広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式参列
平成22年8月6日、菅総理は広島市中区の平和記念公園で開催された広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式に参列しました。
65回目の「原爆の日」に行われたこの式典には、被爆者や遺族ら約5万5千人が参列し、これまでで最多の74カ国の代表らが出席しました。また、国際連合の潘基文事務総長が、歴代事務総長で初めて出席、米国のジョン・ルース駐日大使、英仏両国の代表らも初めて出席し、犠牲者の冥福と世界の平和を祈りました。
広島市の秋葉忠利市長と遺族代表が、今年1年間に新たに死亡が確認された原爆死没者名簿を慰霊碑に奉納し、遺族、被爆者の代表や菅総理らが献花した後、原爆が投下された午前8時15分、「平和の鐘」が鳴らされ、参列者全員が1分間の黙とうを捧げました。
秋葉市長は「平和宣言」の中で、「こがあな いびせえ(恐ろしい)こたあ、ほかの誰にも あっちゃあいけん」と決意を新たにし、「核兵器廃絶の緊急性は世界に浸透し始めており、大多数の世界市民の声が国際社会を動かす最大の力になりつつあります。こうした絶好の機会を捉え、核兵器のない世界を実現するために必要なのは、被爆者の本願をそのまま世界に伝え、被爆者の魂と世界との距離を縮めることです。」と述べ、核兵器廃絶の実現を訴えました。
そして、こども代表の高松樹南(みきな)さんと横林和宏君による「平和への誓い」の後、菅総理はあいさつで哀悼の意を表するとともに、「核兵器の惨禍を、人類は二度と繰り返してはなりません。唯一の戦争被爆国である我が国は、「核兵器のない世界」の実現に向けて先頭に立って行動する道義的責任を有していると確信します。私は、様々な機会をとらえ、核兵器保有国を始めとする各国首脳に、核軍縮・不拡散の重要性を訴えてまいります。
また、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け、日本国憲法を遵守し、非核三原則を堅持することを誓います。」と述べ、また、「被爆により苦しんでおられる方々に、これまで保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護策を講じてまいりました。原爆症の認定を待っておられる方々に関しては、一日でも早く認定すべく最善を尽くしたいと思います。」とも述べました。
式典後、菅総理は平和記念資料館を視察しました。そして、長妻昭厚生労働大臣とともに、「被爆者代表から要望を聞く会」に出席、被爆者7団体の代表者らと話合いを行い、続いて記者会見に臨みました。
その後、同市内の原爆養護ホーム「矢野おりづる園」を慰問しました。