▽本付録 平成十二年下半期(7・5〜12・27)の総目次
犯罪白書のあらまし
<はじめに>
本白書は、平成十一年を中心とした最近の犯罪動向と犯罪者処遇の実情を概観するとともに、特集として「経済犯罪の現状と対策」を取り上げている。
戦後、我が国の経済は、景気循環を繰り返しつつも、全般に順調な成長を遂げてきた。その中で、企業を中心とする経済活動も、その規模を飛躍的に拡大するとともに、質的にも、多様化、高度化、国際化を加速度的に進めてきた。こうした経済成長の段階に即して、経済活動を規制するため、処罰規定の新設及び改正並びにその執行等を含めて、法制と法運用の両面における施策が講じられてきた。しかし、近年においては、いわゆるバブルの崩壊に伴い、大規模な企業倒産や不良債権の回収等をめぐって、我が国の経済及び国民生活全体に重大な影響を生じさせている事例も少なからず見受けられる。さらに、今後の経済情勢の推移には、予断を許さないものがあり、経済犯罪、すなわち経済活動を規制する各種法令等に違反して敢行される犯罪その他経済活動に関連してじゃっ起される犯罪の動向にも、なお不確定な要素が多く含まれている。
こうした経済情勢の中で、安定した日常生活の基盤となるべき経済活動の健全性を損なう各種の経済犯罪に対する国民の関心が高まっており、刑事司法機関においても、経済犯罪への対応の在り方が緊要な課題の一つになっている。
一方、諸外国の状況を見ると、諸外国においても、近年、経済犯罪の抑止を目的として、罰金その他の経済的制裁の在り方の再構築、捜査等への協力者に対する訴追免除や刑罰の減免制度の採用、あるいは専門的捜査機関の新設等、法制と法運用の両面にわたる施策が講じられており、その中には我が国にとっても参考になるものが少なからず含まれていると思われる。
そこで、本白書は、特集として「経済犯罪の現状と対策」を取り上げ、戦後の我が国における経済犯罪の動向、企業活動や企業倒産をめぐる経済犯罪の実態と科刑状況、諸外国における経済犯罪の動向等について、必要な分析を加えることにより、経済犯罪への有効適切な対策を講ずる上で参考となる資料を提供しようとするものである。
本白書の構成は七編から成り、第一編では、最近の犯罪動向等を、第二編では、検察、裁判、矯正及び保護の各段階における成人犯罪者の処遇及び刑事司法における国際協力の実情を、第三編では、少年非行の動向と非行少年の処遇を、第四編では、各種の犯罪と犯罪者の実情等をそれぞれ紹介し、第五編では、犯罪被害者と刑事司法について、第六編では、経済犯罪の現状と対策について、第七編では、暴力団犯罪の動向と暴力団関係者の処遇についてそれぞれ記述している(なお、本稿の構成は、要約の便宜上、本白書の構成と一部異なるところがある。)。
<第一編> 犯罪の動向
1 認知件数・検挙人員
平成十一年における警察による刑法犯の認知件数は、戦後最高の二百九十万四千五十一件(前年より二十一万三千七百八十四件増)となっている。交通関係業過(道路上の交通事故に係る業務上過失致死傷及び重過失致死傷をいう。)を除く刑法犯認知件数についても、十一年は、二百十六万五千六百二十六件(同十三万二千八十件増)と、戦後最高の数値を示している。
平成十一年の刑法犯認知件数を罪名別に見ると、窃盗が最も多く、次いで交通関係業過となっており、両者で全体の約九〇%を占めているが、この傾向は過去十年間に大きな変化はない。
平成十一年における警察による刑法犯の検挙人員は、百八万百七人となっており、これを罪名別に見ると、交通関係業過が最も多く、次いで窃盗となっており、両者で全体の八〇%以上を占めている。
2 発生率・検挙率
平成十一年における刑法犯の発生率(認知件数の人口十万人当たりの比率)は、二、二九二(前年より一六五上昇)と、戦後の最高数値を示し、交通関係業過を除く刑法犯の発生率は、昭和二十五年以来四十九年ぶりに一、七〇〇を超えて一、七〇九(同一〇一上昇)となっている。
平成十一年における交通関係業過を除く刑法犯の検挙率は、三三・八%(前年比四・二ポイント低下)と、戦後最も低くなっている。
検挙率を罪名別に見ると、殺人は過去十年間九五%を超え、平成十一年は九六・四%(前年比一・三ポイント低下)、強盗は八年以降低下を続けており、十一年は六六・四%(同九・九ポイント低下)となっている。また、窃盗は、二年以降三〇%台で推移していたが、十一年は二九・四%(同四・〇ポイント低下)となっている。
3 主要刑法犯の動向
平成十一年において、凶悪犯の認知件数、検挙件数及び検挙人員は、前年と比べ、殺人については、いずれも減少したが、強盗については、いずれも増加した。
粗暴犯では、前年と比べ、傷害、暴行、脅迫及び恐喝のいずれについても、認知件数は増加したが、検挙件数及び検挙人員は減少した。
財産犯では、前年と比べ、窃盗については、認知件数は増加したが、検挙件数及び検挙人員は減少し、遺失物等横領については、認知件数、検挙件数及び検挙人員のいずれも増加し、詐欺及び遺失物等横領を除く横領については、認知件数、検挙件数及び検挙人員のいずれも減少した。
二 特別法犯の概況
平成十一年における特別法犯の検察庁新規受理人員総数は、前年より三千六百八十一人(〇・三%)増加して、百十四万七千三百九十五人となっている。罪名別に見ると、道路交通法違反が百一万六千六百二十二人(八八・六%)と最も多く、次いで、自動車の保管場所の確保等に関する法律違反三万八千八百四人(三・四%)となっていて、両者で特別法犯の九〇%以上を占めている。
交通関係法令違反以外の特別法違反の構成比を見ると、覚せい剤取締法違反等の薬物関係犯罪が最も高く、以下、銃刀法違反等の保安関係犯罪、入管法違反等の外事関係犯罪の順となっている。
三 諸外国の犯罪動向との対比(第2表参照)
我が国とアメリカ、イギリス(イングランド及びウェールズをいう。以下同じ。)、ドイツ及びフランスの四か国について、一九九六年から一九九八年までの三年間における殺人の発生率及び検挙率を比較すると、我が国の発生率は、五か国の中では最も低い。また、検挙率については、我が国は九五%を超える高い水準で推移しており、他の四か国よりも高くなっている。
<第二編> 犯罪者の処遇
一 検察
1 罪名・処理区分別の検察庁終局処理人員(第3表参照)
平成十一年における検察庁の終局処理人員総数は二百十九万八千三人(前年比三・七%増)で、その処理別内訳は、公判請求が五・二%、略式命令請求が四六・七%、起訴猶予が三四・〇%などとなっており、起訴率は五九・三%、起訴猶予率は三九・六%となっている。
さらに、交通関係業過を除く刑法犯の起訴率は五九・四%(同一・二ポイント増)、起訴猶予率は三三・四%(同一・五ポイント減)で、道交違反(道路交通法違反及び自動車の保管場所の確保等に関する法律違反をいう。)を除く特別法犯の起訴率は七三・一%(同一・四ポイント減)、起訴猶予率は二四・〇%(同一・七ポイント増)となっている。
また、平成十一年の終局処理人員の罪名別構成比では、道交違反が四八・八%と最も高く、交通関係業過の三四・七%がこれに続いているが、両者を除いた構成比では、窃盗三八・五%、横領一〇・七%、傷害七・二%となっている。
2 検察庁既済事件の逮捕・勾留状況
平成十一年における交通関係業過及び道交違反を除く検察庁既済事件のうち、被疑者が逮捕された事件(身柄事件)の占める比率(身柄率)は、三一・七%であり、これを罪名別に見ると、強姦(八一・〇%)が最も高く、以下、強盗(七七・九%)、覚せい剤取締法違反(七〇・〇%)、殺人(六六・八%)の順となっている。
また、身柄事件のうち、検察官によって勾留請求された事件の占める比率(勾留請求率)は、九二・四%となっており、勾留請求された事件のうち、裁判官によって勾留が認容された事件の比率(認容率)は九九・八%である。
二 裁判
1 第一審裁判所の通常手続による終局処理人員(第4表参照)
平成十年における地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所の第一審裁判所としての通常の公判手続による終局処理人員総数は六万八千七十八人(前年比二・九%増)であり、そのうち死刑は七人、無期懲役は四十七人、無罪は六十一人(総数の〇・一%)となっている。
このうち、地方裁判所による第一審における終局処理人員五万七千五百二十三人について罪名別に見ると、最も多いのは覚せい剤取締法違反の一万二千六百一人(総数の二一・九%)で、以下、道交違反八千三百七十六人(同一四・六%)、窃盗六千四百七十七人(同一一・三%)、入管法違反四千七百十人(同八・二%)、業過四千六百九十六人(同八・二%)の順となっている。
一方、簡易裁判所における通常手続による終局処理人員一万三百十六人については、懲役言渡し人員九千二百九十六人の九五・四%(八千八百六十九人)が窃盗、罰金言渡し人員八百人の四四・六%(三百五十七人)が業過及び道交違反によるものである。また、略式手続によって罰金又は科料に処された者百一万八千四百七十四人を罪名別に見ると、道交違反の九十万百五十四人(略式手続総数の八八・四%)が最も多く、業過の七万八千六十八人(同七・七%)がこれに次いでいる。
なお、裁判確定人員についての懲役刑の執行猶予率を見ると、昭和三十年代後半以降、おおむね五〇%台で推移したが、平成に入ってからは上昇傾向が見られ、六年以降は六〇%台を示し、十一年は六二・七%である。
2 第一審の量刑
平成十年における地方裁判所及び簡易裁判所の第一審裁判所としての有期の懲役及び禁錮の科刑状況を見ると、刑期が一年以上二年未満の者が全体の四八・四%と最も多く、次いで、二年以上三年未満が二一・七%、六月以上一年未満が一三・三%となっている。また、無期を含めて刑期が十年を超える者は総数で二百十人で、これを罪名別に見ると、殺人(百二十六人)が最も多く、以下、強盗(六十三人)、放火(九人)、強姦(三人)の順となっている。
なお、平成十年の通常第一審における死刑言渡し人員は七人で、殺人が五人、強盗致死が二人となっている。また、無期懲役言渡し人員は四十七人で、殺人が十三人、強盗致死が三十三人等となっている。
三 成人矯正
1 行刑施設一日平均収容人員の推移
平成十一年における行刑施設の一日平均収容人員は五万三千九百四十七人(前年比三・八%増)であり、そのうち受刑者は四万四千百十人(同三・五%増)、未決拘禁者は九千四百六十九人(同四・五%増)である。行刑施設の一日平均収容人員は、昭和六十一年に五万五千三百四十八人のピークがあり、その後平成四年までは減少したものの、五年から増加に転じている。
2 新受刑者数の推移
新受刑者数は、平成五年以降、漸増傾向にあり、十一年は、前年より六・〇%増加して、二万四千四百九十六人となっている。平成十一年における新受刑者の罪名のうち構成比の高いものを見ると、窃盗(二九・二%)、覚せい剤取締法違反(二四・五%)、詐欺(六・七%)、道路交通法違反(六・三%)の順となっている。
3 平成六年出所受刑者の再入率
平成六年における出所者について、五年を経過した十一年末までの再入状況を出所事由別に見ると、満期釈放による者の約五〇%、仮釈放による者の約三〇%は、いずれも四年以内に再入しており、前者は後者に比べると再入率が高い。
四 更生保護
1 仮出獄の許可人員及び仮出獄率
仮出獄許可人員は、昭和五十九年の一万八千八百九十七人をピークに、その後平成八年までは減少傾向を示していたが、九年以降増加し、十一年は、一万三千四百十五人(前年比二・二%増)となっている。仮出獄率は、元年以降五六%台ないし五八%台で推移しており、十一年は五七・三%(同〇・九ポイント減)である。
2 保護観察事件の受理状況
平成十一年の保護観察新規受理人員(保護観察処分少年及び少年院仮退院者を含む。)は、七万七千五百三十五人(前年比〇・三%増)で、これを保護観察の種類別に見ると、仮出獄者は一万三千二百五十六人(同二・四%増)、保護観察付き執行猶予者は五千二百三十六人(同〇・九%減)となっている。
仮出獄者は、平成七年以降増加を続けており、十一年は、八年ぶりに一万三千人を上回った。保護観察付き執行猶予者は、昭和五十年代には七千人台から八千人台であったが、平成元年以降は、四千人台から五千人台で推移している。
3 保護観察期間中の再犯の状況
保護観察期間中に、再度罪を犯し、かつ、新たな処分を受けた者の比率(再犯率)は、近年、仮出獄者についてはおおむね一%前後で、また、保護観察付き執行猶予者についてはおおむね三〇%台で、それぞれ推移している。
<第三編> 少年非行の動向と非行少年の処遇
一 少年非行の動向と特質
1 少年刑法犯検挙人員(第2図参照)
少年刑法犯検挙人員は、平成八年以降増加していたが、十一年は、前年比八・八%減の二十万一千八百二十六人となっている。人口比(十歳以上二十歳未満の少年人口一千人当たりの検挙人員の比率)も、十一年は、前年比一・〇ポイント減の一四・〇となっている。また、平成九年及び十年の二年間は五〇%を上回っていた刑法犯検挙人員(交通関係業過を除く。)における少年比も、十一年には、四八・六%に低下している。
2 少年凶悪犯検挙人員(第3図参照)
殺人の検挙人員は、昭和五十年代以降、おおむね七十人台から九十人台で推移していたが、平成十年に百人を上回り、十一年は、前年より五・一%減少したものの、百十一人と、百人台を維持した。
強盗の検挙人員は、平成元年以降、増加傾向にあり、特に九年に大幅な増加を示した後、十年は減少したが、十一年は、再度増加して、一千六百四十四人となっている。
二 非行少年の処遇
1 少年事件の検察及び裁判
平成十年における交通関係業過、道交違反及び虞犯を除く少年保護事件の家庭裁判所終局処理人員は十五万三千五百三十九人(前年比五・五%増)で、非行名別構成比では、窃盗(六〇・一%)が最も高く、以下、遺失物等横領を含む横領(二一・一%)、傷害(五・六%)の順となっている。
処理内容別構成比を見ると、審判不開始が七五・二%と最も高く、以下、不処分(一〇・六%)、保護観察(一〇・三%)、少年院送致(三・一%)の順となっており、刑事処分相当として検察官に送致(逆送)された者は〇・二%である。
2 少年鑑別所における鑑別
少年鑑別所新収容人員は、ピーク時の昭和五十九年に二万二千五百九十三人を記録した後、平成七年までは減少傾向を示していたが、八年から増加に転じ、十一年には二万三百八十二人(前年比四・九%増)となっている。
3 少年院における処遇
少年院新収容者は、昭和五十九年に六千六十二人のピークに達して以降、漸減傾向が続いていたが、平成八年から増加に転じ、十一年は五千五百三十八人(前年比二・八%増)となっている。
平成十一年における少年院新収容者の非行名別構成比を男女別に見ると、男子は窃盗(三三・七%)、傷害・暴行(一三・四%)、道路交通法違反(一一・一%)の順、女子は、覚せい剤取締法違反(三〇・六%)、窃盗(一五・六%)、虞犯(一三・六%)の順である。
4 少年の更生保護
保護観察処分少年の新規受理人員は、平成八年以降増加していたが、十一年は、前年比〇・七%減の五万三千八百五十六人となっている。
少年院仮退院者は、昭和六十年代初めから減少傾向にあったが、平成九年以降増加に転じ、十一年は五千百八十七人(前年比七・七%増)となっている。
保護観察処分少年及び少年院仮退院者の「再犯率」(保護観察期間中の再処分率)を見ると、いずれも平成九年以降上昇していたところ、十一年には、保護観察処分少年の再犯率は更に上昇して一七・〇%となっているが、少年院仮退院者では、低下に転じて、二二・五%となっている。
<第四編> 各種の犯罪と犯罪者
一 薬物犯罪
覚せい剤事犯の検挙人員は、昭和四十年代半ば以降急激に増加し、五十年代後半から六十三年にかけては二万人を超える水準で推移した。その後は減少傾向を示していたものの、平成七年以降増加に転じ、十年は減少したが、十一年は、再び増加して、一万八千四百九十一人(前年比八・二%増)となっている。
二 外国人犯罪
平成十一年における来日外国人による交通関係業過を除く刑法犯検挙人員は、前年比一〇・八%増の五千九百六十三人となっている。
一方、平成十一年における来日外国人による道交違反等交通関係を除く特別法犯の送致人員は、前年比七・〇%減の七千四百七十三人となっている。
三 交通犯罪
交通事故の発生件数及び負傷者数は、昭和五十三年以降増加傾向にあり、平成十一年には、発生件数が八十五万三百六十三件(前年比五・八%増)、負傷者数が百五万三百九十七人(同六・〇%増)と、いずれも前年に続いて、戦後最高を更新した。
一方、交通事故による死亡者数は、平成五年以降減少傾向にあり、十一年は、九千六人(前年比二・二%減)となっている。
四 精神障害者の犯罪
1 刑法犯検挙人員中の精神障害者
平成十一年における交通関係業過を除く刑法犯検挙人員のうち、精神障害者は六百三十六人、精神障害の疑いのある者は一千三百六十一人で、両者の刑法犯検挙人員に占める比率は〇・六%となっている。また、罪名別検挙人員総数中に占める比率を見ると、放火が一四・四%、殺人が九・四%と、特に高くなっている。
2 心神喪失者・心神耗弱者の刑事処分
平成七年から十一年までの五年間に、検察庁で不起訴処分に付された被疑者のうち、精神障害のため、心神喪失と認められた者及び心神耗弱と認められ起訴猶予処分に付された者並びに第一審裁判所で心神喪失を理由として無罪となった者及び心神耗弱を理由として刑を減軽された者は、合計三千六百二十九人である。罪名別では、殺人(七百二十六人、総数の二〇・〇%)が最も多く、精神障害名別では、精神分裂病(二千百三十四人、同五八・八%)が最も多くなっている。
<第五編> 犯罪被害者とその国家的救済
一 犯罪被害についての実態調査結果
法務総合研究所では、罪種別の犯罪被害の有無、警察への申告の有無等を把握するとともに、犯罪被害実態に関する国際比較を行うため、国連犯罪司法研究所を中心として実施されている二〇〇〇年国際犯罪被害実態調査に参加する形で、平成十二年二月四日から同月二十九日にかけて、無作為に抽出された三千人につき、質問紙に基づく面談での聞き取り方式による犯罪被害実態調査を実施した。
1 「世帯犯罪被害」の実情
過去五年間に自家用車を保有していた世帯のうち、その期間に被害に遭ったことがあるのは、自動車盗は〇・七%、車上盗は五・七%、自動車損壊は一六・八%であり、被害申告率(警察に事件を届け出た者の比率)は、自動車盗については六一・五%、車上盗については四一・七%、自動車損壊については二〇・九%であった。
2 「個人犯罪被害」の実情
過去五年間に、自らが強盗、窃盗、性的暴行(いわゆる痴漢やセクハラを含む。)、暴行・脅迫の被害に遭ったことがある比率(性的暴行については、女性回答者に対する比率)は、それぞれ〇・六%、二・七%、二・七%、二・一%であり、被害申告率は、それそれぞれ三〇・八%、四三・三%、九・七%、二一・三%であった。
3 先行同種調査及び諸外国との比較
本調査の結果を、平成元年に財団法人都市防犯研究センターが実施した同種調査と比較すると、過半の罪種において、本調査における被害率は、同センターの調査における被害率の二倍以上になっている。
また、本調査における被害率を、一九九六年に行われた前回の国際犯罪被害実態調査の参加国における被害率と比較すると、我が国の被害率は、アメリカ等の参加国よりおおむね低くなっている。
二 刑事司法における被害者への配慮
我が国では、被害者には告訴を行う権利が認められているが、刑事訴訟法等の一部改正(平成十二年六月施行)により、強姦罪等の性犯罪については、告訴期間の制限が撤廃された。
公判手続に関しても、同改正では、裁判所は、適当と認める者を、証人に付き添わせることができるとされたほか、証人と被告人との間に遮へい措置を採ることや、映像等の送受信により通話するというビデオリンク方式により、別の場所に在席する証人を尋問することが可能になった。一方、同改正では、被害者等から、被告事件に関する意見の陳述の申出があるときは、裁判所は、公判期日において、これを陳述させるものとされた。
同改正と同時に成立した「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」では、被害者等から公判手続の傍聴の申出があるときは、その者が傍聴できるよう配慮しなければならず、また、被害者等から申出があった場合には、係属中の刑事被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写を許可できるなどとされた。
<第六編> 経済犯罪の現状と対策
一 経済犯罪の動向
1 所得税法違反・相続税法違反・法人税法違反・消費税法違反(第4図参照)
所得税法違反の新規受理人員は、昭和三十年代後半からおおむね増加傾向にあり、平成四年には最高の三百九十七人に達した。十一年は七十一人で、前年より九人減少している。
相続税法違反は、昭和六十年以降は、平成元年及び五年を除いて、新規受理人員を計上しており、十一年は六十六人で、前年と比べ六十四人の大幅増加を示している。
法人税法違反の新規受理人員は、昭和三十年代前半からおおむね増加傾向にあり、平成五年には最高の三百五十人に達したが、十一年は二百十六人で、前年より五十二人減少している。
消費税法違反は、平成七年以降は毎年新規受理人員を計上していたが、十一年は、新規受理人員は一人のみであり、前年より二十人減少している。
平成十一年度(会計年度)においては、国税庁から検察庁に告発された所得税法違反、相続税法違反、法人税法違反及び消費税法違反事件の総数は百四十八件で、一件当たりの平均脱税額(加算税額を含む。)は、所得税法違反では約二億一千万円(前年度比一六・七%減)、相続税法違反では約四億七千四百万円(同九・二%減)、法人税法違反では約一億六千万円(同一四・九%減)となっている。なお、脱税額が三億円以上の事件は二十四件、五億円以上の事件は七件となっている。
2 商法違反・独占禁止法違反・証券取引法違反(第5図参照)
商法違反の新規受理人員は、平成九年以降は三年連続して百人を上回っている。十一年は百四十八人で、前年より十四人減少している。
独占禁止法違反は、平成三年以降、隔年に新規受理人員を計上しており、十一年は五十六人となっている。なお、公正取引委員会は、二年六月に、今後積極的に刑事処罰を求めて告発を行う方針を明らかにしており、三年から十一年までに延べ百四十六人を告発している。
証券取引法違反の新規受理人員は、昭和五十六年から平成五年までは二十人を下回っていたが、六年以降は、八年を除いて、二十人を上回っており、九年には最高の八十九人に達した。十一年は五十四人で、前年より二十人増加している。なお、証券取引等監視委員会は、四年に新設された後、十一年までに延べ百二十九人を告発している。
3 特許法違反・商標法違反・著作権法違反・不正競争防止法違反(第6図参照)
特許法違反の新規受理人員は、平成三年以降、十人を下回っており、十一年は二人で、前年より三人減少している。
商標法違反の新規受理人員は、昭和五十年代から増加傾向を示し、六十一年には最高の五百九十二人に達した。その後は、おおむね二百人台から三百人台の範囲で推移しており、十一年は二百六十一人で、前年より十一人増加している。
著作権法違反の新規受理人員は、おおむね増加傾向にあり、平成二年には最高の二百九十一人に達した。その後は、おおむね百人台で増減を繰り返しており、十一年は百五十七人で、前年より五人増加している。
不正競争防止法違反の新規受理人員は、近年おおむね減少傾向にあったが、平成十一年は十九人で、前年より十五人増加している。
二 経済犯罪の処理状況
1 検察庁における処理状況(第5表参照)
最近五年間における経済犯罪の検察庁終局処理人員の推移を見ると、以下のとおりである。
(一) 所得税法違反・相続税法違反・法人税法違反・消費税法違反
所得税法違反、相続税法違反、法人税法違反及び消費税法違反の起訴率は、おおむね八〇%台から九〇%台で推移しており、起訴猶予以外の理由による不起訴人員は少ない。
(二) 商法違反・独占禁止法違反・証券取引法違反
商法違反の起訴率は、最近四年間、三〇%台から五〇%台で推移しているが、全体に公判請求人員の比率が高く、略式命令請求人員は少ない。
独占禁止法違反については、不起訴処分に付されたのは公正取引委員会からの告発がなかった者であり、これを除くと、終局処理はすべて公判請求となっている。
証券取引法違反の起訴率は、平成九年を除き、四〇%台から六〇%台で推移しており、同年及び十一年においては、公判請求人員が終局処理人員総数の半数を超えている。
(三) 特許法違反・商標法違反・著作権法違反・不正競争防止法違反
商標法違反及び著作権法違反については、起訴率は、商標法違反が七〇%台から八〇%台で、著作権法違反が六〇%台から七〇%台で推移しているが、いずれも略式命令請求人員の比率が高い。
2 裁判所における処理状況
(一) 懲役刑の科刑状況(第6表参照)
平成六年から十年までの五年間における経済犯罪の裁判所における処理状況を見ると、まず、所得税法違反及び法人税法違反については、実刑率は、おおむね一〇%未満にとどまっている。これに比して、相続税法違反及び消費税法違反については、実数は少ないものの、実刑率は高い。
一方、独占禁止法違反、証券取引法違反及び不正競争防止法違反については、該当期間において、実刑に処せられた者はいない。
(二) 独占禁止法違反及び証券取引法違反についての罰金刑の科刑状況
独占禁止法及び証券取引法については、いずれも平成四年の一部改正により、法人等に対する罰金刑の上限の額が、行為者に対する罰金刑の上限の額と切り離されて大幅に引き上げられている。
これらの改正規定の施行後、十年末までの期間において、公正取引委員会から独占禁止法違反により告発された法人及び証券取引等監視委員会から証券取引法違反により告発された法人に対する当該改正規定に基づく罰金刑の科刑状況を見ると、独占禁止法違反関係では、該当総数は三十四社であり、罰金額は最低五百万円から最高六千万円まで、証券取引法違反関係では、該当総数が五社であり、罰金額は最低一千万円から最高一億円までとなっている。
三 企業活動をめぐる経済犯罪の実態と科刑状況
法務総合研究所では、企業の活動をめぐる経済犯罪の実態、犯罪行為者及び所属企業の属性、科刑状況等を把握するため、法人税法違反、商法違反、贈賄、競売入札妨害、商標法違反、著作権法違反及び廃棄物処理法違反については、平成六年一月一日から、証券取引法違反及び独占禁止法違反については、昭和六十四年一月一日から、それぞれ平成十年十二月三十一日までの間に有罪の言い渡しがなされた事件のうち、法人の事業活動に関連して、代表者又は従業者によりじゃっ起された事件を対象として、判決書及び事件記録に基づいて、調査を実施した。調査対象総数は、八百十二件、一千百十四人、五百十一企業である。
1 所属企業の業種及び資本金(第7表参照)
有罪判決を受けた者が所属する企業を業種別に見ると、贈賄及び競売入札妨害では建設業が、証券取引法では金融・保険業が、それぞれ高い構成比を示している。
所属企業の資本金を見ると、総数では、資本金一千万円以上三千万円未満の企業の構成比が四一・五%と最も高い。
2 行為者の役職
有罪判決を受けた行為者の役職を見ると、総数では、「代表取締役・会長・社長」の構成比が最も高いが、独占禁止法違反及び商法違反では、「役員以外の役職者」の構成比が最も高くなっている。
行為者の役職を所属企業の資本金との対比で見ると、行為者が「代表取締役・会長・社長」であるものの構成比は、資本金が大きくなるに従って低下するものの、資本金五十億円以上の大資本の企業では逆に高くなっている。
3 科刑状況
有罪判決を受けた行為者に対する科刑状況を見ると、総数では、一年以上二年未満の懲役刑につき執行猶予が付されたものが五〇%近くを占めており、実刑率は六・一%である。
有罪判決を受けた者が所属する企業に対する罰金額を見ると、法人税法違反では、一千万円以上五千万円未満のものの構成比が全体の七六・三%を占め、一千万円未満のものは七・二%に過ぎない。独占禁止法違反では、四千万円未満のものはなく、六千万円以上七千万円未満のもの(五八・七%)が最も多い。商標法違反では二百万円以上二百五十万円未満のもの(三一・六%)、著作権法違反及び廃棄物処理法違反では五十万円以上百万円未満のもの(それぞれ六二・五%、三九・一%)が最も多い。
四 企業倒産をめぐる犯罪の実態と科刑状況
1 企業倒産をめぐる犯罪の動向(第7図参照)
強制執行妨害の新規受理人員は、昭和三十三年に最高の百六十三人に達した後、おおむね減少傾向にあったが、平成八年に受理人員が九年ぶりに四十人を上回った後は、三十人台から四十人台で推移し、十一年は四十六人で、前年より七人増加している。
競売入札妨害の新規受理人員は、昭和二十五年の三百十七人をピークとして、その後はおおむね減少傾向にあったが、平成六年に受理人員が三十七年ぶりに二百人を上回った後は、おおむね増加傾向にあり、九年には最高の四百六十九人を受理した。十一年は二百七十九人で、前年より三十七人減少している。
破産法違反の新規受理人員は、昭和四十三年に最高の五十七人に達した後、おおむね減少傾向にあったが、平成七年以降は増加に転じる兆しを示しており、十一年は二十四人で、前年より十五人増加している。
2 企業倒産をめぐる犯罪の処理状況
(一) 検察庁における処理状況(第8表参照)
最近五年間の検察庁における終局処理人員の推移を見ると、まず、強制執行妨害では、起訴率はおおむね三〇%台から四〇%台で推移しているが、嫌疑不十分等、起訴猶予以外の理由による不起訴人員の比率が比較的高い。
競売入札妨害では、起訴率は四〇%台から五〇%台の範囲で上昇傾向にある。
破産法違反については、起訴率が上昇傾向にあり、平成十一年には五〇・〇%に達している。一方、嫌疑不十分等、起訴猶予以外の理由による不起訴人員の比率は、強制執行妨害における当該比率よりも、更に高くなっている。
(二) 裁判所における処理状況
平成六年から十年までの五年間において、第一審で懲役刑の言渡しを受けた者に対する科刑状況を見ると、強制執行妨害においては、実刑に処された者はいないが、破産法違反においては、懲役三年の実刑に処された者を含め、実刑率は、平均で四〇%を上回っている。競売入札妨害については、七年以降、実刑率は一〇%台で推移している。
3 競売妨害事案の実態調査結果
法務総合研究所では、企業倒産をめぐる犯罪の特質及び科刑状況を明らかにするため、競売妨害事案につき、平成六年一月一日から十年十二月三十一日までの間に有罪の言渡しがなされた事件、被告人を対象として、判決書及び事件記録に基づいて、調査を実施した。調査対象総数は、六十八件、百二十四人である。
(一) 調査対象者の属性(第9表参照)
調査対象者の犯行開始時点における年齢は、四十歳代の者が四一・一%を占めるなど、全体に年齢層が高い。調査対象者の職業別構成比は、会社役員・団体役員(四六・八%)や自営業者(二二・六%)という企業の経営者的立場にある者が高い数値を示している。
一方、暴力団・右翼団体との関係を見ると、総数では、関係がある者とない者とが同数であり、暴力団員の構成比は二九・八%に達している。
(二) 犯行の手口
競売妨害の手口としては、担保物件に対する架空の賃借権等の主張によるものが最も多く、担保物件の物理的占拠によるもの、担保物件に暴力団の代紋を掲示したりするなど、示威物件の掲示・設置等によるものがこれに続いている。
調査対象事件のおよそ八割において、暴力団・右翼団体関係者の関与が認められるが、被告人自身が暴力団・右翼団体の関係者であり、かつ、他にも暴力団・右翼団体関係者が関与している事案においては、犯行の手口として、物理的占拠(七八・八%)及び示威物件の掲示・設置等(六九・七%)が高い比率を示している。
(三) 科刑状況
調査対象者のうち、競売入札妨害及びこれに関連する余罪のみにより判決を受けた百七人(五十八件)について見ると、法律上は執行猶予が可能な者における実刑率は、一三・四%である。
これら百七人について、暴力団・右翼団体との関係と科刑状況とのかかわりを見ると、実刑率は、暴力団・右翼団体との関係がない者が八・九%であるのに対し、暴力団首領が五三・八%、その他の暴力団構成員が三八・九%であるなど、被告人自身の暴力団等との関係が考慮されていることがうかがえる。
五 諸外国における経済犯罪への対策
1 企業に対する経済的制裁の強化
アメリカにおいては、組織体に対する量刑ガイドラインが、企業に対して、極めて高額な罰金刑の量刑を制度化しており、ドイツにおいても、企業に対する過料の額は相当高額に定められている。また、フランスも、法人に対する罰金刑の上限を自然人に対する罰金刑の上限の五倍としている。これらに加え、金銭的制裁の上限額を犯罪による利得額等と連動させ、実質的に重い経済的制裁を加えている例も多い。
2 犯罪の予防や検挙に協力した者に対する制裁の減免措置
アメリカでは、コンプライアンス・プログラムの存在が、刑の減軽事由になり得るものとされるほか、アメリカやドイツの独占禁止法の運用面においては、捜査への協力と免責とが実質的に結びつけられている。さらに、イギリス及び韓国においては、独占禁止法違反に関する違反行為者からの情報提供が、制裁についての減免事由になり得ることが明記されている。
3 違反者の処罰以外の組織規定その他の制度面における施策
イギリスにおいては、外部の専門家と共同して、重大かつ複雑な経済事件に対する捜査及び訴追を一貫して行う機関として、重大経済犯罪庁が設置されており、韓国においては、金融実名取引制度を設け、過料による制裁に税制をも連動させて、仮名口座の一掃を図っている。
<第七編> 暴力団犯罪の動向と暴力団関係者の処遇
一 暴力団組織及び暴力団犯罪の動向
平成五年以降減少傾向にあった暴力団構成員等(暴力団構成員及び準構成員をいう。)は、八年以降漸増し、十一年十二月三十一日現在では、約八万三千百人(前年比約一千八百人増)となっている。同年における暴力団相互の対立抗争事件の発生回数は四十六回(同二回減)、対立抗争事件発生回数に占める銃器使用回数の比率は九一・三%(同一〇・〇ポイント増)である。
また、平成十一年における交通関係業過及び道交違反等交通関係法令違反を除く暴力団構成員等の検挙人員は、三万二千五百十一人(前年比四百七十四人減)となっている。
暴力団構成員等の検挙人員を罪名別に見ると、覚せい剤取締法違反(七千九百三十三人)が最も多く、以下、傷害(四千六百十八人)、窃盗(三千一人)の順になっている。
二 暴力団関係者に対する矯正処遇及び更生保護
平成十一年における新受刑者中に占める暴力団加入者の数は、三千三百七十六人であり、一年以下の刑期の者の比率は二〇・四%(暴力団非加入者においては二五・二%)、再入者の比率は七二・五%(同五一・八%)である。
平成十一年における保護観察新規受理人員に占める暴力組織関係者の数は、総数が二千四百五十人(新規受理人員全体の五・一%)、保護観察処分少年が百四十九人(同〇・六%)、少年院仮退院者が二百三十人(同四・四%)、仮出獄者が一千六百四十八人(同一二・四%)、保護観察付き執行猶予者が四百二十三人(同八・一%)である。
三 暴力団関係受刑者の意識等
法務総合研究所では、暴力団関係受刑者の行動傾向や暴力団離脱の意思等を明らかにするため、全国のB級受刑者処遇施設である刑務所を、平成十一年十一月二十日から十二年二月二十日までの間に出所する男子受刑者を対象として、質問紙による調査を行った。調査対象者は二千八百二十五人(うち暴力団関係受刑者七百四十四人)である。
1 非行歴、事件の契機等
暴力団関係受刑者の少年時における非行やいじめ等に関する経験を見ると、「薬物使用」、「不良集団への加入」、「親・兄弟への暴力」及び「他の人をいじめたこと」の経験があるとする者の比率が、それ以外の受刑者をいずれも五ポイント以上上回っている。
2 暴力団離脱の意思等
出所後にこれまで所属していた暴力団との関係をどうするつもりかとの質問に対して、収容施設において暴力団離脱指導を受けたとする者では、「組にもどるつもりはない」と回答した者(五七・四%)が最も多く、「組にもどるつもりである」と回答した者は二七・〇%である。これに対し、離脱指導を受けなかったとする者では、「組にもどるつもりである」と回答した者(四九・四%)が最も多く、「組にもどるつもりはない」と回答した者は三一・六%である。
四 暴力組織関係保護観察付き執行猶予者の実態
法務総合研究所では、暴力組織関係保護観察付き執行猶予者に関して、その特質と保護観察の実施状況、成り行き等を明らかにするため、平成十一年一月一日から同年十月三十一日までの間に保護観察を終了した者を対象に、保護観察事件記録に基づく調査を行った。調査対象者は三百二人である。
1 調査対象者の特質
調査対象者が加入し、又は交際していた暴力組織としては、山口組、稲川会、住吉会の三団体が全体の三分の二を占めており、調査対象者の暴力組織内の地位又は暴力組織との関係を見ると、幹部が九・七%、組員が三七・五%、準構成員が六・七%などとなっている。
暴力組織に加入するなどした時点における調査対象者の年齢は、十九歳以下が二六・〇%、二十歳代前半が三一・三%となっている。
2 保護観察の実施状況
保護観察中の接触及び実態把握については、調査対象者中、六割前後の者について、接触や実態把握に困難が生じていることが認められる。また、保護観察期間中に所在不明になったことがある者の比率は二六・九%に達する。
3 調査対象者の成り行き
調査対象者の保護観察終了事由を見ると、期間満了が六二・六%、取消しが三五・八%となっており、平成十一年に保護観察を終了した保護観察付き執行猶予者全体と比べると、取消しの比率がやや高くなっている。
再犯事件と暴力組織との関連があったものの比率は、当該事件により公判請求されたものでは一四・四%、罰金等の処分又は起訴猶予になったものでは一一・九%である。
◇全世帯の家計
前年同月比でみると、全世帯の消費支出は平成十一年九月以降五か月連続の実質減少となった後、十二年二月は実質増加、三月は実質減少、四月は実質増加、五月以降四か月連続の実質減少となり、九月は実質増加となった。
◇勤労者世帯の家計
前年同月比でみると、勤労者世帯の実収入は平成十一年七月以降九か月連続の実質減少となった後、十二年四月は同水準、五月は実質増加となり、六月以降四か月連続の実質減少となった。
前年同月比でみると、消費支出は平成十一年八月以降六か月連続の実質減少となった後、十二年二月は実質増加、三月は実質減少、四月は実質増加、五月以降四か月連続の実質減少となり、九月は実質増加となった。
◇勤労者以外の世帯の家計
勤労者以外の世帯の消費支出は、一世帯当たり二十六万二千二百六十一円。
前年同月に比べ、名目〇・八%の減少、実質〇・三%の増加。
◇季節調整値の推移(全世帯・勤労者世帯)
季節調整値でみると、全世帯の消費支出は前月に比べ実質二・九%の増加。
勤労者世帯の消費支出は前月に比べ実質二・六%の増加。
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〔国 会 関 係〕
第百四十七回国会で審議された
法律案・条約の一覧表(内閣官房)… 9・20…C
〔白 書 関 係〕
通商白書(通商産業省)………………… 7・19…@
外交青書(外務省)……………………… 8・ 2…@
観光白書(総理府)……………………… 8・ 9…@
男女共同参画白書(総理府)…………… 8・16…@
高齢社会白書(総務庁)………………… 8・23…@
防災白書(国土庁)……………………… 8・30…@
環境白書(環境庁)……………………… 9・13…@
交通安全白書(総務庁)………………… 9・27…@
通信白書(郵政省)………………………10・ 4…@
科学技術白書(科学技術庁)……………10・11…@
労働白書(労働省)………………………10・18…@
土地白書(国土庁)………………………10・25…@
原子力安全白書(原子力安全委員会)…10・25…I
厚生白書(厚生省)………………………11・ 1…@
建設白書(建設省)………………………11・ 8…@
経済白書(経済企画庁)…………………11・15…@
公害紛争処理白書
(公害等調整委員会事務局)…………11・22…@
首都圏白書(国土庁)……………………11・29…@
海上保安白書(海上保安庁)……………12・ 6…@
独占禁止白書(公正取引委員会)………12・13…@
防衛白書(防衛庁)………………………12・20…@
警察白書(警察庁)………………………12・27…@
総 理 府 関 係
<宮 内 庁>
天皇誕生日一般参賀について……………12・13…K
新年一般参賀について……………………12・20…H
<総 務 庁>
平成十二年二月
労働力調査特別調査結果の概要……… 7・12…F
平成十一年度平均
全国消費者物価指数の動向…………… 7・12…M
平成十一年 人口移動の概要…………… 7・26…@
単身世帯収支調査結果の概況
平成十一年度十〜三月期平均速報…… 7・26…F
単身世帯収支調査の概況
平成十一年度平均速報の結果………… 7・26…J
平成十一年度平均家計収支……………… 8・ 9…G
平成十一年平均
消費者物価地域差指数の概況………… 8・30…G
単身世帯収支調査結果の概要
平成十二年一〜六月期平均速報………11・ 1…H
平成十二年四〜六月期平均家計収支……11・ 8…J
平成十二年八月
労働力調査特別調査結果の概要………12・27…H
<国 土 庁>
平成十二年 地価公示のあらまし……… 7・12…@
大 蔵 省 関 係
平成十一年度 法人企業統計年報………11・29…G
労 働 省 関 係
平成十一年
賃金構造基本統計調査結果の概要…… 7・ 5…@
農林水産省関係
平成十二年度 農業観測………………… 9・ 6…@
〔毎月公表されるもの〕
▽消費者物価指数の動向…………………総 務 庁
平成十二年四月の消費者物価指数……… 7・19…G
〃 五月の消費者物価指数……… 8・ 9…I
〃 六月の消費者物価指数……… 9・13…L
〃 七月の消費者物価指数………10・ 4…K
〃 八月の消費者物価指数………11・ 1…L
〃 九月の消費者物価指数………12・ 6…G
〃 十月の消費者物価指数………12・27…K
▽家計収支…………………………………総 務 庁
平成十二年三月分………………………… 7・26…H
〃 四月分………………………… 8・30…E
〃 五月分………………………… 9・27…M
〃 六月分…………………………11・ 1…J
〃 七月分…………………………11・29…M
〃 八月分…………………………12・20…F
▽労働力調査(雇用・失業の動向)……総 務 庁
平成十二年三月及び
一〜三月平均結果の概要…… 7・19…J
平成十二年四月結果の概要……………… 8・ 9…M
〃 五月結果の概要……………… 9・27…K
〃 六月及び
四〜六月平均結果の概要……10・18…M
〃 七月結果の概要………………11・15…G
〃 八月結果の概要………………12・ 6…J
▽月例経済報告……………………………経済企画庁
平成十二年六月報告……………………… 7・19…M
〃 七月報告……………………… 8・30…H
〃 八月報告……………………… 9・20…@
〃 九月報告………………………10・25…L
〃 十月報告………………………11・15…L
〃 十一月報告……………………12・20…L
▽毎月勤労統計調査
(賃金、労働時間、雇用の動き)……労 働 省
平成十二年三月分結果速報……………… 7・12…J
〃 四月分結果速報……………… 8・16…H
〃 五月分結果速報……………… 9・27…H
〃 六月分結果速報………………10・11…I
〃 七月分結果速報………………11・15…I
〃 八月分結果速報………………12・ 6…M
〔四半期ごとに公表されるもの〕
▽普通世帯の消費動向調査………………経済企画庁
平成十二年六月実施調査結果……………10・ 4…H
〃 九月実施調査結果……………12・20…I
▽法人企業動向調査………………………経済企画庁
平成十二年三月実施調査結果…………… 8・ 2…I
〃 六月実施調査結果……………10・18…F
▽法人企業の経営動向……………………大 蔵 省
平成十二年一〜三月期…………………… 8・23…I
〃 四〜六月期……………………12・13…D
▽景気予測調査……………………………大 蔵 省
平成十二年五月調査……………………… 9・13…G
〃 八月調査………………………11・22…K
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