3. | 最終的な民営化時点における各事業会社等のあり方
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| 最終的な民営化時点における各事業会社等のあり方は、以下の通り。なお、分社化に必要となる枠組み等については、郵政民営化法案(後述)に盛り込む。
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| (1) | 窓口ネットワーク会社 |
| (ア) | 業務の内容 |
| ・ | 適切な受託料の設定及び新規サービスの提供により、地域の発展に貢献しつつ、収益力の確保を図る。 |
| ・ | そのため、郵便、郵便貯金、郵便保険の各事業会社から窓口業務を受託する。また、例えば、地方公共団体の特定事務、年金・恩給・公共料金の受払などの公共的業務、福祉的サービスなど地方自治体との協力等の業務を受託する。 |
| ・ | 民間金融機関からの業務受託の他、小売サービス、旅行代理店サービス、チケットオフィスサービスの提供、介護サービスやケアプランナーの仲介サービス等地域と密着した幅広い事業分野への進出を可能にする。 |
| (イ) | 窓口の配置等 |
| ・ | 窓口の配置についての法律上の取り扱いは、住民のアクセスが確保されるように配置するとの趣旨の努力義務規定とし、具体的な設置基準のあり方等は制度設計の中で明確化する。 |
| ・ | 代替的なサービスの利用可能性を考慮し、過疎地の拠点維持に配慮する一方、人口稠密地域における配置を見直す。 |
| ・ | 窓口事業の範囲は、原則として郵便局における郵便集配業務を除く郵便、郵便貯金、郵便保険に係る対顧客業務及び上記(ア)の業務とする。 |
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| (2) | 郵便事業会社 |
| (ア) | 業務の内容 |
| ・ | 従来の郵便事業(窓口業務は窓口ネットワーク会社に委託)に加え、広く国内外の物流事業への進出を可能にする。高齢者への在宅福祉サービス支援、情報提供サービス等地域社会への貢献サービスは、適切な受託料を得て、引き続き受託する。 |
| (イ) | サービスの提供範囲 |
| ・ | 引き続き郵便のユニバーサルサービスの提供義務を課す。 |
| ・ | ユニバーサルサービスの維持のために必要な場合には、優遇措置を設ける。 |
| ・ | 信書事業への参入規制については、当面は現行水準を維持し、その料金決定には公的な関与を続ける。 |
| ・ | 特別送達等の公共性の高いサービスについても提供義務を課す。このために必要な制度面での措置は、今後の詳細な制度設計の中で検討する。 |
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| (3) | 郵便貯金会社 |
| (ア) | 業務の内容 |
| ・ | 民間金融機関と同様に、銀行法等の一般に適用される金融関係法令に基づき業務を行う(窓口業務や集金業務は窓口ネットワーク会社に委託)。 |
| (イ) | 新旧契約の分離 |
| ・ | 民間企業と同様に納税義務を負うとともに、新規契約分から郵便貯金の政府保証を廃止し、預金保険機構に加入する。 |
| ・ | 公社勘定は公社承継法人が保有し、その管理・運用を郵便貯金会社が受託する。運用に当たっては、安全性を重視する。 |
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| (4) | 郵便保険会社 |
| (ア) | 業務の内容 |
| ・ | 民間生命保険会社と同様に、保険業法等の一般に適用される金融関係法令に基づき業務を行う(窓口業務や集金業務は窓口ネットワーク会社に委託)。 |
| (イ) | 新旧契約の分離 |
| ・ | 民間企業と同様に納税義務を負うとともに、新規契約分から郵便保険の政府保証を廃止し、生命保険契約者保護機構に加入する。 |
| ・ | 公社勘定は公社承継法人が保有し、その管理・運用を郵便保険会社が受託する。運用に当たっては、安全性を重視する。 |
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| (5) | 公社承継法人 |
| (ア) | 業務の内容 |
| ・ | 郵貯・簡保の既契約を引継ぎ、既契約を履行する。 |
| ・ | 郵貯・簡保の既契約に係る資産の運用は、それぞれ郵便貯金会社及び郵便保険会社に行わせる。 |
| (イ) | 公社勘定の運用 |
| ・ | 公社勘定に関する実際の業務は郵便貯金会社及び郵便保険会社に委託し、それぞれ新契約分と一括して運用する。 |
| ・ | 公社勘定の運用に際しては、安全性を重視する。 |
| ・ | 公社勘定については、政府保証、その他の特典を維持する。 |
| ・ | 公社勘定から生じた損益は、新会社に帰属させる。 |
4. | 移行期・準備期のあり方 |
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| (1) | 移行期のあり方 |
| 民営化の後、最終的な民営化を実現するまでの間を、移行期と位置付ける。移行期のあり方は、以下の通り。 |
| (ア) | 移行期における組織形態 |
| ・ | 国は、日本郵政公社を廃止し、4事業会社と国が全額株式を保有する純粋持株会社を設立する。設立時期は2007年4月とする。情報システムの観点からそれが可能かどうかについては、専門家による検討の場を郵政民営化準備室に設置し、年内に結論を得る。窓口ネットワーク会社及び郵便事業会社の株式については、持株会社が全額保有するが、郵便貯金会社、郵便保険会社については、移行期間中に株式を売却し、民有民営を実現する。その際には、新会社全体の経営状況及び世界の金融情勢等の動向のレビューも行う。また、国は、移行期間中に持株会社の株式の売却を開始するが、発行済み株式総数の3分の1を超える株式は保有する。 |
| ・ | 公社承継法人を設立する。公社承継法人は、郵便貯金、簡易保険の旧契約を引継ぎ履行することを業務とする。旧契約の管理・運用は郵便貯金会社と郵便保険会社に行わせる。 |
| (イ) | 経営の自由度 |
| ・ | 窓口ネットワーク事業においては、試行期間を設けつつ、民間金融商品等の取り扱いを段階的に拡大し、地域の「ファミリーバンク」、「ワンストップ・コンビニエンス・オフィス」として地域密着型のサービスを提供する。 |
| ・ | 郵便事業会社においては、国際的な物流市場をはじめとする新分野への進出を図る。 |
| (ウ) | 郵便貯金及び郵便保険事業の経営 |
| ・ | 郵便貯金及び郵便保険事業は、当面、限度額を現行水準(1千万円)に維持する。その際、貯金及び保険は、預金者、被保険者ごとに新契約と旧契約とを合算して管理する。その上で、経営資源の強化等、最終的な民営化に向けた準備を進める。 |
| ・ | 民間金融機関への影響、追加的な国民負担の回避、国債市場への影響を考慮した適切な資産運用を行うが、民有民営化の進展に対応し、厳密なALM(資産負債総合管理)の下で貸付等も段階的に拡大できるようにする。 |
| ・ | 大量の国債を保有していることを踏まえ、市場関係者の予測可能性を高めるため、適切な配慮を行う。 |
| (エ) | イコールフッティングの確保 |
| ・ | 新会社は、移行期当初から民間企業と同様の法的枠組みに定められた業務を行い、政府保証の廃止、納税義務、預金保険機構ないし生命保険契約者保護機構への加入等の義務を負う。 |
| (オ) | 移行期の終了 |
| ・ | 移行期は遅くとも2017年3月末までに終了する。 |
| ・ | 郵便貯金会社及び郵便保険会社は、遅くとも上記の期限までに最終的な枠組みに移行するものとする。そのため、移行期における両社のあり方については、銀行法、保険業法等の特例法を時限立法で制定し、対応することとする。 |
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| (2) | 準備期のあり方 |
| 2007年4月の民営化までの時期は、準備期と位置付け、民営化に向けた準備を迅速に進める。 |
| (ア) | 経営委員会(仮称)を設置し、民営化後の経営や財務のあり方について検討する。 |
| (イ) | 円滑な分社化を図る観点から現在の勘定区分を見直し、郵便事業の超過債務を解消した上で、4機能別の勘定区分を行う。また、各機能が市場で自立するのに必要な自己資本の充実策については、詳細な制度設計を踏まえて検討する。 |
| (ウ) | 新旧契約の分離の準備を行う。 |
| (エ) | 国際物流事業への進出を可能とする。 |
| (オ) | 投信窓販の提供を可能とする。 |
| (カ) | その他の新規事業分野への進出を準備する。 |
| (キ) | 関連施設等 |
| ・ | 郵便貯金関連施設事業、簡易保険加入者福祉施設事業に係る施設、その他の関連施設については、分社化後のあり方を検討する。 |