▽警察白書のあらまし………………………………………………警 察 庁
▽平成十二年八月 労働力調査特別調査結果の概要……………総 務 庁
▽消費者物価指数の動向(東京都区部十月中旬速報値)………総 務 庁
警察白書のあらまし
序章 国民の信頼の回復を目指して
第1節 相次ぐ不祥事案の発生
平成十一年中の懲戒免職事案の件数及び処分者数は三十八件三十九人、十二年上半期のそれらは三十三件三十八人であり、十年の十四件十九人と比べ、増加している。
十一年九月以降発生・発覚した不祥事案では、県警察の幹部自らの違法行為について責任を問われた事案、警察が地域住民の切実な訴えに対し不適切な対応をした事案が目立った。
前記事案のほか、捜査関係事項照会により得た情報を漏えいした事案、交通違反の不正抹消登録事案、女性の被留置者に対しわいせつな行為をした事案等が相次いで発生・発覚した。
第2節 国民の信頼の回復に向けた取組み
1 警察の対応
警察は、不祥事案の続発を重く受け止め、それぞれの不祥事案の原因を究明し、再発防止のため、職務倫理の保持、監察の強化、業務管理の強化、国民の立場に立った警察活動の推進等、各種の取組みに全力を挙げている。
2 警察刷新会議の発足と提言
不祥事案の続発を契機として、警察に対する信頼が大きく損なわれ、現行警察制度全般にわたる問題が提起されることとなった状況にかんがみ、平成十二年三月、国家公安委員会は、警察の刷新改革の方策について各界の有識者からの意見を聴取する場として、警察刷新会議の開催を求めることとした。
今後警察は、警察刷新会議の提言を踏まえて諸改革を推進し、国民の信頼の回復に全力を挙げて取り組んでいくこととしている。
第1章 時代の変化に対応する刑事警察
第1節 犯罪情勢の推移と刑事警察の五十年
1 犯罪情勢の推移
(1) 刑法犯の概況
戦後の刑法犯の認知件数は、戦後の混乱を反映して、昭和二十三年、二十四年にほぼ百六十万件に達した後、減少に転じ、四十八年には百二十万件を割って底を打ったが、以降は、多少の起伏はあるものの、増加を続け、平成十一年には二百十六万五千六百二十六件と戦後最高を記録した。
一方、刑法犯の検挙件数(注)は、五年以降は七十万件台で推移しており、検挙人員は、過去十年間は三十万人前後で推移している(第1図、第2図参照)。
(注) 特に断りのない限り、解決事件の件数を含む。解決事件とは、刑法犯として認知され、既に統計に計上されている事件であって、これを捜査した結果、刑事責任無能力者の行為であること、基本事実がないことその他の理由により犯罪が成立しないこと又は訴訟条件・処罰条件を欠くことが確認された事件をいう。解決事件の件数は、過去十年間はおおむね六千件台から一万一千件台で推移している。
(2) 凶悪犯
凶悪犯の認知件数は、昭和二十五年には戦後最高の一万六千二百二十五件を記録し、二十年代から三十年代前半にかけて、おおむね一万三千件台から一万五千件台の高い水準にあった。その後、経済の発展と社会秩序の回復が進むにつれて、三十五年の一万五千九百三十一件を境に減少傾向となり、四十八年には一万件を割り、平成元年には五千八百九十九件となった。しかし、二年以降増加し、十一年では九千八十七件と、前年に比べ八百三十四件(一〇・一%)増加している。
(3) 粗暴犯
粗暴犯の認知件数は、昭和三十四年の十六万八千七百五十一件をピークに平成三年まで減少傾向が続いたが、十一年の認知件数は、前年に比べ、二千七十一件(五・〇%)増の四万三千八百二十二件となっている。
(4) 窃盗犯
窃盗犯の認知件数は、戦後しばらくの間百万件前後で推移していたが、昭和四十年代後半から増加に転じ、平成十一年には百九十一万三百九十三件に達しており、刑法犯の全認知件数の八八・二%を占めている。
(5) 知能犯
知能犯の認知件数は、昭和二十五年の二十六万八千九十四件をピークに減少傾向にあり、四十年代以降は七万件前後で推移しているが、その手口は悪質・巧妙化するとともに、大型事件の発生が目立つようになっている。
(6) 風俗犯
風俗犯のうち賭博の認知件数は、昭和二十一年に二万九千五百八件であったものの、その後減少に転じ、平成十一年には二百九十三件となっている。
強制わいせつの認知件数は,統計を取り始めた昭和四十一年以降、二千件台から三千件台で推移していたが、近年増加傾向にあり、平成十一年には五千三百四十六件となっている。
(7) その他の刑法犯
その他の刑法犯の認知件数は、昭和二十三年の約八万三千件をピークに減少し、四十七年には三万三千六百九十二件で底を打ったが、その後再び増加傾向にあり、平成十一年は十四万一千三百八十四件で、過去最高となった。昭和二十三年の認知件数のうち、最も多いのは贓物(ぞうぶつ)に関する罪(三万九千七百十三件)で、次いで失火(八千六百九十四件)、住居侵入(四千二百八十三件)の順となっている。
一方、平成十一年の認知件数のうち最も多いのは占有離脱物横領(六万七千六百三十五件)で、その九三・七%(六万三千三百九十五件)が自転車の占有離脱物横領である。次いで器物損壊(五万三千五百五十二件)、住居侵入(一万四千五百四十九件)となっており、これら三つでその他の刑法犯の認知件数全体の九六・〇%を占めている。
(8) 犯罪による被害の状況
犯罪情勢やそれを取り巻く社会情勢の変化に伴い、犯罪による被害の状況も変化している。例えば、国際化に伴い、来日外国人が被害者となる事案が増加しており、その刑法犯総数は、十年前の平成元年には三千二百件であったものが、十一年には二・七倍の八千七百六十四件となるなど、犯罪による被害にも国際化の影響がみられる。
2 刑事警察の五十年
社会情勢や犯罪情勢の変化に伴い、刑事警察は幾多の試練を乗り越え、時代の変化に対応すべくその充実強化に努めてきた。戦後、現在まで、刑事警察がその時々の社会情勢や犯罪情勢にどのように対応してきたかを振り返った。
第2節 国民の期待にこたえる刑事警察に向けて
1 刑事警察に関する国民の意識
警察は、逮捕、捜索、差押等の強制処分を含む捜査権限を有し、第一次捜査機関として、日々発生するあらゆる犯罪を捜査する最も国民に身近な捜査機関である。それゆえに、警察の捜査に対する国民の期待は大きく、警察は、捜査力を不断に充実し、国民の期待にこたえる捜査を遂行していかなければならない。警察庁では、平成十二年六月、捜査活動に対する国民の意識を把握し、今後の各種の施策の参考とするため、刑事警察に関する意識調査(注)を行った(第3図参照)。
(注) 意識調査は、全国の二十歳以上の男女を層化二段無作為抽出法により二千人抽出し、個別面接形式により実施した。回収数は一千四百十八人(七〇・八%)であり、うち男性は六百五十六人(四六・三%)、女性は七百六十二人(五三・七%)であった。年代別では、二十歳代は百五十一人(一〇・六%)、三十歳代は百九十九人(一四・〇%)、四十歳代は二百四十八人(一七・五%)、五十歳代は三百二十二人(二二・七%)、六十歳以上は四百九十八人(三五・一%)となっている。
2 刑事警察の現況
警察庁では、現代の捜査官の意識を把握し、今後の刑事警察強化に役立てるため、平成十二年五月、各都道府県警察の大規模な警察署を選定し、刑事課で勤務する警部補以下の警察官約二千三百人を対象にアンケート調査を実施した。調査結果からは、犯人検挙や被害者から感謝されることに刑事の魅力、やりがいを感じ、今後とも捜査官として勤務を継続する意欲がある一方、捜査への協力が得られにくくなるなど、捜査が困難化していると感じ、勤務状況や処遇の改善を望む捜査官の姿がうかがわれる(第4図参照)。
(注) アンケートは無記名、選択式により行った。調査対象者は二千三百六人で、その九八・六%に当たる二千二百七十四人から回答を得た。回答者の性別は、男性が二千百九十五人(九六・五%)、女性が七十四人(三・三%)であり、年代別では、二十歳代が一五・三%、三十歳代が三五・八%、四十歳代が三二・三%、五十歳代が一六・三%となっている。
階級別では、巡査三・七%、巡査長三〇・五%、巡査部長三五・四%、警部補三〇・三%となっており、刑事経験年数別では、三年未満が二三・四%、三年以上十年未満が二八・五%、十年以上二十年未満が二八・二%、二十年以上三十年未満が一六・五%、三十年以上が三・五%となっている。
なお、回答項目によっては無回答のものもあり、総計は必ずしも一〇〇%とはならない。
3 捜査を取り巻く環境の変化
時代の変化とともに、国民の規範意識、捜査に対する協力意識も変化している。また、大量生産・大量流通の進展は、物からの捜査を困難化させている。
さらに、被害者と犯人との関係では、従来から、強制わいせつ、強盗、強姦、暴行、恐喝といった犯罪については、被害者と犯人との間に面識のないものが多いが、近年その傾向が強まっている。
また、確たる動機もなく危害を加えたり、自己顕示欲や好奇心を満たすために何ら関係のない被害者に危害を加える事案も発生している。
4 新たな情勢と課題への対応
(1) 国民に不安を与える犯罪
ア 重要凶悪事件
殺人等の重要凶悪事件の発生は、国民に最も不安を与えるものである。近年の重要凶悪事件の特徴等は次のとおりである。
(ア) 犯罪の広域化
自動車の普及や高速道路を始めとした道路網の整備は、人の活動範囲を飛躍的に拡大させ、短時間のうちに都道府県の境界を越えて移動することを可能にし、また、いくつかの都府県の境界周辺の地域においては、市街地が当該境界を越えて連続的に形成され、社会的・経済的に一つのまとまりを持つ区域が生まれている。
こうしたことから、例えば、凶悪犯の検挙件数をみると、犯行現場から犯人が自動車(オートバイを含む。)を利用して逃走したものの割合は、平成二年の二九・七%から、十一年には三七・九%へと増加している。また、犯人が犯行後極めて短時間のうちに都道府県境を越えて逃走したり、潜伏したりする事件や、同一犯あるいは犯罪グループが複数の都道府県において連続的に犯罪を敢行したり、重要な捜査事項が他の都道府県に存在し、捜査が複数都道府県に及ぶ事件が多くみられるようになった。
(イ) 情報通信技術の悪用
情報通信技術の発達は、生活の利便性を向上させる一方、これを悪用した犯罪もみられるようになった。例えば、料金前払い、身元確認不要を特徴とする通話料前払い方式(プリペイド方式)携帯電話の匿名性に着目し、誘拐事件を始め、殺人等の犯罪の様々な局面で悪用するケースが発生している。また、急速に普及するインターネットの匿名性、無こん跡性及び広域性を利用した凶悪犯罪もみられるようになった。
(ウ) 悪質・巧妙化する手口
a 保険金目的殺人事件
多額の保険に加入した上で計画的に犯行を行う保険金目的殺人事件は、昭和四十二年以降平成十一年までに百七十八件を検挙している。近年では、交通事故死を偽装したり、犯行に薬物を用いるなど、犯行をより発覚しにくくするために巧妙な偽装工作を行う手口がみられ、夫や妻、実の息子等、肉親をも対象とする悪質な事件も発生している。また、詐欺目的の発覚を避けるため、保険の加入に当たり、多数の保険会社と重複して保険契約を結ぶなどする事例もみられる。
b バラバラ殺人事件
犯行の発覚を避ける目的や、被害者の身元を隠匿する目的で、死体を切断するバラバラ殺人事件は、昭和二十四年以降ほぼ毎年発生しており、平成十一年末までに百三十件を認知し、うち百五件を検挙している。十一年には、死体を複数府県下に遺棄するなど、広域にわたる事案もみられた。
c 毒物等混入事件
十年七月、和歌山市園部における毒物混入事件が発生し、その後、不特定多数を対象とした毒物等(注)混入事件が相次ぎ、社会不安を引き起こした。和歌山市園部における毒物混入事件以降、十一年末までの毒物等混入事件は四十八件で、うち二十五件を検挙している。
(注) ここでいう「毒物等」とは、毒物及び劇物取締法に規定する毒劇物、消防法に規定する危険物をいい、家庭用洗剤や粉石鹸等の類は含まれない。
(エ) 特殊事件
a 身の代金目的誘拐事件
身の代金目的誘拐事件は、昭和二十一年以降平成十一年末までに二百二十六件発生し、うち二百十八件を検挙している。昭和二十年代の年間平均発生件数は〇・六件であったが、以後増加し、五十年代には七・一件、六十年以降には六・四件となっている。
その形態は、二十〜四十年代は単独犯が未成年者を誘拐し、近親者に金銭を要求するという形態が多数を占めていたが、その後、複数犯による犯行や成人を誘拐する形態の犯行が増加しており、六十年以降は半数以上がこの種の事案となっている。また、平成三年以降には、来日外国人が同国人を誘拐する事案も発生している。
b 人質立てこもり事件
人質立てこもり事件は、昭和四十年以降平成十一年末までに四百四十四件発生し、うち四百四十二件を検挙している。十一年中に発生した人質立てこもり事件は七件で、うち一件は国内線航空機におけるハイジャック事件であった。十一年中の事件はいずれも単独犯による犯行で、すべて被疑者を検挙しているが、ハイジャック事件では、人質一人が殺害された。
また、十二年五月、福岡県下で走行中の高速バスが、刃物を所持した少年に乗っ取られ、死傷者五名を伴うバスジャック事件が発生した。
イ 増加する路上犯罪
(ア) 通り魔事件
通り魔事件は、人の自由に通行できる場所において、確たる動機がなく通りすがりに不特定の者に対し、凶器を使用するなどして、殺傷等の危害を加えるものであり、連続犯行の危険性も強く、著しい社会不安を惹起する。
昭和五十九年以降平成十一年末までに発生した通り魔殺人等事件(未遂を含む。)は百件で、うち九十六件を検挙している。十一年の認知件数は六件と、前年に比べ、四件減少しているが、九月に、前年にはみられなかった二人以上の死者を伴う事件が、東京都内池袋の路上(二人死亡六人負傷)、山口県内JR下関駅構内(五人死亡十人負傷)で相次いで発生した。
(イ) 路上強盗の増加
十一年中の路上強盗の認知件数は一千四百九十五件であり、元年に比べ、約四倍となっている。都道府県別では、東京、埼玉、大阪、神奈川、千葉等大都市圏での発生が多い。発生時間帯は、二十三〜零時が最も多く、次いで零〜一時、一〜二時の順となっており、深夜時間帯の発生が多くなっている。被害者は、男性が七六・二%を占めており、被害者の年齢構成は、二十〜二十四歳が最も多く、次いで十三〜十九歳、二十五〜二十九歳の順となっており、若い世代が被害対象となっている。
一方、十一年の検挙人員一千六百九人のうち、少年が一千百十一人で六九・〇%を占めている。
(ウ) ひったくりの増加
十一年中のひったくりの認知件数は四万一千百七十三件であり、元年に比べ、約四倍となっている。都道府県別では、大阪、東京、埼玉、千葉、神奈川等大都市圏での発生が多い。発生時間帯は、二十〜二十一時の発生が最も多く、夕方から夜間にかけての発生が多くなっている。
被害者は、九三・一%が女性で、被害者の年齢構成は、五十歳代が最も多く、次いで四十歳代、七十歳以上の順となっており、比較的高い年齢層がねらわれている。ひったくりの際に、被害者が転倒し、死亡する事例も発生している。
一方、十一年の検挙人員三千三百四人のうち、少年が二千四百二十人で七三・二%を占めている。
ウ 窃盗の増加と深刻化する組織窃盗
(ア) 窃盗の増加
窃盗は、昭和四十年代後半以降増加傾向にあり、平成十一年には百九十一万三百九十三件に達し、刑法犯認知件数の八八・二%を占めており、国民にとって最も身近な犯罪である。
また、窃盗の中でも侵入盗には、広域にわたり反復継続して敢行される悪質なものが多く、十一年では、侵入盗の検挙人員一万五千二百三十四人のうち、窃盗の前歴を持つ者が四千二百三十九人(二七・八%)を占め、その常習性がうかがわれる。
(イ) 深刻化する組織窃盗
近年、首領の下、多数の被疑者が下見、窃取、盗品の運搬、処分等の役割を分担して行う組織窃盗が深刻化している。例えば、検挙件数に占める共犯ありの割合については、来日外国人や暴力団の共犯事件の割合の高さが目立っている。
その手口は、犯行前に侵入対象を綿密に下見し、慎重に犯行計画を立てた上、出入口や壁、屋根等を破壊したり、特殊工具であるピッキング用具を使用して侵入し、短時間のうちに金品を大量に窃取するもので、大胆かつ手荒な犯行である。
これら窃盗組織は、外国に本拠を有する国際犯罪組織や不法入国者等を構成員とすることが多く、その組織実態が必ずしも明らかではなく、また、各行為を相互に分担していることから、個々の事件で末端の実行行為者を検挙しても組織の実態や盗品の処分先等を解明することに困難を伴う。
また、暴力団対策法の施行により資金源に窮した暴力団が、資金獲得のため、組織窃盗事件を多数敢行しており、外国人ブローカー等と通じて盗品を輸出したり、国内の闇ルートでさばいたりするなどの事案もある。
エ 警察の対応
警察では、これらの国民に不安を与える犯罪への対応を最重要課題として取り組んでいる。
(ア) 広域捜査力の強化
戦後、警察は、社会情勢や犯罪情勢の変化と闘いつつ、それらに柔軟に対応し、新たな広域捜査制度、広域捜査手法を確立してきた。現在、警察では、合同・共同捜査を積極的に推進しているほか、広域捜査隊や広域機動捜査班の設置等を行っている。
今後も、引き続き、時代の変化、犯罪態様の変化に即して、広域捜査力の強化を図っていかなければならない。
(イ) 捜査本部体制の強化
捜査本部は、重要事件等の発生に際し、警察署の恒常的捜査体制とは別個に臨時組織を編成して、捜査を統一的かつ強力に推進するために設置される。
捜査本部には、警察本部の捜査員や発生地を管轄する警察署の刑事課員はもとより、他部門の係員も加わり、捜査本部長の指揮の下、統一的な捜査活動が展開される。
また、優秀な捜査員による捜査遂行力を確保するため、指定捜査員制度(一定の者をあらかじめ指定しておき、必要に応じて応援派遣する制度)や登録捜査員制度(警察職員のうちから捜査に要する特殊な技術・技能を備えた特定の者をあらかじめ登録しておき、必要に応じて応援派遣する制度)等を設けているほか、捜査用車両、無線機、ファックス等の通信用機材、パソコン等のOA機器等の整備を行うなどし、捜査本部体制の強化に努めている。
(ウ) 初動捜査力の強化
犯罪の発生に際し、迅速・的確な初動捜査を行い、犯人を現場やその周辺で逮捕し、あるいは、現場にある証拠物や参考人の証言等を確保することが、犯罪の広域化・スピード化が進む中で、より重要となっている。
例えば、十一年中の余罪事件を除く凶悪犯の検挙件数四千九百九十四件(解決事件を除く。)のうち、検挙の主たる端緒が警察活動(緊急配備や検索等)中の職務質問によるものは一千二百二十二件(二四・五%)で、最も大きな比率を占めている。
また、凶悪犯の認知から検挙までの期間をみると、一日未満で検挙したものが全体の四三・一%(余罪事件、解決事件を除く。)を占めている。迅速な初動捜査を推進するため、機動捜査隊の充実、機動力強化のための車両・通信資機材の整備、関係部門と連携した緊急配備等を行っている。
(エ) 窃盗犯対策
a 窃盗犯への対応
刑法犯の大半(十一年の刑法犯認知件数の八八・二%)を占める窃盗の捜査は、警察捜査の基本である。警察では、聞き込み捜査や盗品捜査等により被疑者や不審者(車)の情報収集を行うとともに、各種捜査支援システムを活用して、窃盗犯対策を推進している。
また、侵入盗を広域にわたって繰り返す悪質な窃盗常習犯に対応するため、組織捜査を強化し、共同・合同捜査を推進しているほか、捜査本部や捜査専従班を設け、捜査体制を確立している。
b 組織窃盗対策
深刻な状況にある組織窃盗事件に対処するため、警察では、九年以降、全国の警察本部に組織窃盗対策官、組織窃盗捜査班を設置して専従体制を整備するとともに、警察庁組織窃盗事件登録制度を設け、窃盗組織の実態解明を行い、組織中枢に至る検挙に努めている。
また、窃盗犯部門と、暴力団犯罪捜査部門、外国人犯罪捜査担当部門等との連携を強めるとともに、入国管理局、海上保安庁、税関等の関係機関との連携等を図っている。警察庁登録組織窃盗事件として、九年以降、十一年末までに五百八十五人を検挙しており、その被害総額は百三十七億一千二百三十万円に及んでいる。
また、組織窃盗の被害対象となるおそれのある店舗管理者等に対しては、積極的に防犯指導等を行い、犯人の下見行為や不審情報の把握と警察への早期通報を依頼して、犯行の未然防止と早期解決を図っている。
(オ) 特殊事件捜査力の強化
誘拐事件や人質立てこもり事件の捜査に当たっては、特殊事件捜査に関する知識・経験を有する捜査員を中心とした効果的な捜査体制を確立する必要がある。
このため、特殊事件捜査の中核となる広域機動捜査班の体制強化や特殊事件捜査員の登録制度を設けるなど、特殊事件捜査体制の強化を図るとともに、個別の事件を想定した訓練や、広域にわたる訓練を実戦に即して行うなど、捜査能力の維持向上に努めている。
(カ) 科学捜査力の強化
全都道府県警察においては、鑑定、検査体制を充実するため、十年までに、科学捜査研究所を鑑識課の附置機関から警察本部刑事部に置かれる独立の組織とした。また、その施設の整備や高性能鑑定機材の導入を図るとともに、鑑定技術職員の育成に努めている。
さらに、専門知識・技術が要求される薬毒物使用事件や業務上過失事件等に対処するため、高度な科学的知識を有する科学捜査官を中途採用し、証拠資料の解析や取調べ等の捜査に当たっている。
(キ) 安全な空間の確保
a 警戒・検挙活動の強化
ひったくり等の路上犯罪の増加に対処するため、関係部門が連携し、総合的な検挙活動を行うとともに、広報・啓発活動、先制的な警ら・警戒活動等の街頭活動の強化を図っている。
b 安全・安心まちづくりの推進
従来から、警察では、地域安全活動の推進、パトロールの強化等を進めてきたところであるが、これらの防犯対策のみならず、犯罪防止に配慮した環境設計活動「安全・安心まちづくりの推進」を行っている。「安全・安心まちづくりの推進」は、道路、公園等の公共施設や住居の構造、設備、配置等について、犯罪防止に配慮した環境設計を行うことにより、犯罪被害に遭いにくいまちづくりを行うもので、関係機関と共にその推進を図っている。
(2) 組織的な犯罪
ア 組織的犯罪対策三法の効果的かつ適正な運用
(ア) 制定の背景
近年、暴力団等による薬物、銃器等の取引やこれらの組織の不正な権益の獲得等を目的とした各種の犯罪のほか、地下鉄サリン事件を始めとするオウム真理教関連事件のような大規模な組織的形態による凶悪犯罪、法人組織を利用した詐欺商法といった経済犯罪等、組織的な犯罪が多数発生し、我が国の平穏な市民生活を脅かすとともに、健全な社会・経済の維持及び発展に悪影響を及ぼしかねない状況にある。
また、組織的な犯罪の問題は、国際連合やサミット等でも、最も重要な課題の一つとして継続的に取り上げられており、国際的にも協調した対応が求められ、主要国においては、法制度の整備が進んでいる。
このような内外の要請にこたえ、組織的な犯罪に対し厳正かつ適切に対処するため、平成十一年八月、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という。)、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(以下「通信傍受法」という。)及び刑事訴訟法の一部を改正する法律が成立した。
(イ) 組織的犯罪対策三法の概要と期待される効果
a 組織的犯罪処罰法
組織的犯罪処罰法(注)は、組織的な犯罪の処罰の強化により、この種犯罪に対する厳正な処罰の実現を図るとともに、犯罪収益等の規制により組織的な犯罪に対し資金面からも効果的な対処を可能にしたものである。
同法の要点は、第一に、組織的な犯罪に関する処罰を強化することであり、一定の類型に該当する組織的な殺人、詐欺等の刑が加重された。
要点の第二は、マネー・ローンダリングの規制等で、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律において薬物犯罪について設けられた措置とおおむね同様の措置が一定の犯罪の収益に拡大された。具体的には、犯罪収益等を用いて法人等の事業経営の支配を目的とする行為及びその隠匿等を処罰するほか、疑わしい取引の届出制度を拡充し、銀行その他の金融機関等に対し、業務において収受した財産が犯罪収益である疑いがある場合にその届出を義務付けるなどの措置が定められた。
警察では、疑わしい取引の届出に係る情報の活用等によるマネー・ローンダリング行為の端緒把握と、犯罪に係る資金の流れや犯罪組織の実態把握を強化するなどし、組織的犯罪処罰法を効果的に運用していくこととしており、六月末までに、三事件について、同法の刑の加重規定を適用している。
(注) 組織的犯罪処罰法は、十二年二月一日に施行された。
b 通信傍受法
通信傍受法(注)は、通信傍受の対象犯罪を、組織的な殺人、薬物関連犯罪、銃器関連犯罪及び集団密航関連犯罪の四罪種に限定し、裁判官の発する令状によって通信傍受を行うための厳格な要件、手続等を規定したものである。
通信傍受には、慎重で厳格な要件が課されているが、重大な犯罪でしかも連続的、継続的、組織的に行われる犯罪に効果的であると考えられる。
特に、薬物犯罪については、アメリカにおいて通信傍受が行われたもののうち、約七割が薬物犯罪であり、我が国でも、検証許可状を得て通信傍受を行った事例はいずれも薬物犯罪であった。
薬物犯罪は、末端乱用者へ密売するまで数段階を経て組織的、かつ密行的に敢行されるため、従来の捜査方法では、組織の末端の者を検挙することはできても、組織の中枢にある者を検挙することは困難であった。
このような薬物犯罪に対し、組織の中枢にある者等の犯罪に関連する通信を傍受することにより、その犯行の状況等を明らかにすることが可能となり、有効な武器となることが期待される。
警察では、通信傍受法を適正に運用していくため、傍受を行うに当たって守るべき方法、手続等の必要な事項を、国家公安委員会規則、通達等に詳細に規定するとともに、通信傍受法の内容や規則・通達で規定した事項を周知徹底することとしている。
(注) 通信傍受法は十二年八月十五日に施行された。
c 刑事訴訟法の一部を改正する法律
刑事訴訟法の一部を改正する法律(注)では、証人等の住居等に関する事項につき、尋問の制限や、検察官及び弁護人相互間における配慮要請に関する規定を設け、証人等への危害の未然防止や不安感の軽減が図られることとなった。
(注) 刑事訴訟法の一部を改正する法律は、十一年九月七日に施行された。
イ 暴力団犯罪
a 暴力団犯罪の取締り
警察では、暴力団組織の中枢にあってその運営を支配している首領、幹部を始めとする暴力団員を大量反復検挙するとともに、犯行の組織性、常習性、悪質性を解明するなどし、検挙した暴力団員に適正な科刑がなされるよう努めている。また、資金源を封圧するため、伝統的資金獲得犯罪に加え、民事介入暴力、企業対象暴力、金融・不良債権関連事犯等の新たな資金獲得犯罪の取締りを推進している。さらに、暴力団が保有する銃器の摘発を進めている。
b 暴力団対策法の効果的な運用
暴力団対策法の施行以降発出した中止命令、再発防止命令の総件数は、十一月末現在、それぞれ一万五百九十七件、二百八十三件に上っているほか、十一年六月には、五代目山口組と國粹会との対立抗争に伴い、暴力団対策法施行後初めて、暴力団事務所の使用を制限する命令を発出した。
c 暴力団排除活動の推進
暴力団対策法の規定に基づき指定を受けた都道府県暴力追放運動推進センター(以下「都道府県センター」という。)は、暴力団排除活動の中核として、警察その他の関係機関、団体と連携し、相談事業等様々な活動を活発に展開している。都道府県センターにおける暴力団関係相談の受理件数は、暴力団対策法施行後、十一年末までに、約八万六千件に上っている。また、暴力団対策法に基づき、警察及び都道府県センターは、暴力団員による不当要求の被害を受けやすい金融・保険業、建設・不動産業、ぱちんこ営業等を中心に、各事業所の不当要求防止責任者に対する講習を実施している。
ウ 銃器犯罪
暴力団等の犯罪組織による組織的なけん銃等の隠匿事犯や密輸・密売事犯の摘発に当たっては、これらの犯罪が巧妙かつ密行的に行われる組織犯罪であることを念頭に、より的確かつ効果的な情報の収集、分析及び活用を可能とする質の高い銃器捜査力の充実を図っていく必要がある。
そのため、全国の都道府県警察において銃器捜査の専従体制を整備し、銃器事犯に関する情報収集の強化を図るとともに、都道府県警察間の共同・合同捜査を積極的に推進し、捜査情報の全国的な共有と、けん銃の密輸・密売等の広域的な組織犯罪の効果的な事件化に努めている。さらに、クリーン・コントロールド・デリバリー(注)等新しい捜査手法の積極的な活用に努めている。
また、国内外の様々な関係当局と連携したより効果的な組織犯罪対策を推進するため、国内では税関、海上保安庁等の取締り関係機関との共同捜査や共同訓練を通じた連携の強化を進めるとともに、諸外国の取締り当局とも積極的な情報交換等の協力を推進している。
さらに、国連で国際組織犯罪条約起草作業の一環として進められている銃器議定書の起草作業に積極的に参加している。
(注) コントロールド・デリバリーとは、取締り機関が規制薬物等の禁制品を発見しても、その場で直ちに検挙することなく、十分な監視の下にその運搬を継続させ、関連被疑者に到達させてその者らを検挙する捜査手法をいう。なかでも、クリーン・コントロールド・デリバリーとは、銃器等の禁制品を発見した際に、別の物品と差し替えて行うものをいう。
エ 薬物犯罪
警察では、薬物の押収や薬物犯罪組織の末端構成員の検挙のみならず、組織の中枢に位置する者の検挙により薬物犯罪組織の壊滅と薬物犯罪の根絶を図るため、密輸・密売事犯に対するコントロールド・デリバリー等の各種捜査手法の積極的活用、薬物犯罪収益等のはく奪の強化、来日外国人密売組織に対する取締りの徹底等の諸対策を推進している。
(3) 複雑化する経済活動に伴う犯罪
警察では、金融・不良債権関連事犯や企業犯罪等に対する財務捜査の重要性にかんがみ、経済活動の複雑・高度化、金融・不良債権関連事犯や企業犯罪の大規模化に対応し得る財務捜査力を確立するため、今後も更に、教養の充実強化、財務捜査官の専門知識・技能等の向上のための施策等を推進していくこととしている。
(4) 国境を越える犯罪
近年、来日外国人犯罪が急増している。来日外国人犯罪の統計を取り始めた昭和五十五年の刑法犯検挙件数は八百六十七件、検挙人員は七百八十二人であったが、平成十一年にはそれぞれ二万五千百三十五件、五千九百六十三人と、昭和五十五年当時に比べ件数で二十九・〇倍、人員で七・六倍となっている(第5図参照)。
国境を越えて引き起こされる国際犯罪は、我が国だけでなく諸外国においても治安上の重要課題となっている。国境を越えて引き起こされる国際犯罪に対抗するためには、国際的な捜査協力が不可欠であり、近年、サミット、国連を始めとした国際協議の場でも国際犯罪対策が重要なテーマとなっている。我が国警察も、国際社会における国際犯罪対策への取組みに積極的に参加し、その貢献に努めている。
(5) 高度情報化社会における犯罪
警察庁では、バーミンガム・サミットの「コミュニケ」を受け、また急増するハイテク犯罪に的確に対処するため、十年六月に「ハイテク犯罪対策重点推進プログラム」を策定、公表した。本プログラムでは、サイバーポリスの創設、不正アクセス対策法制の整備、産業界との連携強化、国際捜査協力のためのルールづくりの四つを重点施策と位置付けている。
また、政府の「ハッカー対策等の基盤整備に係る行動計画」の策定を受け、警察における情報セキュリティ政策を体系的かつ総合的に推進するために、十二年二月、「警察庁情報セキュリティ政策大系」を策定し、政府の行動計画に沿って、ハイテク犯罪対策、電子政府実現に向けたサイバーテロ対策及び産業界との連携強化を軸とした総合的な施策を推進することとしている。特に、サイバーテロ対策について、安全で信頼される電子政府の実現のため、監視・緊急対処体制の整備、高度な技術力を備えた人材の育成等の諸施策を推進することとしている。
(6) 深刻化する少年非行
犯罪を犯した少年に対しては、少年の更生に資するためにも厳正な捜査を行い、動機や背景も含めて確実に非行事実を解明するとともに、少年自身に自らの犯した犯罪の社会的意味や被害者の痛みを理解させていくことが重要である。
警察では、少年事件について、少年の特性に十分配意しつつ、保護者等と連絡を取りながら、非行の原因、背景、少年の性格、交友関係、保護者の監護能力等を慎重に検討し、再非行防止のための処遇に関する意見を付して、関係機関に送致、通告するなどの措置をとっている。
一方、最近の少年事件をみると、凶悪犯の集団化の進行にみられるように共犯事件が増加しているほか、計画的に犯行が行われたり、証拠隠滅を図るケースが目立っている。警察では、少年警察に携わる警察官の捜査技能の向上を図るとともに、複雑・困難な少年事件における事実の解明や警察署で取り扱う少年事件捜査の支援等に当たる少年事件特別捜査隊の設置等少年事件捜査力の強化に努めている。
また、少年が凶悪犯、粗暴犯、強制わいせつ等の被害を受けた場合、心身に極めて大きな打撃を受け、その後の非行や問題行動の原因となるケースもあることから、早期発見に努めるとともに、少年サポートセンター等を中心として継続的なカウンセリング等の諸施策を推進している。
(7) 女性に対する暴力
女性に対する暴力は、女性の基本的人権の享受を妨げ、自由を制約し、被害を受けた女性や社会に対して深刻な影響を及ぼしている。このため、警察では、性犯罪対策を推進しているほか、女性を犯罪等の被害から守るための各種施策を推進している。
5 国民の期待にこたえる刑事警察に向けて
(1) 国民の身近な犯罪への的確な対応
刑事警察は、直接被害者と接し、その捜査を行う最も被害者に身近な立場にあり、その期待にこたえるため、被害者からの相談、被害届、告訴・告発といった被害者からの声に真摯に耳を傾け、国民の身近な犯罪に的確に対応していかなくてはならない。
(2) 捜査力の充実強化
「捜査は人なり」とも言われ、優れた人材を登用し、捜査官の育成を図ることが、捜査力の充実強化を図る上で不可欠となっている。その他にも、刑事警察官の処遇改善、捜査基盤の整備、専門捜査力、科学捜査力の強化を図ることとしている。
(3) 被害者対策の推進
警察庁においては、平成八年二月に「被害者対策要綱」を策定し、被害者対策に組織的に取り組んでいる。また、十一年六月には、犯罪捜査において被害者対策の一層の推進を図るため、犯罪捜査規範を一部改正し、被害者等に対する配慮、被害者等に対する通知及び被害者等の保護等に関する規定が整備された。
(4) 国民の協力確保のための取組み
犯人検挙・事件解決のためには、犯罪捜査に対する国民の理解と協力が不可欠である。しかし、犯罪捜査に対する国民の意識は変化し、国民の理解と協力を得ることが困難となりつつある。
警察では、各種広報媒体を積極的に活用し、事件発生時の速やかな通報、聞き込み捜査に対する協力、事件に関する情報の提供等を広く国民に呼び掛けているほか、必要に応じ、公開捜査(注)を行っている。また、ホームページを設け、事件に関する情報提供を電子メールにより受け付けるなどしている。警察では、今後とも、犯罪捜査に対する国民の理解と協力を得るための取組みを強化していくこととしている。
(注) 公開捜査とは、被疑者の発見、検挙や、犯罪の再発防止を目的に、その氏名等を広く一般に公表し、積極的に国民の協力を求めるものであり、凶悪犯罪等の被疑者について、その追跡捜査の状況、再犯の可能性、捜査上の支障等を検討して実施される。
第2章 生活安全の確保と警察活動
平成十一年には、いわゆるストーカー事案の増加、少年非行の深刻化、一般市民が被害者となる発砲事件、大量の覚醒剤密輸事件、景気低迷下での多重債務者の弱みにつけ込む金融事犯、悪質な産業廃棄物事犯を始め、市民生活の安全と平穏を脅かす様々な問題が発生した。
警察では、これらの状況に的確に対応するため、相談体制の整備・充実、地域住民、企業、地方公共団体等との協働による地域安全活動の強化、地域の「生活安全センター」としての交番の基盤整備等に努め、地域住民に身近な犯罪,事故の予防活動、犯罪の検挙活動等を行うとともに、ストーカー行為による被害防止、少年の非行防止、けん銃等の摘発及び供給の遮断、薬物乱用の防止、良好な風俗環境の保持、正常な経済活動の確保のための諸対策等を強力に推進することとしている。
第3章 暴力団総合対策の推進
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下「暴力団対策法」という。)の施行を契機とした暴力団排除気運の高まりと取締りの一層の強化により、暴力団は、社会から孤立しつつある。しかしながら、企業対象暴力、金融・不良債権関連事犯を多数引き起こすなど、その資金獲得活動は、社会経済情勢の変化に対応して一層多様化・巧妙化しつつある。
また、暴力団は、けん銃を使用した凶悪な犯罪や薬物犯罪を多数引き起こすなど、市民社会にとって大きな脅威となっており、対立抗争事件も依然として多数発生している。平成十一年六月には山口組と國粹会の間で生じた対立抗争に対し、暴力団対策法施行後初めて事務所使用制限命令を発出した。
このような情勢の下、警察は、暴力団を解散、壊滅に追い込むため、暴力団犯罪の取締りの徹底、暴力団対策法の効果的な運用及び暴力団排除活動の推進を三本の柱とした暴力団総合対策を総力を挙げて、強力に推進している。
第4章 安全かつ快適な交通の確保
自動車は、現代社会に欠かすことのできない移動・輸送手段であり、そのもたらす恩恵は計り知れない。しかしその一方、交通事故によって毎年多くの尊い人命が失われ、負傷者も増加の一途をたどり、また、交通事故に伴う経済的損失もばくだいなものとなっている。平成十一年も、交通事故死者数は四年連続して減少したとはいえ、九千六人を数え、負傷者数は百五万三百九十七人と過去最悪を記録した昨年を上回るなど、依然として厳しい情勢にある。
警察は、交通の安全と円滑の確保のため、交通安全教育、免許行政、交通指導取締り、交通安全施設の整備等様々な施策を推進している。
第5章 公安の維持
平成十一年は、国外では、世界各地で宗教問題や民族問題等を背景としたテロが多発し、中央アジア等においてイスラム原理主義過激派がテロ活動を激化させ、国際テロの脅威が世界各地に拡散する傾向がうかがわれた。また、北朝鮮工作船による領海侵犯事案が発生するなど、北朝鮮の対日有害活動が目に見える脅威となって現れた。
国内では、オウム真理教が一連の関係事件に対する謝罪と被害者補償を表明し、教団名を「アレフ」と改称するなどしたが、教祖を連れ去る事件等を引き起こすなど、教団の反社会的な本質が変わっていないことが示され、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の適用に至った。
また、極左暴力集団は、成田空港建設問題に関するテロ、ゲリラ事件を引き起こす一方、反基地運動への介入を強めたほか、革マル派は非公然部門の再編、強化及び基幹産業に対する浸透を図っている。日本共産党は、統一地方選において、道府県議選における当選者が過去最多となった。右翼は、時局問題に敏感に反応して政府等に対する批判活動に活発に取り組んだ。
警察では、各種テロ対策を最重点に諸対策を推進し、公安の維持に努めている。
第6章 災害、事故と警察活動
平成十一年は、台風、大雨等による自然災害が発生したほか、茨城県下のウラン加工施設において、我が国初めての「臨界事故」が発生した。警察では、これら災害の発生に際して、直ちに体制を確立し、被害情報の収集、被災者の避難誘導や救出救助、交通規制に当たるとともに、被災地の警戒パトロールによる被害の未然防止に努めた。
第7章 国際化社会と警察活動
近年、ヒト、モノ、カネ及び情報が国境を越えて自由かつ迅速に移動することが一層可能になり、世界中の人々の活動に多くの利便をもたらしている。しかしながら、その反面、犯罪のグローバリゼーションともいうべき問題を生じさせ、なかでも国際組織犯罪の深刻化が進んでいる。
さらに、近年における我が国の厳しい経済情勢にもかかわらず、我が国と近隣諸国との賃金格差を背景として流入した多数の不法就労を目的とした外国人の定着化という問題がある。これらの者の中には、不法就労よりも効率的に利益を得る手段として犯罪に手を染め、地縁、血縁等によって我が国国内で犯罪グループを構成し、あるいは我が国の暴力団や外国に本拠を置く国際犯罪組織と連携をとるものが現れている。
このように量的にも質的にも悪化の一途をたどっている国際犯罪に対して、警察では、取締りはもとより、より根本的な解決を目指した総合的な対策に取り組んでいる。
第8章 公安委員会と警察活動のささえ
公安委員会制度は、警察の民主的管理と政治的中立性の確保を図るために設けられている。公安委員会は、事件、事故及び災害の発生状況とこれらに対する警察の取組み等について所要の報告を徴するとともに、委員会としての意思を決定し、これらは、警察の事務運営に反映されているところである。
警察では、警察職員の待遇の改善、警察装備の開発、情報通信システムの開発・導入、警察官の職務に協力援助した者等に対する救済、各シンクタンクにおける調査研究活動等に取り組み、警察活動のささえとなる諸活動の充実強化に努めている。
警察は、被害者と密接な関係を有しており、被害者を保護する役割を担う機関として、被害者への情報提供、相談・カウンセリング体制の整備、捜査過程における被害者の負担の軽減、被害者の安全確保等、被害者の視点に立った各種施策の推進に努めている。
ぼろ
「ぼろを着ても心は錦(にしき)」といえば、ひどい服装でも、心の中は美しく立派なこと。
外見よりも内面の重要さを強調することわざとして使われます。
廃品になった衣服や布地を指す「ぼろ」は、ものがひどく破れている状態を示す擬態語「ぼろぼろ」から生まれました。
転じて「ぼろが出る」「ぼろを隠す」というように、欠陥や失敗の意味にもなっています。
東京の世田谷区、練馬区など、各地で歳末に開かれる「ぼろ市」は、古着・古物市の俗称。毎年十二月と一月に行われる世田谷のぼろ市は、四百年以上昔の天正年間(一五七三〜九一)に始まったといわれ、都史跡の世田谷代官屋敷付近を中心にした路上約一キロにわたって、多くの露店が並び、人出でにぎわいます。
江戸時代に江戸市中で集めたぼろを、野良着の補修布として売ったところから、この名が付きました。
現在では「ぼろ」とはいえない古着や古道具のほか、植木や食べものなども売られています。
(『広報通信』平成十二年十二月号)
〔就業者〕
(1) 雇用形態別の構成
役員を除く雇用者は五千八万人で、前年比五十三万人の増加となっている。これを雇用形態別にみると、正規の職員・従業員は三千六百九十五万人、パート・アルバイトは一千百三十一万人で、前年に比べそれぞれ七万人の増加、六十二万人の増加となっている。また、労働者派遣事業所の派遣社員は三十八万人で、前年に比べ十万人の増加となっている。
(2) 転職者
転職者(就業者のうち過去一年間に離職を経験した者)数は三百二十一万人で、前年に比べ二十八万人の増加となっている。転職に伴う収入の増減状況を年齢階級別にみると、男性は年齢が高くなるほど収入減の割合が高く、女性は十五〜二十四歳及び三十五〜四十四歳で収入増の割合が高く、その他の年齢階級では収入減の割合が高くなっている。
〔完全失業者〕
(1) 失業期間
完全失業者数は三百十万人で、前年に比べ十万人の減少となっている。
失業期間が「一年以上」の完全失業者数は八十万人で、前年に比べ九万人の増加となっている。完全失業者に占める割合は二五・八%で、前年に比べ三・六ポイントの上昇となっている。
(2) 仕事につけない理由
完全失業者(三百十万人)について、年齢階級別に仕事につけない理由の割合をみると、「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」が、三十五歳以上の年齢階級では最も高い割合となっている。
〔非労働力人口〕
非労働力人口は四千二十六万人で、前年に比べ八十八万人の増加となっている。このうち就業希望者は九百四十二万人で前年に比べ十万人の減少となっている。就業希望者のうち仕事を探していない理由が「適当な仕事がありそうにない」とする者は四百十二万人で、このうち仕事があれば「すぐつける者」は百二十九万人となっている。
ボランティアコーディネーター
「ボランティア活動に参加したい」人と、「ボランティアを必要としている」人双方に、希望に合った活動を紹介したり、相談や助言、情報提供を行う専門職です。
このほか、ボランティア団体の支援、ボランティア活動プログラムの企画・運営、ボランティアを対象とした講座の企画・実施等を行っています。
社会福祉協議会等に設置されているボランティアセンターを中心に、施設・企業・学校などのボランティア活動推進団体・機関で業務を行っており、全国の社会福祉協議会には約三千人のボランティアコーディネーターが配置されています。
ボランティアコーディネーターの養成は、厚生省の補助事業として都道府県・指定都市社会福祉協議会において行われ、百時間以上のプログラムが初任者研修として推進されています。
今後ボランティアコーディネーターの役割は大きく変化し、高度化されるものと期待されています。
(『広報通信』平成十二年十二月号)
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消費者物価指数の動向
◇十月の東京都区部消費者物価指数の動向
一 概 況
(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇〇・八となり、前月比は〇・二%の上昇。前年同月比は七月〇・九%の下落、八月一・三%の下落、九月一・四%の下落と推移した後、十月は一・二%の下落となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇〇・九となり、前月比は〇・一%の下落。前年同月比は七月〇・七%の下落、八月〇・八%の下落、九月一・〇%の下落と推移した後、十月は一・〇%の下落となった。
二 前月からの動き
(1) 食料は一〇〇・一となり、前月に比べ〇・五%の上昇。
生鮮魚介は三・一%の下落。
<値上がり> かつお、いわしなど
<値下がり> ぶり、あじなど
生鮮野菜は二・九%の上昇。
<値上がり> トマト、ピーマンなど
<値下がり> ほうれんそう、きゅうりなど
生鮮果物は一六・〇%の上昇。
<値上がり> バナナ、キウイフルーツなど
<値下がり> みかん、なしなど
(2) 光熱・水道は一〇一・一となり、前月に比べ一・三%の下落。
電気・ガス代が一・九%の下落。
<値下がり> 電気代
(3) 家具・家事用品は八九・九となり、前月に比べ〇・二%の下落。
室内装備品が一・二%の下落。
<値下がり> カーペットなど
(4) 交通・通信は九九・一となり、前月に比べ〇・二%の下落。
通信が一・九%の下落。
<値下がり> 通話料など
(5) 教養娯楽は九九・〇となり、前月に比べ〇・八%の上昇。
教養娯楽サービスが一・六%の上昇。
<値上がり> ゴルフプレー料金など
三 前年同月との比較
○上昇した主な項目
特になし
○下落した主な項目
家賃(一・四%下落)、生鮮野菜(六・三%下落)、外食(一・八%下落)、教養娯楽サービス(一・八%下落)
(注) 上昇又は下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。
四 季節調整済指数
季節調整済指数をみると、総合指数は一〇〇・三となり、前月に比べ〇・一%の下落となった。
また、生鮮食品を除く総合指数は一〇〇・七となり、前月と変わらなかった。
◇九月の全国消費者物価指数の動向
一 概 況
(1) 総合指数は平成七年を一〇〇として一〇一・六となり、前月比は〇・三%の上昇。前年同月比は六月〇・七%の下落、七月〇・五%の下落、八月〇・八%の下落と推移した後、九月は〇・八%の下落となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は一〇一・八となり、前月比は〇・二%の上昇。前年同月比は六月から八月までそれぞれ〇・三%の下落で推移した後、九月は〇・五%の下落となった。
二 前月からの動き
(1) 食料は一〇〇・七となり、前月に比べ〇・三%の上昇。
生鮮魚介は〇・一%の上昇。
<値上がり> いわし、いかなど
<値下がり> さんま、さけなど
生鮮野菜は七・三%の上昇。
<値上がり> きゅうり、トマトなど
<値下がり> れんこん、さといもなど
生鮮果物は二・九%の下落。
<値上がり> バナナ
<値下がり> なし、ぶどう(「巨峰」)など
(2) 家具・家事用品は九一・〇となり、前月に比べ〇・二%の下落。
家庭用耐久財が〇・五%の下落。
<値下がり> 電気冷蔵庫など
(3) 被服及び履物は一〇四・七となり、前月に比べ四・六%の上昇。
衣料が四・九%の上昇。
<値上がり> 背広服(冬物)など
(4) 交通・通信は九七・七となり、前月に比べ〇・四%の下落。
交通が一・四%の下落。
<値下がり> 航空運賃など
三 前年同月との比較
○上昇した主な項目
電気代(三・二%上昇)、自動車等関係費(一・二%上昇)、家賃(〇・四%上昇)
○下落した主な項目
生鮮野菜(一一・〇%下落)、生鮮果物(一一・五%下落)、衣料(三・三%下落)、外食(一・四%下落)
(注) 上昇又は下落している主な項目は、総合指数の上昇率に対する影響度(寄与度)の大きいものから順に配列した。
四 季節調整済指数
季節調整済指数をみると、総合指数は一〇一・四となり、前月に比べ〇・一%の下落となった。
また、生鮮食品を除く総合指数は一〇一・六となり、前月に比べ〇・三%の下落となった。
簡易裁判所は、全国に四百三十八か所設置されています。民事事件を扱う裁判所としては、みなさんにとって最も身近な裁判所であり、民事訴訟、少額訴訟、民事調停、支払督促などの事件を取り扱っています。
例えば、交通事故に遭った相手が修理代を払ってくれない場合や、引っ越しをしたのに大家が敷金を返してくれない場合など、日々の暮らしのなかで起こるであろうさまざまなトラブルが実際に発生したとき、どのように解決していくことができるのか分からない―このようなときに簡易裁判所を利用してみてはいかがですか?
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全国の簡易裁判所の内、次の二十か所で、音声とFAXによる「民事手続案内サービス」を行っています。番号は、いずれも電話・FAX共通です。
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018―824―3366
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●浦和簡易裁判所
048―863―0712
●東京簡易裁判所
03―5251―1611
●千葉簡易裁判所
043―225―6031
●横浜簡易裁判所
045―664―0212
●新潟簡易裁判所
025―222―3855
●金沢簡易裁判所
076―262―9922
●名古屋簡易裁判所
052―223―5331
●京都簡易裁判所
075―211―4650
●大阪簡易裁判所
06―6363―1501
●神戸簡易裁判所
078―341―7754
●広島簡易裁判所
082―228―6712
●山口簡易裁判所
083―923―6818
●高松簡易裁判所
087―851―1580
●松山簡易裁判所
089―941―0520
●福岡簡易裁判所
092―762―5283
●熊本簡易裁判所
096―354―0401
●那覇簡易裁判所
098―855―1212
利用方法は次のとおりです。
@電話機またはFAXから、以上の電話番号に電話してください。
A利用方法についての案内が流れますので、それに従って順次番号をダイヤルするか、プッシュしてください。案内は何段階かに分かれて、最後に必要な情報を取り出せます。
BFAXを利用するときは、案内項目のコード表を取り出して使うと便利です。
[主な案内の例]
◇どこの裁判所に訴訟を起こせばよいか
◇訴状の書き方
◇訴訟の手数料と裁判所に納める郵便切手の額
◇訴訟の相手方になった場合どうしたらよいか
◇どうしても期日に裁判所に行けないときはどうしたらよいか
◇少額訴訟手続について
◇調停申立書の書き方
◇支払督促が送られてきたらどうしたらよいか
(最高裁判所)
未然に防ごう
年末年始の子どもの非行
クリスマスやお正月などのイベントでにぎわう年末年始、冬休みの解放感もあって、子どもたちの気も緩みがちになります。そうしたことから、子どもが飲酒や夜遊びなどの不良行為や非行に陥りやすくなる時期でもあります。また、最近は子どもが凶悪犯罪などの被害者となるケースが増加しており、年末年始はそうした心配も特に多くなります。子どもたちを非行や犯罪被害の危険から守るためには、家庭や警察の取り組みはもちろん、地域の人たちの協力が不可欠です。
警察とボランティアが
協力して街頭補導活動を強化しています
子どもの非行や犯罪被害の増加が心配される年末年始、警察では少年警察ボランティア(少年補導員、少年警察協助員、少年指導委員など)と協力して、盛り場や公園など、非行の行われやすい場所での街頭補導活動を強化しています。
また、飲酒や喫煙などの不良行為をしている少年を発見したときは、少年自身やその家族に対する助言、指導などを行い、非行の未然防止に努めています。
非行の前兆に気づいたら
少年サポートセンターに相談してください
自分の子どもをよく見ていますか。子どもが非行に走る前には、飲酒や喫煙、夜遊び、性格の変化など、行動や情緒面に前兆として現れる場合があります。こうした前兆に気づいたら、家族だけで抱え込まずに、ぜひ、警察の「少年サポートセンター」に相談してください。
少年サポートセンターでは、専門的な立場から、家族や少年自身に対して指導や助言を行うなど、少年非行を未然に防ぐための支援活動を行っています。
また、犯罪の被害や虐待を受け、心身にダメージを受けた子どもに対する支援も行っています。
少年サポートセンターは全国の警察に設置されています。
無関心を装わないで
勇気をもってひとこと注意を
都市化や個人主義化によって、子どもの非行に対する地域の抑止能力がなくなってきているといわれています。たばこを吸ったり、遅くまで遊んでいたりする子どもを見かけても、「よそのうちの子どもだから」「かかわりたくないから」と見て見ぬふりをする。そうした無関心な態度によって、子どもの不良行動を認めてしまってはいないでしょうか。
子どもの非行を防ぐためには、周囲の大人たちの子どもを見つめる視線が大事です。そして、子どもたちに一言、声をかけ、「きみたちを見ているよ」とアピールすることが大切です。
最近は、地域の大人が何人かの集団で夜回りをし、遅くまで遊んでいる子どもたちに一言声をかけるなど、自主的な取り組みをしている地域も出てきています。
わたしたち一人一人も、子どもたちの気になる行動を見かけたら、無関心を装わず、勇気をもって、その子どもに一言、声をかけて注意したいものです。
(『広報通信』平成十二年十二月号)
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