▽平成十二年度 学校基本調査……………………………………文 部 省(現文部科学省)
▽法人企業動向調査(平成十二年十二月実施調査結果)………内 閣 府
▽毎月勤労統計調査(一月分)……………………………………厚生労働省
▽月例経済報告(三月報告)………………………………………内 閣 府
平成12年度
T 学校調査
◇小学校(第1表参照)
学校数は二万四千百六校(国立七十三校、公立二万三千八百六十一校、私立百七十二校)で、平成十一年度より八十二校減少した。
学級数は二十七万一千六百九十三学級で、前年度より二千七百九十七学級減少した。
児童数は七百三十六万六千七十九人で、前年度より十三万四千二百三十八人減少し、過去最低となっている。また、第一学年の児童数(小学校入学者)は百十九万二千二百五十八人で、前年度より一万八百六十九人減少した。
本務教員数は四十万七千五百九十八人で、前年度より三千八百四十一人減少した。また、男女別の内訳は男子教員が十五万三千六百五十二人(三七・七%)、女子教員は二十五万三千九百四十六人(六二・三%)である。
本務教員一人当たり児童数は十八・一人で、前年度より〇・一人減少した。
◇中学校(第2表参照)
学校数は一万一千二百九校(国立七十六校、公立一万四百五十三校、私立六百八十校)で、平成十一年度より十一校減少した。
学級数は十二万六千六百四十三学級で、前年度より二千九百四十四学級減少した。
生徒数は四百十万三千七百十七人で、前年度より十四万四十五人減少し、過去最低となっている。
本務教員数は二十五万七千六百五人で、前年度より四千六百二十一人減少した。また、男女別の内訳は男子教員が十五万三千二百九十人(五九・五%)、女子教員は十万四千三百十五人(四〇・五%)で、女子教員の占める比率は前年度より〇・一ポイント低下した。
本務教員一人当たり生徒数は十五・九人で、前年度より〇・三人減少した。
◇長期欠席児童生徒数(第3表参照)
平成十一年度間に三十日以上欠席した児童生徒数は、小学校が七万八千四百二十八人で前年度間より四千三百七十九人、中学校が十四万二千七百五十人で前年度間より二千四百三十四人それぞれ減少した。このうち「不登校」を主な理由とする者は、小学校が二万六千四十七人で前年度間より三十人増加し、中学校が十万四千百八十人で前年度間より二千五百五人増加した。
◇高等学校(第4表参照)
<全日制課程・定時制課程>
学校数は五千四百七十八校(全日制課程四千六百二十校、定時制課程百七十六校、全日制・定時制課程を併せ持つ併置校六百八十二校)で、前年度より三校減少した。設置者別の内訳は国立が十五校、公立は四千百四十五校、私立は一千三百十八校で、国立は二校、公立は三校減少し、私立は二校増加した。
生徒数は四百十六万五千四百三十四人(全日制課程四百五万六千百十二人、定時制課程十万九千三百二十二人)で、前年度より四万六千三百九十二人減少した。設置者別の内訳は国立が八千八百二十四人、公立は二百九十三万二百九十五人、私立は百二十二万六千三百十五人で、前年度より国立は八百三人、公立は二万三千五百九十九人、私立は二万一千九百九十人それぞれ減少した。生徒数のうち本科の生徒数は四百十五万七千二百六十九人で、前年度より四万六千四百八十一人減少した。
本科の入学者数は百四十万二百二十八人で、前年度より三万六千二百九人減少している。
本務教員数は二十六万九千二十七人で、前年度より二千百八十三人減少した。また、男女別の内訳は男子教員が二十万百八十人(七四・四%)、女子教員は六万八千八百四十七人(二五・六%)で、女子教員の占める比率は前年度より〇・四ポイント上昇し、過去最高となっている。
本務教員一人当たり生徒数は十五・五人であり、前年度と同様である。
<通信制課程>
学校数は百十三校(独立校二十五校、併置校八十八校)で、前年度より九校増加した。設置者別の内訳は公立が六十九校、私立は四十四校である。学校数のうち修業年限三年の課程を置く学校は八十二校である。また、修業年限三年の単位制による課程を置く学校は五十六校である。高等学校の通信教育について協力する高等学校(協力校)は三百八十九校で、前年度より二校減少した。
生徒数は十八万一千八百七十七人で、前年度より一万八百六十五人増加した。生徒数のうち単位制による課程の生徒数は七万九千百三十五人である。
教員数は六千九百五十二人(本務者二千四百七十八人、兼務者四千四百七十四人)で、前年度より九十三人増加した。
◇中等教育学校
学校数は四校(国立二校、公立一校、私立一校)である。
生徒数は前期課程が八百七十四人、後期課程(全日制課程)は八百二十八人である。
本務教員数は百二十四人である。
◇盲・聾(ろう)・養護学校(第5表参照)
学校数は盲学校が七十一校、聾(ろう)学校は百七校、養護学校は八百十四校で、平成十一年度より、養護学校は四校増加し、盲学校、聾(ろう)学校は前年度と同数である。
在学者数は盲学校が四千八十九人、聾(ろう)学校は六千八百十八人、養護学校は七万九千百九十七人で、養護学校は前年度より一千三百七十九人増加し、盲学校は八十三人、聾(ろう)学校は六人減少した。
本務教員数は盲学校が三千四百五十九人、聾(ろう)学校は四千八百七十七人、養護学校は四万九千二百十一人で、前年度より盲学校は八人、聾(ろう)学校は六人減少し、養護学校は一千六十八人増加した。
◇幼稚園(第6表参照)
園数は一万四千四百五十一園(国立四十九園、公立五千九百二十三園、私立八千四百七十九園)で平成十一年度より七十六園減少した。
在園者数は百七十七万三千六百八十二人で、前年度より四千六百四人減少した。年齢別の内訳は三歳児が三十七万二百三十七人、四歳児は六十五万六千八百六人、五歳児は七十四万六千六百三十九人で、前年度に比べ三歳児は一万二千百四十四人、五歳児は一万八千二百七十四人増加し、四歳児は三万五千二十二人減少した。設置者別の内訳は国立が六千八百八十九人、公立は三十六万三千八百五十一人、私立は百四十万二千九百四十二人で、前年度より国立が二十二人、私立は七千八百七十五人減少し、公立は三千二百九十三人増加した。
本年度小学校第一学年児童数に対する平成十二年三月の幼稚園修了者の比率(いわゆる就園率)は六一・一%で、前年度より〇・五ポイント低下した。
本務教員数は十万六千六十七人で、前年度より一千十九人増加した。
本務教員一人当たり園児数は十六・七人で、前年度より〇・二人減少した。
◇大学(第7表、第8表参照)
学校数は六百四十九校で、平成十一年度より二十七校増加した。設置者別の内訳は国立が九十九校、公立は七十二校、私立は四百七十八校で、前年度より公立は六校、私立は二十一校それぞれ増加し、国立は同数であった。
学生数は二百七十四万二十三人で、前年度より三万八千九百十九人増加し、過去最高となっている。設置者別の内訳は国立が六十二万四千八十二人、公立は十万七千百九十八人、私立は二百万八千七百四十三人で、前年度より国立は二千九百五十六人、公立は六千百三十六人、私立は二万九千八百二十七人それぞれ増加した。また、男女別の内訳は男子が百七十四万七千七百十一人、女子は九十九万二千三百十二人で、前年度より男子は六千九十七人、女子は三万二千八百二十二人それぞれ増加した。女子学生の占める比率は三六・二%で、前年度より〇・七ポイント上昇し、過去最高となっている。学部学生の関係学科別の内訳は「社会科学」(三九・九%)が最も高く、次いで「工学」(一八・九%)、「人文科学」(一六・六%)等となっている。
大学院学生の専攻分野別の内訳は修士課程が「工学」(四一・四%)、博士課程は「医・歯学」(二九・二%)がそれぞれ最も高くなっている(第8表参照)。
学部の入学者数は五十九万九千六百五十五人で、前年度より一万九十六人増加した。出身高等学校と同一県内の大学へ入学した者の比率(自県内入学率)は三八・八%で、前年度より一・〇ポイント上昇した。また、大学院の入学者数は修士課程が七万三百三十六人、博士課程は一万七千二十三人となっている。
本務教員数は十五万五百六十三人で前年度より二千九百八十四人増加した。
◇短期大学(第7表参照)
学校数は五百七十二校で、平成十一年度より十三校減少した。設置者別の内訳は国立が二十校、公立は五十五校、私立は四百九十七校で、前年度より国立は三校、公立は四校、私立は六校それぞれ減少した。
学生数は三十二万七千六百八十人で、前年度より五万百七十二人減少した。設置者別の内訳は国立が七千七百七十二人、公立は二万一千六十一人、私立は二十九万八千八百四十七人で、前年度より国立は九百三十八人、公立は一千四百四人、私立は四万七千八百三十人減少した。また、男女別の内訳は、男子は三万三千九百九十人、女子は二十九万三千六百九十人で、前年度より男子は四千百二十一人、女子は四万六千五十一人それぞれ減少した。女子学生の占める比率は八九・六%で前年度より〇・三ポイント低下した。
本科学生の関係学科別の内訳は「家政」(二四・三%)が最も高く、次いで「人文」(一九・九%)等となっている(第8表参照)。
本科の入学者数は十四万一千四百九十一人で、前年度より二万七千四百八十二人減少した。出身高等学校と同一県内の短期大学へ入学した者の比率(自県内入学率)は五九・三%で、前年度より一・三ポイント上昇した。
本務教員数は一万六千七百五十二人で、前年度より一千四百五十四人減少した。
◇大学・大学院・短期大学の通信教育(第7表参照)
通信による教育を行う大学は二十校、大学院は六校、短期大学は十校で、平成十一年度より大学は二校、大学院は二校増加し、短期大学は同数である。
学生数は大学が二十一万九千七百十一人、大学院は七百六十三人、短期大学は二万八千百八人で、前年度より大学は三千二十四人、大学院は三百九十五人増加し、短期大学は三千七百六十人減少している。正規の課程の学生数は大学が十七万五千八百九十八人、大学院は七百四十七人、短期大学は二万六千六百二十二人で、前年度より大学は三千五百四十二人、大学院は三百七十九人増加し、短期大学は三千五百五十一人減少した。
本務教員数は大学が百四十三人、大学院は十人、短期大学は三十二人である。
◇大学・短期大学への入学状況、進学率(第9表参照)
大学(学部)・短期大学(本科)への入学者数は七十四万一千百四十六人で、平成十一年度より一万七千三百八十六人減少した。
大学・短期大学への進学率(三年前の中学校卒業者に対する入学者の比率)は四九・一%で、前年度と同率である。また、男女別の進学率は男子が四九・四%、女子は四八・七%(男女差〇・七ポイント)である。
高等学校卒業者(中等教育学校(後期課程)卒業者、過年度卒業者を含む。)のうち大学・短期大学への入学志願者数は八十八万九千二百三十一人で、前年度より四万二千六百十六人減少した。平成十二年三月高等学校卒業者(新規高等学校及び中等教育学校(後期課程)卒業者)のうち大学・短期大学への入学志願者数は七十三万八千四百八十人で、新規高卒者に占める比率(志願率)は五五・六%である。
◇高等専門学校(第7表参照)
学校数は六十二校(国立五十四校、公立五校、私立三校)で、平成十一年度と同数である。
学生数は五万六千七百十四人で、前年度より二百七十八人増加した。設置者別の内訳は国立が四万九千八百九十七人、公立は四千五百五十六人、私立は二千二百六十一人である。また、男女別の内訳は男子が四万六千九十人、女子は一万六百二十四人で、前年度より男子は二百四十一人、女子は三十七人増加した。女子学生の占める比率は一八・七%で、前年度より〇・一ポイント低下した。入学者数は一万一千二百二十五人で前年度より百五人減少した。
本務教員数は四千四百五十九人で、前年度より二十六人増加した。
◇専修学校(第10表参照)
学校数は三千五百五十一校で、平成十一年度より十四校減少した。設置者別の内訳は国立が百三十九校、公立は二百十七校、私立は三千百九十五校で、前年度より国立は二校、公立は一校、私立は十一校減少した。
生徒数は七十五万八百二十四人で、前年度より二千九百十六人減少した。設置者別の内訳は国立が一万五千四百十人、公立は三万三千百三十七人、私立は七十万二千二百七十七人で、私立は全体の九三・五%を占めている。また、男女別の内訳は男子が三十四万四千七百五十一人、女子は四十万六千七十三人である。女子学生の占める比率は五四・一%で、前年度より〇・七ポイント上昇した。
課程別の内訳は高等課程が六万八千八百七十七人、専門課程は六十三万七千三百八人、一般課程は四万四千六百三十九人で、前年度より高等課程は三千四百五十四人、一般課程は一千四百一人それぞれ減少し、専門課程は一千九百三十九人増加した。分野別の内訳は「医療関係」が十九万九千五百五十一人で全生徒数の二六・六%を占め最も多く、次いで「文化・教養関係」十四万一千百六十人(一八・八%)、「工業関係」十三万九千三百十一人(一八・六%)等となっている。
平成十二年四月一日から五月一日までの間に専修学校へ入学した者は三十八万六千四百七十一人で、前年度より一千四十七人増加した。
専門課程への入学者(三十一万三千七百十八人)のうち、本年三月に高等学校を卒業した者は二十二万二千六百四十四人(専門課程入学者のうち七一・〇%)であり、本年三月に高等学校を卒業した者(百三十二万八千九百人)に占める比率は一六・八%で、前年度より〇・六ポイント上昇した。
◇各種学校
学校数は二千二百七十八校で、平成十一年度より八十三校減少した。設置者別の内訳は国立が二校、公立は四十校、私立は二千二百三十六校で、前年度より国立は同数、公立は五校、私立は七十八校でそれぞれ減少した。
生徒数は二十二万二千九百六十一人で、前年度より七千五百四十一人減少した。また、男女別の内訳は男子が十万八千九十一人、女子は十一万四千八百七十人であった。女子学生の占める比率は五一・五%で、前年度と同様である。
分野別の内訳は「その他」が十四万二千百九十四人で全生徒数の六三・八%を占めて最も多く、次いで「文化・教養関係」二万三千八百二十四人(一〇・七%)、「商業実務関係」二万三千七百六十四人(一〇・七%)、「医療関係」一万七千五百六十八人(七・九%)等となっている。また、「その他」の内訳では自動車操縦(六万二千百十五人で全生徒数の二七・九%)と予備校(四万九千三百人で全生徒数の二二・一%)が大半を占めている。
U 卒業後の状況調査
◇進路別中学校卒業者(第11表参照)
<概 要>
平成十二年三月の中学校卒業者は百四十六万四千七百六十人で、前年より三万七千九百五十一人減少した。
卒業者の進路別の内訳は「高等学校等進学者」(高等学校の本科・別科、中等教育学校(後期課程)の本科・別科、盲・聾(ろう)・養護学校高等部の本科・別科及び高等専門学校へ進学した者をいう。また、進学して同時に就職した者も含む。以下同じ。)が百四十二万七百十五人(九七・〇%)、「専修学校(高等課程)進学者」は五千八十七人(〇・三%)、「専修学校(一般課程)等入学者」は三千百八十六人(〇・二%)、「公共職業能力開発施設等入学者」は二千三百九十六人(〇・二%)、「就職者」(前記の高等学校等進学者、専修学校(高等課程)進学者、専修学校(一般課程)等入学者及び公共職業能力開発施設等入学者に含まれる者を除く。以下同じ。)は一万三千四十七人(〇・九%)、「左記以外の者」及び「死亡・不詳の者」は二万三百二十九人(一・四%)となっている。
<進学状況>
卒業者のうち高等学校等へ進学した者は百四十二万七百十五人で、前年より三万四千七百三十人減少した。高等学校等進学率(卒業者のうち高等学校等進学者の占める比率)は九七・〇%で、前年三月より〇・一ポイント上昇した。高等学校等進学率の男女別の内訳は男子が九六・三%、女子は九七・七%で、前年より男子は〇・二ポイント上昇し、女子は同率である。また、専修学校(高等課程)へ進学した者は五千八十七人で、前年三月より九百八十四人減少した。
<就職状況>
就職者一万三千四十七人に、高等学校等進学者、専修学校(高等課程)進学者、専修学校(一般課程)等入学者及び公共職業能力開発施設等入学者のうち就職している者を加えた就職者総数は一万四千九百三人で、前年三月より一千九百七十七人減少した。就職率(卒業者のうち就職者総数の占める比率)は一・〇%で、前年三月より〇・一ポイント低下した。就職者総数のうち、県外(出身中学校が所在する県以外の県)へ就職した者は一千五百一人で、就職者総数の一〇・一%を占めており、前年三月より一・四ポイント低下した。
◇進路別高等学校卒業者(第12表参照)
<概 要>
平成十二年三月の高等学校卒業者は百三十二万八千九百二人で、前年三月より三万三千七百八十人減少した。
卒業者の進路別の内訳は「大学等進学者」(大学の学部・通信教育部・別科、短期大学の本科・通信教育部・別科及び高等学校専攻科、並びに盲・聾(ろう)・養護学校高等部の専攻科に進学した者をいう。また、進学して同時に就職した者も含む。以下同じ。)が五十九万九千七百四十七人(四五・一%)、「専修学校(専門課程)進学者」は二十二万八千六百七十二人(一七・二%)、「専修学校(一般課程)等入学者」(専修学校(一般課程、高等課程)、各種学校に入学した者をいう。また、これらの学校等へ入学して同時に就職した者も含む。以下同じ。)は十一万五千五百十二人(八・七%)、「公共職業能力開発施設等入学者」は一万百九十二人(〇・八%)、「就職者」(前記の大学等進学者、専修学校(専門課程)進学者、専修学校(一般課程)等及び公共職業能力開発施設等への入学者に含まれる者を除く。以下同じ。)は二十四万一千七百三人(一八・二%)、「左記以外の者」及び「死亡・不詳の者」は十三万三千七十六人(一〇・〇%)となっている。
<進学状況>
卒業者のうち大学等へ進学した者は五十九万九千七百四十七人で、前年三月より二千三百三十一人減少した。大学等進学率(卒業者のうち大学等進学者の占める比率)は四五・一%で、前年三月より〇・九ポイント上昇した。また、大学等進学率の男女別の内訳は男子が四二・六%で前年三月より二・四ポイント上昇し、女子は四七・六%で前年三月より〇・五ポイント低下し、男女差は前年三月の七・九ポイントから五・〇ポイントに縮小した。
また、専修学校(専門課程)へ進学した者は二十二万八千六百七十二人で、前年三月より二百八十二人増加した。
<就職状況>
就職者二十四万一千七百三人に、大学等進学者、専修学校(専門課程)進学者、専修学校(一般課程)等入学者及び公共職業能力開発施設等入学者のうち就職している者を加えた就職者総数は二十四万七千七十四人で、前年三月より二万八千七百八十五人減少した。就職率(卒業者のうち就職者総数の占める比率)は一八・六%で、前年三月より一・六ポイント低下し、過去最低となっている。
就職先の産業別の内訳は「製造業」が八万三千九百九十五人(就職者総数の三四・〇%)と最も多く、次いで「サービス業」五万九千八百十四人(二四・二%)、「卸売・小売業、飲食店」四万六千四百八人(一八・八%)等となっている。また、職業別の内訳は「生産工程・労務作業者」が十万三千三百五十八人(就職者総数の四一・八%)と最も多く、次いで「サービス職業従事者」四万七千三百六十二人(一九・二%)、「事務従事者」三万一千六百二十二人(一二・八%)等となっている。
就職者総数のうち、県外(出身高等学校が所在する県以外の県)へ就職した者は四万三千六百七十四人で、就職者総数の一七・七%を占めており、前年三月より二・八ポイント低下した。
◇進路別高等学校(通信制)卒業者
平成十一年度間の高等学校(通信制)の卒業者は二万九千二百八十人で、前年度間より二千六十七人増加した。
卒業者の進路別の内訳は「大学等進学者」が三千三百六十七人(一一・五%)、「専修学校(専門課程)進学者」は五千四百二十八人(一八・五%)、「専修学校(一般課程)等入学者」は五百二十六人(一・八%)、「公共職業能力開発施設等入学者」は七十一人(〇・二%)、「左記以外の者」及び「死亡・不詳の者」は一万二千百五十五人(四一・五%)となっている。
◇進路別中等教育学校前期課程修了者、後期課程卒業者
平成十一年度に創設された中等教育学校では平成十二年三月に前期課程修了者、後期課程卒業者が初めて出ている。
前期課程修了者は四十人で、全員が「高等学校等進学者」である。
後期課程卒業者は三十八人となっている。進路別の内訳は「大学進学者」が三十二人、「専修学校(一般課程)等入学者」は五人、「就職者」は一人となっている。
◇進路別盲・聾(ろう)・養護学校(中学部・高等部)卒業者
<中学部卒業者>
平成十二年三月の卒業者数は盲学校が二百一人、聾(ろう)学校は三百八十九人、養護学校は六千三百五十三人となっている。卒業者のうち「高等学校等進学者」は盲学校が百九十七人(九八・〇%)、聾(ろう)学校は三百八十八人(九九・七%)、養護学校は六千二人(九四・五%)となっている。なお、これらの進学者の主な進学先は盲学校・聾(ろう)学校・養護学校の高等部である。
<高等部卒業者>
平成十二年三月の卒業者数は盲学校が三百四十四人、聾(ろう)学校が五百四十二人、養護学校が一万三百三十七人となっている。卒業者のうち「大学等進学者」は盲学校が百六十六人(四八・三%)、聾(ろう)学校は二百五十三人(四六・七%)、養護学校は百十三人(一・一%)となっている。卒業者のうち就職者総数は盲学校が四十七人(一三・七%)、聾(ろう)学校は百八十四人(三三・九%)、養護学校は二千三百八十人(二三・〇%)となっている。
◇進路別大学(学部)卒業者(第13表参照)
<概 要>
平成十二年三月の大学(学部)卒業者は五十三万八千六百八十三人で、前年三月より六千二百四十七人増加した。
卒業者の進路別の内訳は「大学院等進学者」(大学院研究科、大学学部、短期大学本科、大学・短期大学の専攻科、別科へ進学した者をいう。また、進学して同時に就職した者も含む。以下同じ。)が五万七千六百六十三人(一〇・七%)、「就職者」(前記の大学院等への進学者に含まれる者を除く。以下同じ。)は三十万六百八十七人(五五・八%)、「臨床研修医」(予定者を含む。)は五千九百二十九人(一・一%)、「一時的な仕事に就いた者」は二万二千六百三十三人(四・二%)、「左記以外の者」は十二万一千八十三人(二二・五%)、「死亡・不詳の者」は三万六百八十八人(五・七%)となっている。
<進学状況>
卒業者のうち大学院等へ進学した者は五万七千六百六十三人で、前年三月より三千六百四十人増加した。大学院等への進学率(卒業者のうち大学院等への進学者の占める比率。以下同じ。)は一〇・七%で、前年三月より〇・六ポイント上昇した。また、大学院等進学率の男女別の内訳は男子が一三・一%で前年三月より〇・八ポイント、女子は六・八%で前年三月より〇・三ポイント上昇した。
<就職状況>
就職者三十万六百八十七人に、大学院等への進学者のうち就職している者を加えた就職者総数は三十万七百十八人で、前年三月より一万九千四百一人減少した。就職率(卒業者のうち就職者総数の占める比率。以下同じ。)は五五・八%で、前年三月より四・三ポイント低下し、過去最低となっている。
就職者総数の産業別、職業別の内訳は、産業別(構成比)では、サービス業が三二・五%で平成七年以降六年連続して最も高く、次いで卸売・小売業,飲食店二二・一%、製造業一七・六%、金融・保険業九・五%、建設業五・五%、公務五・〇%、運輸・通信業三・三%等である。
職業別(構成比)では、事務従事者が三五・九%で平成五年以降八年連続して最も高く、次いで専門的・技術的職業従事者三二・〇%(うち技術者二〇・八%、教員三・二%等)、販売従事者二二・八%等である。
◇進路別大学院(修士課程)修了者(第14表参照)
<概 要>
平成十二年三月の大学院(修士課程)修了者は五万六千三十八人で、前年三月より三千百八十八人増加した。
卒業者の進路別の内訳は「大学院等進学者」が九千三百三十八人(一六・七%)、「就職者」は三万五千百四人(六二・六%)、「左記以外の者」は八千七百二十八人(一五・六%)、「死亡・不詳の者」は二千八百六十八人(五・一%)となっている。
<進学状況>
修了者のうち大学院等へ進学した者は九千三百三十八人で、前年三月より八百七十六人増加した。大学院等への進学率は一六・七%で、前年三月より〇・七ポイント上昇した。また、大学院等進学率の男女別の内訳は男子が一六・〇%で前年三月より〇・五ポイント上昇し、女子は一八・六%で前年三月より〇・九ポイント上昇した。
<就職状況>
就職者三万五千百四人に、大学院等への進学者のうち就職している者を加えた就職者総数は三万五千二百二十四人で、前年三月より九百二十八人増加した。就職率は六二・九%で、前年三月より二・〇ポイント低下した。
就職者総数の産業別、職業別の内訳は、産業別(構成比)では製造業が四八・一%で昭和四十二年以降三十四年連続して最も高く、次いでサービス業は三〇・〇%、公務は五・八%、建設業は四・五%、運輸・通信業は三・七%、卸売・小売業,飲食業は二・〇%等である。
職業別(構成比)では専門的・技術的職業従事者が八三・二%(うち技術者六三・一%、教員八・二%、科学研究者五・四%等)で修士課程、博士課程別に調査を開始した昭和三十八年以降三十八年連続して最も高く、次いで事務従事者は一〇・三%、サービス職業従事者は一・四%、販売従事者は一・一%等である。
◇進路別大学院(博士課程)修了者(第15表参照)
<概 要>
平成十二年三月の大学院(博士課程)修了者は一万二千三百七十五人で、前年三月より百八十三人増加した。
卒業者の進路別の内訳は「大学院等進学者」が百十五人(〇・九%)、「就職者」は六千九百十一人(五五・八%)、「臨床研修医」(予定者も含む。)は五十一人(〇・四%)、「左記以外の者」は四千二百十三人(三四・〇%)、「死亡・不詳の者」は一千八十五人(八・八%)となっている。
<就職状況>
就職者六千九百十一人に、大学院等への進学者のうち就職している者を加えた就職者総数は六千九百十四人で、前年三月より二百六人減少した。就職率は五五・九%で、前年三月より二・五ポイント低下した。
就職者総数の産業別、職業別の内訳は、産業別(構成比)ではサービス業が七三・六%で調査を開始した昭和三十八年以降三十八年連続して最も高く、次いで製造業は一三・九%、公務は五・五%等である。
職業別(構成比)では、専門的・技術的職業従事者が九三・九%(うち教員二九・三%、保健医療従事者二九・八%、科学研究者一八・三%、技術者一五・一%等)で調査を開始した昭和三十八年以降三十八年連続して最も高く、次いで事務従事者は一・九%等である。
◇進路別短期大学(本科)卒業者(第16表参照)
<概 要>
平成十二年三月の短期大学(本科)卒業者は十七万七千九百九人で、前年三月より一万五千二百八十一人減少した。
卒業者の進路別の内訳は「大学等進学者」が一万六千八百七人(九・四%)、「就職者」は九万九千六百四十一人(五六・〇%)、「一時的な仕事に就いた者」は一万六千二百十七人(九・一%)、「左記以外の者」は四万一千七百四人(二三・四%)、「死亡・不詳の者」は三千五百四十人(二・〇%)となっている。
<進学状況>
卒業者のうち大学等へ進学した者は一万六千八百七人で、前年三月より二百八十人減少した。進学率は九・四%で、前年三月より〇・六ポイント上昇した。また、大学等進学率の男女別の内訳は男子が二四・二%で前年三月より〇・二ポイント上昇し、女子は八・〇%で前年三月より〇・六ポイント上昇した。
<就職状況>
就職者九万九千六百四十一人に、大学等への進学者のうち就職している者を加えた就職者総数は、九万九千六百五十三人で、前年三月より一万四千五百四十一人減少した。就職率は五六・〇%で、前年三月より三・一ポイント低下した。
就職者総数の産業別、職業別の内訳は、産業別(構成比)では、サービス業が五一・八%で調査を開始した昭和二十七年以降四十九年連続して最も高く、次いで卸売・小売業,飲食店は一八・一%、製造業は一一・〇%、金融・保険業は一〇・〇%、運輸・通信業は二・四%、建設業は二・三%等である。
職業別(構成比)では、専門的・技術的職業従事者が三八・四%(うち保健医療従事者一二・三%、教員七・六%等)で高く、次いで事務従事者が三八・三%、販売従事者は一二・五%、サービス職業従事者は七・二%等である。
◇進路別高等専門学校卒業者(第17表参照)
<概 要>
平成十二年三月の高等専門学校卒業者は九千八百四十九人で、前年三月より十三人増加した。
卒業者の進路別の内訳は「大学等進学者」が三千三百六人(三三・六%)、「就職者」は五千八百七十八人(五九・七%)、「左記以外の者」は六百六十四人(六・七%)、「死亡・不詳の者」は一人となっている。
<進学状況>
卒業者のうち大学等へ進学した者は三千三百六人で、前年三月より二百二十一人増加した。大学等への進学率は三三・六%で、前年三月より二・二ポイント上昇した。また、進学率の男女別の内訳は男子が三五・九%で前年三月より二・三ポイント、女子は二三・七%で前年三月より一・二ポイントそれぞれ上昇した。
<就職状況>
就職者五千八百七十八人に大学等への進学者のうち就職している者を加えた就職者総数は、五千八百七十九人で、前年三月より三百十六人減少した。就職率は五九・七%で、前年三月より三・三ポイント低下し、過去最低となっている。
就職者総数の産業別、職業別の内訳は、産業別(構成比)では、製造業が四七・二%で調査を開始した昭和三十九年以降三十七年連続して最も高く、次いでサービス業が二三・四%、建設業は一一・二%、運輸・通信業は六・七%、公務は四・一%、電気・ガス・熱供給・水道業は三・三%、卸売・小売業,飲食店は二・〇%等である。
職業別(構成比)では、専門的・技術的職業従事者が九一・九%(うち技術者九一・二%等)で調査を開始した昭和三十九年以降三十七年連続して最も高く、次いで運輸・通信従事者が二・四%、事務従事者は一・七%、サービス職業従事者は一・一%、販売従事者は一・一%等である。
◇調査要領
本調査は、資本金一億円以上の全営利法人を対象として、設備投資の実績及び計画並びに企業経営者の景気と経営に対する判断及び見通し並びに設備投資に関連する海外直接投資動向を調査したものである。
調査対象:調査は、原則として国内に本社又は主たる事務所をもって企業活動を営む資本金又は出資額が一億円以上の全営利法人(約三万四千社)から、内閣府が定める方法により選定した四千五百四十社を対象とした。
調査時点:平成十二年十二月二十五日
調査方法:調査は、調査法人の自計申告により行った。
なお、資本金又は出資額が百億円以上の営利法人については原則として全数調査、百億円未満の営利法人は、層化任意抽出法により選定した法人について調査した。
有効回答率:調査対象法人四千五百四十社のうち、有効回答法人四千二百二十九社、有効回答率九三・一%。
〔利用上の注意〕
(1) 今期三か月の判断とは、平成十二年七〜九月期と比較した場合の十二年十〜十二月期の判断、来期三か月の見通しとは、十二年十〜十二月期と比較した場合の十三年一〜三月期の見通し、再来期三か月の見通しとは、十三年一〜三月期と比較した場合の十三年四〜六月期の見通しである。ただし、在庫水準と生産設備については、それぞれの調査期間における判断と見通しである。
(2) 十二年十〜十二月期以前は今期の判断、十三年一〜三月期は来期の見通し、十三年四〜六月期は再来期の見通しである。
(3) 判断指標(BSI)とは「上昇(強くなる・増加・過大)の割合―下降(弱くなる・減少・不足)の割合」である。
(4) 設備投資の公表数値は、母集団推計値である。また、算出基準は工事進捗ベース(建設仮勘定を含む有形固定資産の減価償却前増加額)である。
(5) 季節調整法は、センサス局法U、X―11で算出した。
(6) 集計上の産業分類は、日本標準産業分類を基準とする会社ベースでの主業分類に基づいて行った。
(7) 昭和六十三年三月調査より、日本電信電話(株)、第二電電(株)等七社、JR関係七社及び電源開発(株)を調査対象に加えるとともに、日本電信電話(株)、第二電電(株)等七社については六十年四〜六月期、JR関係七社については六十二年四〜六月期に遡及して集計を加えた。
(8) 平成元年六月調査より消費税を除くベースで調査した。
(9) 平成十年六月調査より以下のとおり産業分類の見直しを行い、昭和五十九年六月調査に遡及して集計を行った。
@ 「造船」を「その他の輸送用機械」に合併。
A 「印刷・出版」を「その他の製造業」に合併。
B 「卸売・小売業,飲食店」の内訳を廃止し、「卸売業」と「小売業,飲食店」に分割。
C 「運輸・通信業」の内訳を廃止し、「運輸業」と「通信業」に分割。
D 「電力業」と「ガス業」を合併し、「電力・ガス業」とする。
E 「サービス業」を「サービス業(除くリース業)」と「リース業」に分割。
F 製造業を素材型、加工型に分類。
一 景気見通し(全産業:季節調整値)
(一) 国内景気(第1表参照)
企業経営者による国内景気に関する判断指標(BSI:「上昇」―「下降」)をみると、七〜九月期「十五」の後、十〜十二月期は「一」と「上昇」超幅が縮小した。
先行きについては、十三年一〜三月期に「マイナス三」と「下降」超に転じた後、四〜六月期には「六」と再び「上昇」超となる見通しとなっている。
産業別にみると、製造業では、七〜九月期「二十」の後、十〜十二月期は「三」と「上昇」超幅が縮小した。先行きについては、十三年一〜三月期に「マイナス三」と「下降」超に転じた後、四〜六月期には「四」と再び「上昇」超となる見通しとなっている。
非製造業では、七〜九月期「十二」の後、十〜十二月期は「〇」となった。先行きについては、十三年一〜三月期に「マイナス四」と「下降」超に転じた後、四〜六月期には「八」と再び「上昇」超となる見通しとなっている。
(二) 業界景気(第2表参照)
所属業界の景気に関する判断指標(BSI:(「上昇」―「下降」)をみると、七〜九月期「三」の後、十〜十二月期には「マイナス四」と「下降」超に転じた。
先行きについては、十三年一〜三月期「マイナス七」と「下降」超幅が拡大した後、四〜六月期には「マイナス一」と「下降」超幅が縮小する見通しとなっている。
産業別にみると、製造業では、七〜九月期「十二」の後、十〜十二月期は「一」と「上昇」超幅が縮小した。先行きについては、十三年一〜三月期に「マイナス四」と「下降」超に転じた後、四〜六月期は「マイナス一」と「下降」超幅が縮小する見通しとなっている。
非製造業では、七〜九月期「マイナス一」の後、十〜十二月期は「マイナス八」と「下降」超幅が拡大した。先行きについては、十三年一〜三月期「マイナス九」と「下降」超幅が引き続き拡大した後、四〜六月期には「マイナス二」と「下降」超幅が縮小する見通しとなっている。
二 需要・価格関連見通し(季節調整値)
(一) 内外需要(製造業)(第3表参照)
企業経営者による国内需要に関する判断指標(BSI:「強くなる」―「弱くなる」)をみると、七〜九月期「十三」の後、十〜十二月期は「〇」となった。
先行きについては、十三年一〜三月期に「マイナス四」と「弱くなる」超に転じた後、四〜六月期には再び「〇」となる見通しとなっている。
海外需要に関する判断指標(BSI:「強くなる」―「弱くなる」)をみると、七〜九月期「十二」の後、十〜十二月期は「マイナス四」と「弱くなる」超に転じた。
先行きについては、十三年一〜三月期に「マイナス八」と「弱くなる」超幅が拡大した後、四〜六月期は「マイナス七」と「弱くなる」超幅が縮小する見通しとなっている。
(二) 在庫水準(製造業)(第4表参照)
原材料在庫水準に関する判断指標(BSI:「過大」―「不足」)をみると、九月末「十一」の後、十二月末は「十」と「過大」超幅が縮小した。
先行きについても、十三年三月末「八」、六月末「六」と「過大」超幅が引き続き縮小する見通しとなっている。
完成品在庫水準に関する判断指標をみると、九月末「十六」の後、十二月末は「十四」と「過大」超幅が縮小した。
先行きについても、十三年三月末「十一」、六月末「十」と「過大」超幅が引き続き縮小する見通しとなっている。
(三) 価 格(製造業、農林漁業、鉱業)(第5表参照)
原材料価格に関する判断指標(BSI:「上昇」―「下降」)をみると、七〜九月期「十三」の後、十〜十二月期は「九」と「上昇」超幅が縮小した。
先行きについても、十三年一〜三月期「七」、四〜六月期「二」と「上昇」超幅が引き続き縮小する見通しとなっている。
製品価格に関する判断指標(BSI:「上昇」―「下降」)をみると、七〜九月期「マイナス十一」の後、十〜十二月期は「マイナス八」と「下降」超幅が縮小した。
先行きについては、十三年一〜三月期「マイナス十四」、四〜六月期「マイナス十五」と「下降」超幅が拡大に転じる見通しとなっている。
三 経営見通し(季節調整値)
(一) 売上高(全産業:金融・保険業、不動産業を除く)(第6表参照)
売上高に関する判断指標(BSI:「増加」―「減少」)をみると、七〜九月期「四」の後、十〜十二月期は「一」と「増加」超幅が縮小した。
先行きについては、十三年一〜三月期に「〇」となった後、四〜六月期には「五」と再び「増加」超となる見通しとなっている。
産業別にみると、製造業では、七〜九月期「十二」の後、十〜十二月期「四」と「増加」超幅が縮小した。先行きについては、十三年一〜三月期「〇」となった後、四〜六月期には「六」と再び「増加」超となる見通しとなっている。
非製造業では、七〜九月期「マイナス一」の後、十〜十二月期は「マイナス二」と「減少」超幅が拡大した。先行きについては、十三年一〜三月期に「マイナス一」と「減少」超幅が縮小した後、四〜六月期には「五」と「増加」超に転じる見通しとなっている。
(二) 経常利益(全産業:金融・保険業、不動産業を除く)(第7表参照)
経常利益に関する判断指標(BSI:「増加」―「減少」)をみると、七〜九月期「三」の後、十〜十二月期は「マイナス一」と「減少」超に転じた。
先行きについては、十三年一〜三月期に「マイナス三」と「減少」超幅が拡大した後、四〜六月期には「二」と「増加」超に転じる見通しとなっている。
産業別にみると、製造業では、七〜九月期「十」の後、十〜十二月期は「二」と「増加」超幅が縮小した。先行きについては、十三年一〜三月期に「〇」となった後、四〜六月期には「三」と「増加」超となる見通しとなっている。
非製造業では、七〜九月期「マイナス三」の後、十〜十二月期は「マイナス四」と「減少」超幅が拡大した。先行きについては、十三年一〜三月期も「マイナス四」と十〜十二月期と同水準で推移した後、四〜六月期には「二」と「増加」超に転じる見通しとなっている。
四 生産設備見通し(製造業:季節調整値)(第8表参照)
生産設備に関する判断指標(BSI:「過大」―「不足」)をみると、七〜九月期「十七」の後、十〜十二月期も「十七」と七〜九月期と同水準となった。
先行きについても、十三年一〜三月期「十七」と同水準で推移した後、四〜六月期には「十六」と「過大」超幅が縮小する見通しとなっている。
五 設備投資の動向(全産業:原数値)
(一) 半期別動向(第9表参照)
設備投資の動向を半期別に前年同期比でみると、平成十一年度十〜三月期(実績)二・六%増の後、十二年度四〜九月期(実績)は〇・五%減と減少に転じた。
先行き十二年度十〜三月期(計画)は五・三%増と増加に転じる見通しとなっている。
産業別にみると、製造業は、十一年度十〜三月期七・三%減の後、十二年度四〜九月期は二・三%増と増加に転じた。先行き十二年度十〜三月期(計画)は、一二・四%増と引き続き増加する見通しとなっている。
非製造業では、十一年度十〜三月期七・九%増の後、十二年度四〜九月期は二・〇%減と減少に転じた。先行き十二年度十〜三月期(計画)は、二・一%増と増加に転じる見通しとなっている。
(二) 資本金規模別動向(第10表参照)
資本金規模別に前年同期比でみると、資本金十億円以上の大企業では、平成十一年度十〜三月期三・七%減の後、十二年度四〜九月期は一〇・四%減と引き続き減少した。先行き十二年度十〜三月期(計画)は七・七%増と増加に転じる見通しとなっている。
他方、資本金一〜十億円の中堅企業では、十一年度十〜三月期一六・七%増の後、十二年度四〜九月期は二二・五%増となった。先行き十二年度十〜三月期(計画)は、一・〇%増と引き続き増加する見通しとなっている。
(三) 年度の動向(第11表参照)
平成十二年度の全産業の設備投資額(修正計画U)は約四十三兆一千億円で、前年度に比べ二・五%増の見通しとなっている。これは九月調査時に比べ〇・五%の下方修正となっている。
産業別にみると、製造業では、約十四兆七千億円で、前年度に比べ七・四%増の見通し(九月調査時に比べ一・六%の上方修正)となっている。
非製造業では、約二十八兆四千億円で、前年度に比べ〇・二%増の見通し(九月調査時に比べ一・五%の下方修正)となっている。
また、資本金別にみると、資本金十億円以上の大企業では、前年度に比べ一・二%減の見通しとなっている。このうち製造業は二・一%増、非製造業は二・九%減の見通しとなっている。
他方、資本金一〜十億円の中堅企業では、一〇・三%増の見通しとなっている。このうち製造業は一八・九%増、非製造業は六・三%増の見通しとなっている。
(四) 四半期別動向(季節調整値)
四半期の動向を前期比でみると、七〜九月期(実績)〇・一%増の後、十〜十二月期(実績見込み)は一一・三%増と引き続き増加した。
産業別にみると、製造業では、七〜九月期二・四%増の後、十〜十二月期は五・一%増と引き続き増加した。
他方、非製造業では、七〜九月期〇・〇%減の後、十〜十二月期は一四・六%増と増加に転じた。
(五) 四半期別動向(原数値)
四半期別の動向を前年同期比でみると、七〜九月期(実績)三・四%増の後、十〜十二月期(実績見込み)は八・九%増と引き続き増加した。
産業別にみると、製造業では、七〜九月期九・一%増の後、十〜十二月期は一四・八%増と引き続き増加した。
他方、非製造業では、七〜九月期〇・六%増の後、十〜十二月期は六・〇%増と引き続き増加した。
大学・短大など新入学生の皆さんへ
●対象者
大学(大学院)、短大、高等専門学校、専修学校、各種学校などの教育施設に在学する学生(夜間、通信教育の課程を除く)で、本人所得が年収百三十三万円以下(所得六十八万円以下=学生に扶養親族等があれば、その有無及び数に応じて加算)の学生等を対象とし、申請に基づいて適用します(世帯主の所得の多寡は問いません)。
●特例のポイント
@対象者の国民年金保険料は納付が猶予され、十年間は保険料を追納することができます。A保険料が追納されない場合、老齢基礎年金の額の計算には学生特例期間は反映されません。B学生特例期間中に発生した障害事故に対しては、満額の障害基礎年金が支給されます。なお、@とBの手続きは、本人の届出・申請が必要です。
●問い合わせ先
各市区町村の年金担当課、社会保険事務所、または社会保険庁運営部年金保険課(рO3−5253−1111・代)まで。
(社会保険庁)
◇春の嵐
この時期、低気圧が日本海を発達しながら通ることがあります。このとき、低気圧に向かって南寄りの強風が吹き、全国的に気温が上昇し、特に日本海側では山脈越えの暖かく乾いた強風が吹きます。そのため、火災が発生すると、この強風にあおられ、大火となることがあります。火の始末は忘れずに!
また、低気圧から延びる寒冷前線の通過にともなって、短い時間に、激しい雨や降雹(こうひょう)、風の急変、気温の急降下といった大きな気象状況の変化が起こります。
この時期の低気圧は、大きな被害を引き起こす「春の嵐」となることがあります。地元気象台の発表する情報に注意し、被害を最小限にくいとめましょう。
◇遅霜
低気圧や前線の通過後、移動性高気圧に覆われると、晴れて風の弱い穏やかな天気となります。夜間このような状況になると、地面の熱が奪われ地表付近の気温が下がります(このことを放射冷却現象と呼びます)。著しいときには地表付近の水蒸気が凍り、霜となります。この時期の霜は「遅霜(あるいは晩霜)」と呼ばれ、お茶や果樹など農作物に被害をもたらします。「遅霜」の時期は地域により異なりますが、発生が予想されるときには気象台では「霜注意報」を発表して注意を呼びかけています。
(気象庁)
◇賃金の動き
一月の調査産業計の常用労働者一人平均月間現金給与総額は三十万八千九百七円、前年同月比は一・二%増であった。現金給与総額のうち、きまって支給する給与は二十八万五百九十三円、前年同月比〇・一%増であった。これを所定内給与と所定外給与とに分けてみると、所定内給与は二十六万二千二百五十三円、前年と同水準、所定外給与は一万八千三百四十円、前年同月比は二・四%増であった。
また、特別に支払われた給与は二万八千三百十四円、前年同月比は一二・九%増であった。
実質賃金は、一・二%増であった。
きまって支給する給与の動きを産業別に前年同月比によってみると、伸びの高い順に金融・保険業一・六%増、鉱業及び卸売・小売業,飲食店一・一%増、不動産業〇・九%増、製造業〇・八%増、運輸・通信業〇・三%増、電気・ガス・熱供給・水道業は前年と同水準、建設業〇・二%減、サービス業一・二%減であった。
◇労働時間の動き
一月の調査産業計の常用労働者一人平均月間総実労働時間は百四十一・七時間、前年同月比は〇・三%増であった。
総実労働時間のうち、所定内労働時間は百三十二・三時間、前年同月比〇・二%増、所定外労働時間は九・四時間、前年同月比二・二%増、所定外労働時間の季節調整値は前月比〇・二%増であった。
製造業の所定外労働時間は十二・四時間、前年同月比四・二%増、季節調整値の前月比は一・七%減であった。
◇雇用の動き
一月の調査産業計の雇用の動きを前年同月比によってみると、常用労働者全体で〇・一%減、常用労働者のうち一般労働者では一・二%減、パートタイム労働者では四・一%増であった。
常用労働者全体の雇用の動きを産業別に前年同月比によってみると、前年同月を上回ったものは不動産業二・二%増、サービス業二・〇%増、建設業〇・四%増であった。前年同月を下回ったものは運輸・通信業〇・五%減、製造業一・〇%減、卸売・小売業,飲食店一・一%減、鉱業三・〇%減、金融・保険業四・二%減、電気・ガス・熱供給・水道業七・三%減であった。
主な産業の雇用の動きを一般労働者・パートタイム労働者別に前年同月比によってみると、製造業では一般労働者一・四%減、パートタイム労働者二・〇%増、卸売・小売業,飲食店では一般労働者二・〇%減、パートタイム労働者〇・三%増、サービス業では一般労働者〇・一%増、パートタイム労働者九・九%増であった。
放送大学は、テレビやラジオの放送で授業を行う通信制の大学(教養学部)です。入学試験はなく、18歳以上の方ならどなたでも入学できます(選科・科目履修生は15歳以上)。放送大学では今年度第2学期の学生募集を次のとおり行います。
●出願受付
6月15日〜8月15日
●出願方法
@大学本部や各学習センターに募集要項を、電話、ホームページ、はがき、ファクスなどで請求・入手します(無料)。
A出願票に必要事項を記入し、募集期間中に大学本部などに郵送します。
●問い合わせ先
◇願書請求フリーダイヤル
рO120―864―600
◇放送大学ホームページ
http://www.u−air.ac.jp/hp
総 論
(我が国経済の基調判断)
景気の改善に、足踏みがみられる。
・アメリカ経済の減速から輸出が減少し、それに伴い、生産がこのところ弱含んでいる。
・失業率はこれまでの最高水準で推移し、個人消費はおおむね横ばいの状態が続いている。
・企業収益や設備投資は増加しており、自律的回復に向けた動きは続いている。
先行きについては、アメリカ経済の減速や設備投資に鈍化の兆しなど、懸念すべき点がみられる。
(政策の基本的態度)
政府は、経済を自律的回復軌道に確実に乗せるため、引き続き景気回復に軸足を置きつつ、我が国経済を二十一世紀にふさわしい構造に改革する。
政府としては、引き続き平成十二年度補正予算等の着実な実施を図る。また、平成十三年度予算について、その早期成立に努め、新年度における適切な執行を図ることとする。さらに、政府・与党緊急経済対策本部を発足させた。
なお、日本銀行においては、無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を〇・二五%から〇・一五%に引き下げるとともに、公定歩合を年〇・三五%から年〇・二五%に引き下げた。
各 論
一 消費・投資などの需要動向
平成十二年十〜十二月期の実質GDP(国内総生産)の成長率は、財貨・サービスの純輸出(輸出−輸入)が〇・三%減(前期比、寄与度)とマイナス方向に寄与したが、設備投資が一・一%増(同)と大幅にプラス方向に寄与したことなどから、〇・八%増(前期比)となった。また、名目GDPの成長率は、〇・二%増(同)となった。
◇個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いている。
個人消費は、需要側統計である家計調査でみると、平成十三年一月は平成十二年十二月と比べて減少し、このところ一進一退で推移している。なお、購入頻度の低い高額商品等による振れの除去と国民経済計算との概念調整を行うために、自動車等購入、住居、仕送り金等を除いたベースでみると、一月はやや増加している。
販売側統計をみると、小売業販売額は、ほぼ横ばいとなっていたが、一月は前年比、前月比とも増加となった。チェーンストア売上高は十二月と比べやや改善している。旅行は引き続き前年を上回っており、家電販売金額も、家電リサイクル法施行前の駆け込み需要などもあって好調に推移している。一方で、百貨店販売額は弱い動きが続いており、新車販売台数は、年初からやや減少している。
こうした需要側、販売側の動向を総合してみると、個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いている。
個人消費の動向を左右する家計収入の動きをみると、この冬のボーナスは、毎月勤労統計の十一月から一月までの特別給与の合計では四年連続でマイナスとなったものの、前年度よりは減少幅は縮小している(平成十二年度は一・〇%減)。一月は現金給与総額、実質賃金とも増加しているものの、定期収入には伸び悩みがみられる。
◇設備投資は、製造業、非製造業ともに増加している。当面は堅調に推移すると見込まれるものの、先行きについては鈍化の兆しがみられる。
設備投資は、平成十一年末に持ち直しに転じて以降増加基調が続いており、景気を支える要素となっている。これまで電気機械などの製造業を中心に増加してきたが、他の業種への広がりをみせながら増加してきている。「法人企業統計季報」でみると、十〜十二月期は、製造業は増加を続け、非製造業も前年比プラスに転じている。
日銀短観で平成十二年度の設備投資計画をみると、製造業では大企業、中小企業ともにここ数年で最も伸び率の高い計画となっており、前回調査比でも大幅に上方修正されている(前年比大企業一六・四%、中小企業一一・三%)。
設備投資の先行きについては、先行指標である機械受注が、昨年後半は増勢が続いていたため、当面は堅調に推移すると見込まれる。しかしながら、一〜三月期の機械受注が減少の見通しとなるなど、先行きについては鈍化の兆しがみられる。
◇住宅建設は、おおむね横ばいとなっている。
住宅建設は、平成十一年以降おおむね年率百二十万戸前後で推移しているが、直近の動きをみると、マンション着工の大幅増などにより十二月に増加した後、一月は減少し、年率百二十・四万戸となった。特に、住宅金融公庫を利用した持家及びこれまで住宅着工を牽引してきたマンションの着工が大幅に減少したことが、全体の水準を押し下げた。
また、住宅金融公庫融資の申し込み戸数が減少していることなど、先行き、住宅着工を減少させる要因もみられる。
◇公共投資は、総じて低調に推移しているが、工事の受注にはこのところ前年を上回る動きがみられる。
公共投資は、公共工事請負金額が昨年六月以降継続して前年を下回るなど、総じて低調に推移している。平成十二年度の公共事業関連予算の動向をみると、国においては、前年度の予算が比較的高水準であったため、補正後予算は前年度の規模を下回っている。地方においては、厳しい財政状況から投資的経費を抑制する動きが続いている。
工事の受注動向をみると、このところ前年を上回る動きがみられ、前年を下回っている指標についてもマイナス幅は年度前半に比較して縮小している。これは、昨年度が前倒し執行を実施した後に反動で低調な動きとなったのに対し、今年度は前倒し執行をしておらず、年度内での発注時期の差異による影響が考えられる。
一〜三月期の公共投資については、比較的高水準であった前年度に比べれば、総じて下回って推移すると見込まれるが、十一月に編成された補正予算による下支え効果が本格的に発現するものと考えられる。
◇輸出は、減少している。輸入は、緩やかに増加している。貿易・サービス収支の黒字は、減少している。
輸出は、アメリカ向けはアメリカ経済の減速の影響から、EU向けは既往のユーロ安の影響から、それぞれ弱含んでいる。また、アジア向けはアメリカやアジアの景気減速を背景として電気機器を中心に減少しており、輸出全体としても減少している。今後は、アメリカ経済の減速が持続した場合、我が国輸出の下押し要因として作用するものと見込まれる。
輸入は、中国からの繊維製品などが増加しているが、IT関連財を中心とした機械機器が減少していることから、輸入全体の増加は緩やかとなっている。EUからの輸入は既往のユーロ安の影響から増加傾向にあるが、アジアからの輸入は、機械機器の減少によって増加テンポが緩やかになっている。アメリカからの輸入はやや弱含みで推移している。
国際収支をみると、原油価格の低下から、価格面からは黒字拡大効果が働いているものの、輸出数量の減少、輸入数量の増加から、貿易・サービス収支の黒字は、減少している。
二 企業活動と雇用情勢
◇生産は、このところ弱含みとなっている。
鉱工業生産は、平成十一年初めの景気回復初期から増加基調を続けてきたが、平成十二年秋頃から増加のテンポが緩やかになり、このところ弱含みとなっている。これまで増加を牽引してきたIT関連品目の伸びが止まったこと、輸出が減少していることが要因である。
生産の先行きについては、二月は増加、三月は減少が見込まれているが、この見込み伸び率どおりに推移したとすれば一〜三月期は前期比減少に転じることには留意しておく必要がある。
鉱工業の在庫は、全体としてはおおむね横ばいで推移しているが、生産財の在庫は半導体需給の緩和等からこのところ増加している。
第三次産業活動の動向をみると、おおむね横ばいで推移している。
◇企業収益は、引き続き大幅に増加している。また、企業の業況判断は、改善に足踏みがみられる。
企業収益は、平成十一年以降改善しており、特に平成十二年半ば以降は大幅な改善が続いている(「法人企業統計季報」によれば、経常利益十〜十二月期は前年同期比三一・九%増)。今回の改善の背景としては、企業のリストラ努力が挙げられるが、製造業において売上高が伸びていることや、非製造業において平成十二年初までは変動費を削減してきたことも大きく寄与している。
企業の業況判断は、「法人企業動向調査」で業界景気の判断(「上昇」−「下降」)をみると製造業、非製造業とも悪化し、全産業で「下降」超に転じるなど、改善に足踏みがみられる。
◇倒産件数は、やや高い水準となっている。
二月の倒産件数は、東京商工リサーチ調べで一千四百六十件になるなど、やや高い水準となっている。
◇雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率がこれまでの最高水準で推移し、求人の増加傾向にも足踏みがみられる。
完全失業率は、平成十二年十二月に四・九%と過去最高となり、一月も四・九%となった。またこれまで続いてきた雇用情勢の改善の動きに足踏みがみられる。新規求人数は、前年同月比でみると引き続き増加となっている(一月前年同月比一六・七%増)が、前月比では十か月ぶりに減少に転じた(一月前月比五・二%減)。雇用者数については、三か月連続前月比増の後、十二月、一月と二か月連続で前月比減となった(一月前月比〇・五%減)。生産の動きを反映して最近減少がみられている製造業の残業時間は、一月も引き続き前月比減となった。「残業規制」等の雇用調整を実施した事業所割合も、十〜十二月期はこれまでの低下傾向に歯止めがかかっている。
三 物価と金融情勢
◇国内卸売物価、消費者物価は、ともに弱含んでいる。
国内卸売物価は、電気機器や輸送機器の下落などにより、平成十三年入り後弱含んでいる。二月は前月比保合いとなったが、鶏卵などの食料用農畜水産物が気温低下を背景に一時的に上昇した要因を除くと、実勢としては前月比下落が続いている。輸出物価は、契約通貨ベースでの下落に加え、円高の影響を受け下落となった。輸入物価は、契約通貨ベースでの下落に加え、円高の影響を受け下落となった。なお、企業向けサービス価格は、前年同月比で下落が続いている。
消費者物価は、繊維製品や外食の下落などにより、平成十二年秋以降弱含んでいる(生鮮食品を除く総合:一月前年同月比〇・五%下落)。なお、二月の東京都区部では、一月に比べ前年同月比で下落幅が拡大している(同:二月前年同月比一・一%下落)。
◇金融情勢については、株式相場は昨年来の安値圏にあり、長期金利の低下が続いている。
短期金利についてみると、オーバーナイトレートは、二月は誘導目標水準(〇・二五%)前後で推移したが、二月末の誘導目標水準の引下げ(〇・二五%から〇・一五%へ)により、三月上旬は〇・一五%前後で推移した。二、三か月物は、二度にわたる日本銀行の金融緩和措置を受けて、二月から三月上旬にかけて大幅に低下した。長期金利は、景気の先行きを懸念する市場の見方などもあって、昨年秋より低下基調で推移しており、二月から三月上旬にかけては、日本銀行の金融緩和措置などを受けて大幅に低下した。
株式相場は、昨年春より下落基調で推移している。二月は一進一退で推移した後、月末から三月月初にかけて大幅に下落し、昨年来の安値圏にある。
対米ドル円相場は、昨年末から円安が進み、二月は上中旬に百十四円台から百十七円台にかけて一進一退で推移した後、月末から三月上旬にかけて百二十円まで下落した。対ユーロ相場は、昨年末からのユーロ独歩高が進む中、百五円〜百九円台で推移した後、月末から三月上旬にかけて百十一円まで下落した。
M2+CD(月中平均残高)は、昨年後半以降、おおむね前年同月比二・〇%増程度で推移してきたが、二月には郵便貯金からの資金シフト等を受けて、やや伸び率を高めている(二月速報:前年同月比二・七%増)。民間金融機関の貸出(総貸出平残前年比)は、九六年秋以来マイナスが続いており、企業の資金需要の低迷などを背景に、依然低調に推移している。また、企業金融のひっ迫感緩和は一服している。貸出金利は、ゼロ金利政策解除後緩やかに上昇してきたが、一月はほぼ横ばいとなった。
なお、日本銀行は、二月二十八日の金融政策決定会合において、次回会合までの金融市場調節方針を、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、平均的にみて〇・一五%前後で推移するよう促す」こととしたうえで、「公定歩合を、年〇・二五%とし、三月一日より実施する」ことを決定した。
四 海外経済
◇アメリカの景気は、昨年末に比べれば減速は緩やかになっているものの、株価下落などで先行きに不透明感がある。アジアでも拡大テンポに鈍化がみられる。
世界経済をみると、全体として成長に減速がみられる。
アメリカでは、消費者や企業の態度が引き続き慎重になっており、耐久財消費や住宅投資などに底堅い動きがみられるものの、内需は緩やかな伸びにとどまっている。製造業では、在庫調整が進むなかで、生産活動が停滞し雇用調整が行われているが、サービス業を中心に雇用の拡大は続いている。天然ガス等の価格上昇がみられるものの、基調として物価は安定している。景気は、昨年末に比べれば減速は緩やかになっているものの、株価下落などで先行きに不透明感がある。
ヨーロッパをみると、ドイツでは、景気は緩やかに拡大している。フランスでは、固定投資が内需の伸びを支え、景気は安定した拡大を続けている。イギリスでは、このところ鉱工業生産が横ばいで推移しているものの、景気は安定した拡大を続けている。
アジアをみると、中国では、輸出や固定資産投資の伸びが鈍化したことなどから、景気の拡大テンポはやや鈍化している。韓国では、生産や個人消費の伸びの鈍化に加えて、輸出の伸びが鈍化したことから、景気は減速している。
金融情勢をみると、アメリカでは、ナスダック総合株価指数が下落し続け、月末には一月三日の緊急利下げ前の水準を下回った。
国際商品市況をみると、景気減速による需要減少の見通しなどから原油価格は下落基調で推移した。
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