテンツビジネスも飛躍的に拡大するということを書いていただきました。その中でも映画祭、映画産業振興、映画祭が海外に映画を持っていくという意味でも重要だということで位置づけしていただきましたけれども、今年は第16回国際映画祭が非常に元気に盛大に行われまして、お手元にそのパンフレット、カタログも用意しております。
 総理には161 ページにお言葉をいただきましたし、経済産業大臣にも、その次のページにいただいております。
 東京国際映画祭のフィルムがございますので、ちょっとごらんになっていただきたいと思います。

(VTR上映)

○角川本部員 ということです。来年は10月23日から行われますので、プロードバンド対応でも非常に新しいものができましたので、一層御支援していただきたいなと思っております。

○福田内閣官房長官 わかりました。それでは、久保利本部員お願いします。

○久保利本部員 久保利でございます。まず、お礼を申し上げます。後援のために、当本部の名義を使うことができるということになりまして、大変にありがたい。弁護士会でも弁護士団体でもいろんな団体は多分こぞって喜んでいると思います。ありがとうございます。
 次に私は基盤強化とコンテンツと両方の専門調査会のメンバーでもございましたので、その観点から若干申し上げたいと思います。
 まず、第1にコンテンツの関係で申し上げますと、エンターティメントの分野で、中身としては、決してアメリカに負けない。だけれども、世界の戦略、あるいは売上げ、利益、こういうことを考えますと、アメリカにかなわない。結局、法律家が弱いということが問題です。エンターティメント・ロイヤーは日本に10人しかいないということを言われまして、もっとたくさんいると私は申し上げたんですが、これらを糾合して新しい弁護士の団体もつくっていきたいと思っておりますし、更にこれからは、河村大臣のところでございますけれども、ロースクールがどんどんできてきて、その中では知的財産権というものを中心にやっていくものも出来る。さらにその中ではエンターティメントについての授業も行われていくであろう。私自身、実は新設の大宮ロースクールというところでエンターティメント・ロイヤーをつくるための講座を持つことにもなっておりまして、そういう意味で是非若々しい、多くの学生、弁護士、こういうものを更に鍛えていきたいと思います。
 また、これが法律家とビジネスを展開されている方を結び付けるという機能も必要であると思いますので、弁護士の自助努力も重ねていきたいので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 もう一点は、前近代的なクリエイターと製造者、販売者との関係です。私は一部にまだ古い体質が残っていると思います。そういう点ではクリエイターに市場からの収益がきちんと配分されませんと、新しいものをつくる意欲というものがどうしてもクリエイターになくなってしまう。そういう点で、この辺りの慣行とか従来の弊害を除去して、新しい収益還元システムというものをつくっていけば、更に人材も集まって、また、優れたコンテンツの再創造も可能になると考えますので、この点にも是非留意をしていただきたいと考えます。
 もう一点、基盤整備の強化の関係でございます。やはり私は9番目の独立した高等裁判所、知財高裁を是非お願いをしたい。今、財務副大臣から、行政の方はスクラップ・アンド・ビルドだとおっしゃいました。それはそうでしょう。しかし、国家予算の0.4 %しか使っていない司法、これをスクラップ・アンド・ビルドをやったのではどんどん司法が小さくなってしまう。むしろ行政改革の中心は司法に担わせるくらいのことがないといけないのではないか。
 そういう観点からいたしますと、スクラップ・ビルドをしないで、第9番目知財高裁を独立したものとして是非おつくりいただきたいというのが私の希望でございます。
 以上でございます。ありがとうございました。

○福田内閣官房長官 ありがとうございました。
 次に、医療関連行為の特許保護の在り方に関する専門調査会の井村会長から報告をお願いします。

○井村専門調査会会長 井村でございます。医療関連行為の特許保護の在り方に関する専門調査会の検討状況を御報告いたします。
 医療の分野では、従来医薬品と医療機器が特許の対象になっておりました。しかし、最近の目覚しい医学の進歩によりまして、従来の特許の考え方には含まれないさまざまな医療行為が進歩してまいりました。例えば資料6の絵をごらんいただきたいと思います。「再生医療」というのが書かれています。これは患者さんの体から細胞を取ってきて、皮膚、角膜、骨、軟骨等を試験管の中で増やし、もう一度体内に戻すという治療でありまして、例えば重症のやけど、あるいは心臓病等の治療に大変有用であります。
 また、そこに「デラッグデリバリー」と書かれておりますが、これはある薬物を特定の臓器、例えばがんの組織とか、あるいは肝臓等へ送り込む技術であります。それから遺伝子治療、これも進歩しつつあります。
 これらの先端医療の実用化には、医師は勿論のこと、医薬品、医療機器の開発を進める企業の協力が必要になってまいります。
 また、ものによりましては、医学・薬学系の研究者だけではなくて、工学の研究者の協力も必要となります。
 すなわち、産学連携・医工連携というものが大変重要であります。
 現在、我が国で使用されている医療企業は、輸入製品がどんどん増えておりまして、輸出は全く増加をしておりません。今後我が国で健全な医療産業を発展させることが医療の高度化を支えるのではないかと考えるわけであります。
 2枚目をごらんいただきたいと思います。
 専門調査会では、医療関連行為の特許保護の在り方について、広く医療の関係者から意見を聴取し、現在まで2回会合を開催いたしました。より先進的な医療をもっと早く患者さんに届けるためには、どうすればいいのかという観点から検討を進めております。
 医療関連行為の特許保護の状況を見ますと、その絵にあるとおりでありまして、日欧米の間で違いがあります。日本とヨーロッパは医療機器と医薬品を特許の対象としております。米国は医療方法、例えば手術方法、診断、あるいは治療方法まで特許の対象としているわけであります。
 ただし、医療の現場にはその特許は及びませんので、医師には免責規定がございます。ヨーロッパと日本は非常によく似ておりますが、若干の違いがありまして、一部の検査方法、測定方法等がヨーロッパでは特許の対象となっているわけであります。
 そこで専門調査会でこうした新しい医療行為について、現在検討をしております。どんな意見が出たかということを申し上げますと、医療方法の特許は研究者や企業のインセンティブを向上させるのではないかという意見がございます。
 それから、先端医療技術開発を進めるためには、企業や産業の協力が必須であり、そのためにも特許が重要であるという意見もございます。
 しかし他方では、医師の患者に対する行為が特許権によって影響を受ける。あるいは差止められるというふうなことがあってはいけないので、法律的な手当が必要かどうかという意見もございます。
 また、特許と安全性の関係をどう考えるのか、医師の技量や患者の個人差による違いが出る手術方法まで特許をかけることが適当であるかどうかという辺りについて、現在議論を進めているところでございます。
 今後、医療行為等に悪影響を及ぼさないように配慮しつつ、医療技術の進歩を促進し、患者さんがより先進的な医療を受けられるように幅広く検討を行っていく予定であります。 以上でございます。

○福田内閣官房長官 ありがとうございました。ただいまの御報告関連で森下本部員から御発言がございます。

○森下本部員 森下でございます。よろしくお願いします。
 医療関連行為の特許保護に関しましては、是非進めていただきたいと思っております。と言いますのも、医療産業の基盤となりますバイオベンチャーが日本でもかなり育ってまいりました。昨年度まで、いわゆる東京証券市場等に上場している会社は4社しかありませんでしたが、今年に入りまして6社が上場いたしまして、既に10社に上っています。明日も今年最後になりますが、1社上場するということで、既に時価総額に直しますと、5,000 億円近い市場ができ上がりつつありますし、大学発バイオンチャーだけに限りましても、3,000 億円の時価総額を4社で既に持っております。その意味ではよちよち歩きではありますけれども、かなり自立ができる状況に文部科学省、経済産業省の支援を受けまして育ってきたんではないか。ただ、これから海外でより大きな存在感を示し、日本の収益に貢献するためには、海外に出ていけるバイオンチャーを育てていかなければいけない。
 あるいはもっと多くのベンチャーを日本で育てなければいけないという観点からいきますと、知的財産というのがバイオベンチャーの要になりますので、是非医療関連行為の特許保護を認めていただきまして、更に現在の流れを加速させていきたいと要望しております。 
 来年度も10社以上、東京証券市場等には上場すると聞いておりますから、この流れを断ち切らずに更に加速していただければと思っております。是非知的財産の面からの御支援もよろしくお願いしたいと思っております。
 以上です。

○福田内閣官房長官 ありがとうございました。
 次に、大学・研究機関における知的財産を巡る動きについて御発言をいただきたいと思います。安西本部員、中山本部員、川合本部員から順次お願いいたします。
 それでは、安西本部員お願いします。

○安西本部員 資料7で申し上げます。
 この知財戦略本部の発進のお陰と申し上げていいかと思いますけれども、大学の知財活動全般が非常に活発になりつつあると思われます。慶応大学の現状を出しましたけれども、特に慶応の理工学部の例で申し上げますと、大体半数の教員が既にこの知財活動に関わっておりまして、これは2、3年前ではちょっと考えられなかったことだと思います。これは大変すばらしい方向だと思っております。
 ただ、次のページ「商品化の状況」でありますけれども、慶応から出ていって、既に商品になっていて、相当の売上げのあるものも入っておりますけれども、かなりの数の商品化が行われてます。写真はごく一部でございますので、こういうふうにお受け取りください。
 ただ、次のページ「更なる発展に向けた課題」というのは幾つかありまして、知財に関しては、複数年度予算というのをどうしても実現していかないと、柔軟な対応はしにくい。また、大学の先生がベンチャーに関わるからには、ベンチャーに専念できるような機関がどうしても必要でありまして、片手間ではなかなかできない。サバティカルの制度等の導入が必要だと思います。
 また、研究資金のオーバーヘッド、あるいは日本版バイ・ドール、これは省庁によって、特許の手続、在り方等々がまだかなり違いがございまして、それは是非共通にしていただかないと、大学側がかなり困るという状況があります。
 それから「共有特許制度」というのは、企業と大学が一緒に共同で特許を持ったときに、アメリカですと、その特許をほかへ移管したり、売りたいというときには、お互いのパートナーに断らずに売ることができるんですけれども、日本の場合はそうなっておりません。ですから、大学がどこかに移管したいと思っても、相手の企業の了解を取らないとできない。ところが、企業側は防衛特許が主でありますから、なかなかそういうことを言うことを聞きないという状況がありまして、特許の流通性というのが非常に悪いということがございますので、米国並みの法制が必要だと思います。
 その下は省略をいたしますが、次のページ、大学の知財を事業化していくために、スピードを持って製品化するという状況にはまだなかなかない。慶応の場合はいろいろベンチャーの支援の仕組みを慶応大学として資金の供給等もするようにしておりますし、ベンチャーフォーラムと言って、19社乗り合いでベンチャーのキャピタル、それから商社等々を含めて連携を持っておりまして、そういうところ強化をしているんですけれども、こういうことをやっていくための人材がこれから重要だというふうに考えています。
 大学発のベンチォーが動き出すためには、次のページにありますように、いろいろなことが総合的に展開されなければいけない。これかその状況が生まれてくるという時期にあるかと思いますが、これをバックアップする仕組みが必要で、それの中心になるのが知財弁護士だと思います。今、法科大学院が、これから来年の4月に立つということになっておりますが、知財の科目等が入ることになっておりますけれども、私の見ているところではやはり不十分で、これを法科大学院の流れの中で本格的にしていくということは、これからの段階ではないかというふうに思います。
 とりわけ国立大学が法人化される中で、国公私のイコールフッティングという状況の中での国家政策としての法科大学院の立ち上げと、その中での知財人材、知財弁護士の強化と言いましょうか、その人材育成というのは非常に大事だと思っております。
 今のあの絵の中での中心的な存在になっていく人材に欠けているというのが、今の日本の状況だと思います。
 最後のページ、一方でベンチャーの立ち上げ、支援には、大学の中にいない経営人材の確保がどうしても必要でありまして、そういうことの人材の流動化の促進が必要である。 また、インキュベーション、創業支援の仕組み。創業支援について、今申し上げたように、慶応では仕組みを既につくりまして、それでベンチャーの立ち上げを学内の人間がベンチャーを立ち上げられるようなバックアップ体制をつくっております。
 また、その下にありますように、一番下にありますような、エクイティの取得。大学がベンチャーを立ち上げたときに、大学発ベンチャーの株式等の取得が大学としては簡単にできるようにする必要がございまして、慶応もそういうことは既に始めておりますけれども、そういった個々の支援がとても大事だと思います。
 全体として、大学は随分活発になっておりますが、特に人材、この製品化に持っていくための人材の方も含めた、そういう人材の供給が是非これから重要だと思います。
 よろしくお願い申し上げます。

○福田内閣官房長官 ありがとうございました。
 それでは、中山本部員、お願いします。

○中山本部員 大学問題についてお話をするという話がございましたけれども、大学に関しましては、既に本会議で何回も申し上げております。今日はちょっと違うことですけれども、事務局の在り方について、余りにも独善的であるので、ちょっと異議を申し述べたいと思います。
 私は本部員として、専門調査会でメンバーである必要はないのですが、オブザーバーとして意見を述べたいと申し上げておりましたけれども、一切拒否されております。その理由は官邸の意向であるということでございます。私、まさか総理の意向であるとは考えていないんですけれども、いずれにいたしましても、事務局にはまともに議論をしようという真摯な態度がどうも私には感じられません。 したがって、この報告書には私の意見は反映されておりません。こういうことでは、私は本部員を続けている意義はないと考えております。
 1例を挙げるならば、先ほどから議論になっている知財高等裁判所でございますけれども、独立した知的財産高等裁判所という特別裁判所をつくるということは、職分管轄を始め、うかつにつくりますと、極めて使い勝手の悪い制度になるわけでございます。したがって、十分な議論をしなければいけない。今、議論をされておりますように、侵害まで扱うような特別裁判所につきましては、世界でも類を見ない新しい制度であります。
 したがって、私はどうしても申し上げたいことはたくさんあります。単に知財だけではなくて、これは法務大臣おっしゃったとおり、司法制度・裁判制度全般に関わる問題で、幾らでも意見を申したいことはあるんですけれども、本部員として意見を述べることは、先ほど言いましたように、禁じられております。
 私個人の意見が封じられるなら大した問題にないのですけれども、実は多くの弁護士や裁判官や研究者等々の、知財の専門家に対して議論をする場、あるいは議論をする時間が全く与えられていないということが最大の問題だと考えております。
 今、行われているような世界に例を見ないような大きな知財改革を行うに際しまして、これほど短い時間で行うという例も私は知りません。 例えばアメリカにおきましては、数年をかけて、各界の議論を基にして、特許裁判所は弊害が大きいということで、特許裁判所に代わってCAFCをつくったという経緯がございます。
 そもそも知財の改革というものは、大きな政治問題になるような性質のものではありません。要は裁判が迅速・的確に行われるとか、あるいは質を確保しつつ、迅速な特許審査が行われるか等々といったような非政治的な問題でありまして、これは学界を始め、多くのところで詳細な議論をしなければならない問題であると考えております。
 世界中でも知財の改革というのはありますけれども、その結論は別といたしまして、学界とか法曹界において、多くの徹底した議論がなされて、その議論の後を後世に残す。それが世界の知的な資産になっているわけであります。
 仮に今の改革ができたといたしましても、現実に裁判等々を運営していく知財の専門家から、これほどまでの怨嗟の的になっていて、果たして実効性のある改革ができるかという点を私は非常に危惧しております。
 5月にこの本部会でも申し上げましたけれども、事務局はあくまでも本部の事務局でありまして、事務局自体が特定の見解、特定の案に固執するとか、特定の本部員を排除して、政治家や財界のトップと話しをつけて決着をするというたぐいのものではないと私は考えております。 時間の関係でこれ以上詳しいことは申し上げませんけれども、とにかく急ぐだけが能ではないわけでありまして、各界に十分議論をする機会と時間というものを与えてほしいと思います。
 私にとって、先ほど言いましたように発言の機会は今日しかないわけであります。したがいまして、私としていたしましては、重大な決意を持って申し上げているわけでありまして、総理としても、重みを持って受け止めてもらえれば幸いでございます。
 以上です。

○福田内閣官房長官 また後で御意見を申し上げるとして、進めさせていただきます。
 川合本部員、どうぞお願いします。

○川合本部員 研究所で知財をどういうふうに生み出してきたかということを少し紹介させていただきます。
 1ページ目にございますように、皆様のなじみのあるところでは、洗剤、スポーツ飲料といったものを、理化学研究所の特許から実際に市場に送り出し、かなりの市場規模を今、持っているものでございます。

(PW)
 こういう知財をこれまで生み出してきた理化学研究所が、どういうスタンスでこういうものを生み出すことができたかと言いますと、特化したものを階級を推進するという方策も近年では取り入れられてございますが、1917年に理研が創立して以来、私どもの研究所は最先端の設備と、それから広いブロードな視野を持って、さまざまな分野を共存させて黙々と研究を続けてきたという背景がございます。
 そういうところから生み出てきた原理的な特許というのは非常に大きいものでございまして、先ほどの例に示した規模のような市場規模を持つ特許を、これまでに十数件、この十数年で生み出してきております。
 こういった背景には、やはり研究所運営の考え方というのが非常に大きな意味合いを持っております。

(PW)
 私ども、理研精神と言っているんですけれども、大河内精神。研究者の自由な発想に基づく基礎科学研究を推進して、それらの基礎科学研究の成果がさまざま産業の技術につながるという、ボトムアップの考え方から、実は多くの成果を上げてきてございます。
 そこの黄色いところに幾つかききの名前が書いてございますけれども、製品を生み出すだけではなく、そういう特許を基にこれまで幾つかの企業も出してくるという、産業界、それから我々の生活の基になる市場への寄与は大変大きいものでございます。
 私ども理研では、先ほど安西先生から御紹介があったように、ベンチャー企業を育てるということで、10年ほど前から理研ベンチャーというシステムをドライブしておりまして、既に15社が立ち上がり、1億以上の売上げを上げる会社も出始めております。

(PW)
 「さらなる知財戦略の強化に向けて」。特許を出して、それを買っていただくという姿勢ですと、どうしても時間がかかってしまいます。そこで企画段階からスピードを重視するという意味で産業界との連携をこれから積極的に取り入れていこうということで今、新しい施策を進めておるところでございます。

(PW)
 これはどんなことを考えているかというリストでございますので、その次に行っていただきたいと思います。

(PW)
 現在の取り組みということと、今後のやり方でございますけれども、実用化に向けてコーディネーターの制度というが大変重要でございまして、先ほど大学の方からも指摘されたように、間に立つ人間が迅速に産業科できるものを見極めていくというシステムが素早く産業科に結び付くということで、今、こういう施策をやっております。
 以上でございます。

○福田内閣官房長官 ありがとうございました。
 次に、大臣の方からの発言がございますので、順次お願いしようと思います。
 まず、茂木大臣どうぞ。

○科学技術政策担当大臣 私が担当しております総合科学技術会議でも、昨年の6月に知財関連の幾つかの提言をさせていただきました。
 例えば「再生医療」などの先端医療技術についての特許の保護範囲の明確化を図っていくこと。それから、特許審査等の迅速化の必要性について。これらを提言していますが、本日御報告がありましたように、知財本部の専門調査会において、これらの具体化に向けて積極的に取り組んでいただいていることに感謝申し上げます。
 総合科学技術会議としても、今後、知財本部と密接に連携を取りながら引き続き検討していきたい項目が幾つかあります。
 1つは、来年の4月の国立大学法人化を契機に、大学などにおける知的財産等成果の機関帰属化を進めること。
 2つ目は、研究者の流動化に伴う特許、それから研究マテリアルなどの知的財産の取扱いを明確にすること。こういう課題について、知財立国の実現に向けて引き続き議論を深める等、積極的に取り組んでいきたいと考えています。
 私は、IT分野も担当しておりまして、ここでもコンテンツの問題があります。 IT戦略本部では、今年の7月に「e−JapanU」を加速化するための方策をつくりまして、その実現に努めているところですが、この中で、先ほど牛尾会長からもありましたコンテンツの問題については、IT政策の推進の上でも重要な柱と考えています。
 例えばNHKのアーカイブスには47万本のテレビ番組がありますが、著作権の関係で、結局、ネット上でも1本も見られないという状態にあります。テレビ番組や映画などの膨大なコンテンツ資産を有効に活用するためには、流通市場をきちんと整備していかなくてはならない。これに加えてプロードバンド上での新たな流通市場を形成してくための方策などについても取り組む必要があると考えています。
 勿論、IT戦略本部でも検討を進めますが、是非知的財産戦略本部が中心となって、こうした問題について、是非とも真剣な検討をお願いしたいと思っています。
 以上です。

○福田内閣官房長官 次に、河村文部科学大臣からお願いします。

○河村文部科学大臣 文部科学大臣です。先ほど来、コンテンツの振興、大学への知的財産取り組み、法科大学院、貴重な御指摘、御意見をいただきました。
 コンテンツの振興については、特に文部科学省も概算要求では、「日本映画・映像振興プラン」、映画に力を今回入れておりまして、映画、映像の製作を支援したり、流通を支援する。更に人材養成の面からも、力を入れなければいけないと思っておりますし、また、フィルムの保存・継承、こういうことに予算要求をいたしております。
 著作権の保護の強化、これも大事でありまして、今、文化審議会で検討いたしておりますが、これを受けて、次の国会で法改正をやりたいと考えておりますし、子どもたちにも著作権の教育をしっかりやらなければいけないと思っております。
 更に大学での知的財産への取り組み、随分進んでいただいておるようでございます。43件の大学、知的財産本部、これに4,000 万〜7,000 万の資金援助もしながら進めておるわけでございます。是非大学発ベンチャーをどんどん進めてまいりたい。アメリカ辺りでは学生がどんどん企業を起こしているようでございますが、日本も是非頑張っていただくように、我々もしっかり応援したいと思います。
 法科大学院、御指摘ございました66法科大学院がいよいよスタートいたします。是非、知財に強い法曹ということでそれぞれ取り組まれているわけでございまして、まだまだ授業科目等がこれで十分かという御指摘もございます。今日は弁理士会もお見えだと思いますが、御協力をいただいて、是非法科大学院が実を結んでいくように、こちらもしっかり支援をいたしますが、まずは関係者の大いなる御努力を期待しております。

○福田内閣官房長官 次に中川経済産業大臣お願いします。時間の関係で手短によろしくお願いいたします。

○中川経済産業大臣 経済産業省としては、知的財産権の早期の権利確定、あるいは人材、資金、時間等のできるだけ無駄を省きたいということで、さっき80万件の待機ということがありましたが、我が省としては、任期付特許審査官を毎年100 人ずつ5年、計500 人体制でこの待機待ちをゼロにしたいということを最重点で頑張っていきたいと思います。
 以上です。

○福田内閣官房長官 次に麻生総務大臣からお願いします。

○麻生総務大臣 コンテンツの話が一番いろいろ出てきて、牛尾さんのお話があったとおりなんだと思うんですが、この話は先ほど皆さんおっしゃっておられますように、NHK等の放送のコンテンツの二次利用について、出ている出演者、音楽制作者等々、すべての許可は御自分で取ってきてくださいということになると、幾らかかると思われます? そこを計算してもらわないと話にならないんです。
 この種の話は、つくるときに再放送あり得べしという話で最初から契約していただかないとどうにもならいいところだと思いますので、既に亡くなっておられる方は息子や孫から取らなきゃいかぬという話にしている。映画などはえらいことなんです。
 その意味では、ここのところは、その種のことを前提にして仕組みができておりませんので、契約するときから考えていただかなければいけないということが一番大事なんで、円滑化されるためには、是非権利者という意味で、これは官民一体でやらなければいけないところだと思っておりますので、この後もコンテンツの制作に当たって、委託取引や何やらというところの公正化、透明化が必要ということになるんだと思いますので、これは公取とかいろいろ関係してくるところがいっぱいあるんだと思いますけれども、とにかくこの後ブロードバンドでほとんどのネットワークが進んできますので、それの流通ということを考えていく。インターネットで実証していく技術というものを含めまして、もう一回実証実験を開始する必要が、放送としてはあるところなんですが、是非とも放送業者が取引に関する自主基準というのを決めていただくということも大変なんで、今年の3月からそういったことがスタートしておりますけれども、基本的には知的財産戦略本部としてこの種のコンテンツビジネスを支えておられる方々というものの議論を踏まえて、政策としては法律的なものがかなり欠けておるところが、時代に追いついてきていないところがあると思いますので、きちんと対応してまいりたいと思っております。

○福田内閣官房長官 どうもありがとうございました。
 ほかに御意見を伺おうと思ったんですが、時間がなくなってしまいましたので、これで打ち切らせていただきます。
 また、中山本部員の話は、また後ほどお伺いしますので、よろしくお願いします。
 それでは、これから小泉総理から御発言をいただきたいと思います。

(報道関係者入室)

○小泉内閣総理大臣 後でゆっくり意見を、事務局も受け止めてやりますから、言いたいことは言っておいてください。
 先ほども言われましたけれども、この施政方針演説で知的財産立国を目指して、戦略会議を立ち上げ、必要な政策を強力に推進します。この方針に沿ってお陰様で進んでいる。これは皆様方の積極的な御協力の賜物でありまして、厚く御礼申し上げます。
 いよいよ来年は法案を国会に出さなければなりませんので、いい法案ができるように、今後とも格別の御指導、御協力をお願いしたいと思います。
 ありがとうございます。

(報道関係者退室)

○福田内閣官房長官 それでは、次回の会議は推進計画が、知的財産基本法に基づいて年1回見直すということになっておりますので、実施状況や新規の施策について御審議をお願いしたいと思っております。日程は追って御連絡します。
 なお、本日の会合の内容につきましては、事務局で記者会見を行わせていただきます。 どうも大変ありがとうございました。