保育対策関係予算(平成28年度予算等)

(最終更新日:平成28年10月25日)

保育対策関係予算(平成28年度予算等)

 保育対策関係予算として、平成27年度補正予算においては1,318億円を、平成28年度予算においては9,294億円を計上しています。
 新たに企業主導型の保育事業や小規模保育事業所の整備に要する費用の一部を補助する事業を創設し、保育所等の整備を図るとともに、保育所におけるICT化の推進、保育士資格取得支援、再就職支援等により、保育人材確保対策を強力に支援します。
 保育士の給与については、平成27年人事院勧告に伴う国家公務員の給与改定の内容に準じた1.9%相当の保育士等の処遇改善を行います。
 そのほか、年収360万円未満相当の世帯について、第2子以降の保育料を半額、第3子以降の保育料を無償化し、年収360万円未満相当のひとり親世帯等については、第1子の保育料を半額、第2子の保育料を無償化します。

 ※以下の各項目の金額(○○百万円)は注記が無い限り平成28年度予算額

1 待機児童解消等の推進に向けた取組

 女性の就業率上昇が更に進むことを念頭に、待機児童解消を確実なものとするため、平成29年度末までの保育拡大量を40万人から50万人に拡大し、新たに小規模保育事業所の整備に要する費用の一部を補助する事業を創設するとともに、「待機児童解消加速化プラン」に基づく保育所の整備などによる受入児童数の拡大を図る。

1.保育所等の整備支援  53,421百万円別ウィンドウでPDFを開く

 市町村が策定する整備計画等に基づき、保育所、認定こども園及び小規模保育事業所に係る施設整備事業の実施に要する経費に充てるため、市町村に交付金を交付する。また、待機児童解消加速化プランに基づき、意欲のある自治体の取組を強力に支援するため、補助率を嵩上げ(1/2→2/3)して、保育所等の整備を推進する。
 また、新たに小規模保育事業所の整備に要する費用の一部を補助するとともに、防音対策を必要とする保育所等の防音壁設置に係る費用の一部を補助することにより、施設整備への早期着手や更なる保育所等の設置促進を図る。

【参考:平成27年度補正予算】
(待機児童解消を確実なものとするための保育所の整備等)
○ 保育所等の整備支援  38,313百万円
○ 防音対策のための補助  919百万円

2.小規模保育等改修費支援等  17,440百万円別ウィンドウでPDFを開く

 賃貸物件等の既存建物を改修することにより、保育所又は小規模保育事業所等の設置に要する経費について、待機児童解消加速化プランに基づき、意欲のある自治体の取組を強力に支援するため、補助率を嵩上げ(1/2→2/3)して、保育所等の設置促進を図る。

【参考:平成27年度補正予算】
○ 保育所等の改修支援  11,835百万円

2 保育の量拡大を支える保育士の確保

 保育士確保のための保育士資格取得支援や再就職支援等のほか、保育補助者の雇上げの更なる支援や若手保育士の離職防止のための巡回支援、人材交流等によるキャリアアップ体制の整備や学生の実習支援など、保育人材確保対策を強力に支援する。

1.保育の量拡大を支える保育士の確保  20,578百万円別ウィンドウでPDFを開く

① 保育士確保対策
② 保育士資格取得と継続雇用の支援
③ 保育士の質の向上と保育人材確保ための研修

【参考:平成27年度補正予算】
○ 保育所等におけるICT化の推進  14,807百万円
○ 保育士修学資金貸付等事業による保育士確保策の強化  56,598百万円

3 事業所内保育など企業主導の保育所の整備・運営等の推進

 待機児童解消加速化プランに基づき、新たに事業所内保育等の企業主導型の多様な保育サービスの拡大を支援する仕組みを創設する。

拠出金率の上限を0.25%に引上げ(現行に+0.1%)、法定する。拠出金率の引上げは段階的に実施することとし、平成28年度は0.20%(+0.05%)とする。


1.企業主導型保育事業運営費助成金  30,870百万円別ウィンドウでPDFを開く

 設置・運営に市区町村の関与を必要とせず、複数企業による共同利用を可能とするなど柔軟な実施を可能とした事業所内保育の設置を促進し、企業主導型の多様な保育サービスの拡大を支援する。

2.企業主導型保育事業整備費助成金  48,783百万円別ウィンドウでPDFを開く

 事業所内保育等の企業主導型の多様な保育サービスの拡大を支援する仕組みを創設し、平成29年度末までに約5万人程度の受け皿整備に伴う整備費、改修費の一部を支援する。

3.企業主導型ベビーシッター利用者支援事業  381百万円別ウィンドウでPDFを開く

 多様な働き方をしている労働者を念頭に、子育てしやすい環境づくりのため、様々な時間帯に働いている家庭のベビーシッター派遣サービスの利用を促し、仕事と子育ての両立支援による離職の防止、就労の継続、女性の活躍等を推進する。

4 子ども・子育て支援新制度の実施(一部社会保障の充実)

1.子どものための教育・保育給付  642,818百万円別ウィンドウでPDFを開く

① 施設型給付
② 地域型保育給付

※ 平成28年度予算における充実等

  • 賃借料加算の充実
  • 保育士等の待遇改善
  • チーム保育推進加算の創設
  • 多子世帯・ひとり親世帯等への保育料軽減の強化(幼児教育の段階的無償化等)

2.地域子ども・子育て支援事業(保育関係)  134,651百万円

 市町村が地域の実情に応じて実施する以下の事業に要する費用について財政支援を行う。
① 利用者支援事業
② 延長保育事業
③ 病児保育事業
④ 一時預かり事業
⑤ その他(多様な主体の参入促進事業、実費徴収に伴う補足給付を行う事業)

3.認可を目指す認可外保育施設への支援等  7,200百万円

 認可保育所等への移行を希望する認可外保育施設や認定こども園への移行を希望して長時間の預かり保育を行う幼稚園に対し、特定教育・保育施設への移行を前提として運営に要する費用について財政支援を行う。
① 認可化移行運営費支援事業
② 幼稚園長時間預かり保育事業

5 認可外保育施設への支援

 認可保育所等への移行を希望する認可外保育施設や認定こども園への移行を希望して長時間の預かり保育を行う幼稚園に対し、特定教育・保育施設への移行を前提として運営に要する費用及び設備運営基準を満たすために必要な改修費等の一部を補助することのほか、以下の事業により財政支援を行う。

1.認可を目指す認可外保育施設への支援  1,034百万円

 認可外保育施設が保育所または認定こども園へ移行するために障害となっている事由を診断し、移行するための計画書の作成に要する費用等について財政支援を行う。

2.認可外保育施設の衛生・安全対策  19百万円

 認可外保育施設に従事する職員に対する健康診断に必要な経費を一部助成することにより、利用児童の衛生及び安全を確保する。

3.事業所内保育施設への支援  4,061百万円

 事業所内保育施設の設置促進のため、設置・運営に係る経費を助成する。

6 その他の保育の推進

1.民有地マッチング事業  26百万円
2.広域的保育所等利用事業  210百万円
3.保育環境改善事業  75百万円
4.家庭支援推進保育事業  789百万円
5.事故情報の集約等  4百万円
6.子どもの預かりサービスに係る安全確保業務  8百万円
7.子育て支援員研修  654百万円
8.子ども・子育て支援の充実のための研修・調査研究事業の推進  301百万円
9.ECEC Network事業への参画  27百万円

 また、保育対策関係予算として、平成28年10月11日に成立した平成28年度第二次補正予算においては、544億円を計上しています。
 保育の受け皿拡大の加速化(平成29年度分の前倒し)を図るため、市町村が実施する保育園等の整備に要する費用について、補助を行うほか、保育園等の防犯対策を強化するため、非常通報装置・防犯カメラ設置や外構等の設置・修繕など必要な安全対策に要する費用について、補助を行います。
 保育士の確保が特に困難な地域における潜在保育士の再就職支援のための就職準備金の倍増、未就学児のいる保育士の割合が多い保育園等における保育補助者雇上げの更なる支援、保育園等に勤務する保育士へのファミリー・サポート・センターの利用料など、潜在保育士の再就職支援や保育士の業務負担軽減等による就業継続支援を図ります。
 認可外保育施設については、毎年、認可の施設・事業に比べ死亡事故の報告件数が多いこと、また、施設の防犯対策を強化する観点から、認可保育園等への移行を目指す認可外保育施設に対し、事故防止や事故後の検証及び防犯対策の強化のためのカメラの設置等、認可外保育施設での事故予防・防犯対策に必要な費用を支援します。

関連リンク