アスベスト(石綿)についてのQ&A



平成17年7月29日
【目次】
(1)石綿(アスベスト)とは?
(2)石綿が原因で発症する病気は?
(3)どの程度の量のアスベストを吸い込んだら発病するのか?
(4)以前アスベストを吸い込んでいた可能性がある場合どこに検査にいけばよいのか?
(5)アスベストを吸い込んだかどうかはどのような検査でわかるのか?
(6)吸い込んだアスベストは除去できるか?
(7)アスベストが原因で発症する疾患に特有の症状はあるか?
(8)中皮腫や肺がんの発症を予防するにはどうすればよいか?
(9)私の家族が中皮腫で死亡した。職場でアスベストを取り扱っていたとは思えない。アスベストとの関係はあるのか?
(10)現在、工場の周りに住んでいますが大丈夫か?
(11)昔、石綿工場の近くに住んでいたことがあるが大丈夫か?
(12)主人が石綿工場で働いていたのですが、家族の健診はどうすればよいか?
(13)わが家はアスベストの危険性があるか。
(14)わが家では、見えるところには吹き付けアスベストが使用されていないのだが、見えないところは大丈夫か。
(15)建築物(事務所、店舗、倉庫等)はアスベストの危険性があるか。
(16)建築物(事務所、店舗、倉庫等)に吹き付けアスベストが使用されている場合においては、どうしたらよいか。
(17)学校におけるアスベスト対策について教えて下さい。
(18)当社では石綿を取り扱う作業を行っているのですが、どのような措置を講じればよいでしょうか。
(19)石綿を扱う作業に従事していたことがあり心配です。どこへ相談したらよいでしょうか。
(20)石綿を扱う作業に従事していた場合は、無料で定期的に健康診断を受けることができる健康管理手帳制度があると聞きました。どこで手続きをすればよいのですか。
(21)医師に中皮腫と診断され、労災が適用されるといわれました。どのような手続きを行えばよいのですか。
(22)医師に中皮腫と診断されましたが、どこで石綿を扱ったかわかりません。この場合でも、労災認定を受けられるのでしょうか。
(23)既に退職していますが、在職中は石綿を取り扱う作業に従事していました。中皮腫や肺がんを発症した場合、退職後でも労災認定は受けられるのでしょうか。

(1)石綿(アスベスト)とは?
 石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。
 その繊維が極めて細いため、研磨機、切断機などの施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が吸入してしまうおそれがあります。以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止されました。
 その後も、スレート材、ブレーキライニングやブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材などで使用されましたが、現在では、原則として製造等が禁止されています。
 石綿は、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで予防や飛散防止等が図られています。

(2)石綿が原因で発症する病気は?
 石綿(アスベスト)の繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています(WHO報告)。石綿による健康被害は、石綿を扱ってから長い年月を経て出てきます。例えば、中皮腫は平均35年前後という長い潜伏期間の後発病することが多いとされています。仕事を通して石綿を扱っている方、あるいは扱っていた方は、その作業方法にもよりますが、石綿を扱う機会が多いことになりますので、定期的に健康診断を受けることをお勧めします。現に仕事で扱っている方(労働者)の健康診断は、事業主にその実施義務があります。(労働安全衛生法)
 石綿を吸うことにより発生する疾病としては主に次のものがあります。労働基準監督署の認定を受け、業務上疾病とされると、労災保険で治療できます。

(1)石綿(アスベスト)肺
 肺が線維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つです。肺の線維化を起こすものとしては石綿のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられますが、石綿のばく露によっておきた肺線維症を特に石綿肺とよんで区別しています。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれており、潜伏期間は15〜20年といわれております。アスベスト曝露をやめたあとでも進行することもあります。

(2)肺がん
 石綿が肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。また、喫煙と深い関係にあることも知られています。アスベストばく露から肺がん発症までに15〜40年の潜伏期間があり、ばく露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。

(3)悪性中皮腫
 肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。若い時期にアスベストを吸い込んだ方のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20〜50年といわれています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。

(3)どの程度の量のアスベストを吸い込んだら発病するのか?
 アスベストを吸い込んだ量と中皮腫や肺がんなどの発病との間には相関関係が認められていますが、短期間の低濃度ばく露における発がんの危険性については不明な点が多いとされています。現時点では、どれくらい以上のアスベストを吸えば、中皮腫になるかということは明らかではありません。

(4)以前アスベストを吸い込んでいた可能性がある場合どこに検査にいけばよいのか?
 アスベストを吸い込んだ可能性のある方で呼吸困難、咳、胸痛などの症状がある方、その他特にご心配な方は近隣の労災病院等の専門医療機関にご相談ください。

(5)アスベストを吸い込んだかどうかはどのような検査でわかるのか?
 胸部X線写真でアスベストを吸い込んでいた可能性を示唆する所見が見られる場合もありますが、アスベストを吸い込んだ方全てに胸部X線写真の所見があるとは限りません。ご心配な方は近隣の労災病院等の専門医療機関にご相談ください。

(6)吸い込んだアスベストは除去できるか?
 一旦吸い込んだアスベストの一部は異物として痰のなかに混ざり、体外に排出されますが、大量のアスベストを吸い込んだ場合や大きなアスベストは除去されずに肺内に蓄積されると言われています。

(7)アスベストが原因で発症する疾患に特有の症状はあるか?
 発病し、さらにある程度進行するまでは無症状のことが多いと言われています。

(8)中皮腫や肺がんの発症を予防するにはどうすればよいか?
 過去、石綿にばく露したことによる中皮腫や肺がんの発症を予防することについては現在有効な手段は明らかではありませんが、石綿を吸い込んだ方が全て中皮腫を発症するわけではありません。吸い込んだ石綿の量、期間、種類によって異なります。
 肺がんについては、石綿ばく露と喫煙との組み合わせで肺がんの発症は相乗的に上昇するとの報告があり、禁煙は重要です。

(9)私の家族が中皮腫で死亡した。職場でアスベストを取り扱っていたとは思えない。アスベストとの関係はあるのか?
 職業歴に石綿又は石綿関連製品を取り扱う事業所等に従事していた可能性がありましたら、都道府県労働局又は労働基準監督署で労災の相談を受け付けています。また、石綿は昭和30年代より輸入が急増し、屋根に使われるスレートのような建材を始めブレーキライニングなど、多くの製品に使用されていたことから、職場で知らずにアスベストを吸っていた可能性もありますので、少しでも思い当たる場合には都道府県労働局又は労働基準監督署にもご相談下さい。

(10)現在、工場の周りに住んでいますが大丈夫か?
 昭和30年代から40年代頃の間、工場の周りに住んでいたことによって、石綿にばく露されていたかどうかはわかりませんが、現在は、作業環境はもとより、工場の敷地境界の濃度の基準の遵守が義務づけられているため、工場周辺の一般大気環境は健康に影響を及ぼしうるものとは考えられません。

(11)昔、石綿工場の近くに住んでいたことがあるが大丈夫か?
 中皮腫は吸い込んだ石綿の量が多いほど発症のリスクが高いと考えられており、労働者など直接石綿又は石綿含有の製品を取り扱う方は大量にかつ長期にわたって吸い込むので、最もリスクが高いと考えられています。
 昭和30年代から40年代頃の間に石綿工場の周辺に居住していた住民の中皮腫の発症については、その実態が明らかではありませんが、国においても情報の収集等を行って、一般住民のリスクについて検討することとしています。
 ご心配な方は近隣の労災病院等の専門医療機関にご相談ください。

(12)主人が石綿工場で働いていたのですが、家族の健診はどうすればよいか?
 作業経験者の家族の方で、石綿による健康障害が懸念される症状が現れた場合には、早めに医師に相談すると良いでしょう。ご心配な方は近隣の労災病院等の専門医療機関にご相談ください。

(13)わが家はアスベストの危険性があるか。
 建築物においては、
 ・耐火被覆材等として吹き付けアスベストが、
 ・屋根材、壁材、天井材等としてアスベストを含んだセメント等を板状に固めたスレートボード等が
使用されている可能性があります。
 アスベストは、その繊維が空気中に浮遊した状態にあると危険であるといわれています(昭和63年環境庁及び厚生省通知(PDF:21KB))。
 すなわち、露出して吹きつけアスベストが使用されている場合、劣化等によりその繊維が飛散するおそれがありますが、板状に固めたスレートボードや天井裏・壁の内部にある吹付けアスベストからは、通常の使用状態では室内に繊維が飛散する可能性は低いと考えられます。
 吹き付けアスベストは、戸建て住宅では、通常、使用されていませんが、マンション等では、駐車場などに使用されている可能性があります。
 販売業者や管理会社を通じて建築時の工事業者や建築士等に使用の有無を問い合わせてみるなどの対応が考えられます。

(14)わが家では、見えるところには吹き付けアスベストが使用されていないのだが、見えないところは大丈夫か。
 アスベストは、その繊維が空気中に浮遊した状態にあると危険であるといわれています(昭和63年環境庁及び厚生省通知(PDF:21KB))。
 すなわち、露出して吹きつけアスベストが使用されている場合、劣化等によりその繊維が飛散するおそれがありますが、板状に固めたスレートボードや天井裏・壁の内部にある吹付けアスベストからは、通常の使用状態では室内に繊維が飛散する可能性は低いと考えられます。

(15)建築物(事務所、店舗、倉庫等)はアスベストの危険性があるか。
 建築物においては、
 ・耐火被覆材等として吹き付けアスベストが、
 ・屋根材、壁材、天井材等としてアスベストを含んだセメント等を板状に固めたスレートボード等が
使用されている可能性があります。
 アスベストは、その繊維が空気中に浮遊した状態にあると危険であるといわれています(昭和63年環境庁及び厚生省通知(PDF:21KB))。
 すなわち、露出して吹きつけアスベストが使用されている場合、劣化等によりその繊維が飛散するおそれがありますが、板状に固めたスレートボードや、天井裏・壁の内部にある吹付けアスベストからは、通常の使用状態では室内に繊維が飛散する可能性は低いと考えられます。
 吹き付けアスベストは、比較的規模の大きい鉄骨造の建築物の耐火被覆として使用されている場合がほとんどです。
 建築時の工事業者や建築士等に使用の有無を問い合わせてみるなどの対応が考えられます。

(16)建築物(事務所、店舗、倉庫等)に吹き付けアスベストが使用されている場合においては、どうしたらよいか。
 石綿障害予防規則において、吹き付けられたアスベストが劣化等により粉じんを発散させ、労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければならないこととされています。
 石綿障害予防規則等、関係法令に従って適切に対処してください。

(17)学校におけるアスベスト対策について教えて下さい。
 学校施設においては、吸音等を目的として天井等に吹き付けアスベストが使われてきました。昭和62年に学校、公営住宅等における吹き付けアスベストが社会問題となり、同年、対応方策について早急に検討するため、公立学校施設の吹き付けアスベストの使用状況の大勢の把握を目的として調査を実施しました。
 その結果を踏まえ、昭和62年度からアスベスト対策工事について公立学校施設整備費国庫補助制度における大規模改造事業の補助対象工事とし、設置者から申請があれば、優先的に採択しています。
 また、関係法令や関係省庁からの通知、技術指針等を都道府県教育委員会等へ通知するとともに、これを厳守し適切な工事が行われるよう指導しています。
 学校は子供たちが安心して学び生活できる場であることが何より大切です。
 昨今、事業所等でのアスベスト被害が社会問題化していることに鑑み、子供たちの安全対策の万全を期するために、このたび、改めて学校施設等における吹き付けアスベスト使用状況等の全国実態調査を実施することとしました。
 7月29日に学校の設置者等に調査依頼を行い、その結果を踏まえ、必要な対策を講じていきたいと考えています。

(18)当社では石綿を取り扱う作業を行っているのですが、どのような措置を講じればよいでしょうか。
 石綿を取り扱う作業等として、(1)石綿含有製品を製造・加工する作業等と、(2)石綿が使用された建築物等の解体等の作業について、石綿障害予防規則等に基づいて、主に次のような対策を講ずることが義務付けられています。

(1)石綿含有製品を製造・加工する作業等
.労働安全衛生法関係
 ・石綿粉じんが発散する屋内作業場については、粉じんの発散源を密閉する設備、局所排気装置またはプッシュプル型換気装置を設ける。
 ・石綿作業主任者を選任し、作業方法の決定、労働者の指揮等の業務を行わせる。
 ・石綿製品を切断、穿孔、研磨等する際に、労働者にばく露を防止するための呼吸用保護具、作業衣または保護衣を着用させ、粉じんの飛散を防止するため、石綿製品を湿潤なものにする。
 ・屋内作業場については、6か月に1回ごとに空気中の石綿の濃度を測定し、作業環境の状態を評価、改善する。測定の記録は30年間保存する。
 ・常時これらの作業に従事する労働者について、6か月ごとに1回、特殊健康診断を実施するとともに、1か月を超えない期間ごとに作業の記録を作成する。健診の記録及び作業の記録は30年間保存する。

.大気汚染防止法関係
 工場や事業場で製造や加工する際に特定粉じん(石綿)を発生する次のいずれかの施設(一定規模以上)を設置又は使用しようとする工場又は事業場は、都道府県等へ60日前までに届出が必要なほか、敷地境界基準(大気中の石綿の濃度が1リットルにつき10本以下であること)の遵守、自主測定の義務(6ヵ月に1回以上)と測定結果等の3年間保存が義務づけられています。
 ○解綿用機械、混合機、紡織用機械、切断機、研磨機、切削用機械、破砕機及び摩砕機、プレス(剪断加工用のものに限る。)、穿孔機(石綿を含有する製品の製造の用に供する施設に限り、湿式のもの及び密閉式のものを除く。)

(2)石綿が使用された建築物等の解体等の作業
.労働安全衛生法関係
 ・解体、改修を行う建築物に石綿が使用されているか否かについて、事前調査を行う。
 ・石綿が使用されている建築物の解体、改修を行う前に労働者へのばく露防止対策等を定めた作業計画を定め、これに従って作業を行う。
 ・石綿が使用されている建築物等の解体等の作業に従事する労働者に、石綿の有害性、粉じんの発散防止、保護具の使用方法等について特別教育を行う。
 ・石綿作業主任者を選任し、作業方法の決定、労働者の指揮等の業務を行わせる。
 ・石綿を含む建材等の解体をする際に、労働者にばく露を防止するための呼吸用保護具、作業衣または保護衣を着用させ、粉じんの飛散を防止するため、建材等を湿潤なものにする。
 ・常時これらの作業に従事する労働者について、6か月ごとに1回、特殊健康診断を実施するとともに、1か月を超えない期間ごとに作業の記録を作成する。健診の記録及び作業の記録は30年間保存する。
 なお、建設業労働災害防止協会において、事業者の方々からの建築物の解体作業等における石綿ばく露防止対策に関する相談を受け付けています。
 (建設業労働災害防止協会)03−3453−8201

.大気汚染防止法関係
 吹付け石綿が使用されている建築物を解体・改造・補修する作業で次の作業を伴う建設工事を施工しようとする方は、都道府県知事等へ14日前までに届出が必要なほか、集じん装置の設置、隔離、湿潤化等の作業基準の遵守が義務づけられています。
 ○耐火建築物又は準耐火建築物を解体、改造又は補修する作業のうち、(ア)当該建築物の延べ面積が500平方メートル以上であり、かつ、(イ)解体、改造又は補修する部分に使用されている吹付け石綿の面積が50平方メートル以上である作業

(19)石綿を扱う作業に従事していたことがあり心配です。どこへ相談したらよいでしょうか。
 石綿による健康への影響などについて知りたい場合は、保健所、各都道府県産業保健推進センターまたは労災病院までご相談ください。(都道府県産業推進センターリスト:http://www.rofuku.go.jp/sanpo
 なお、日常生活で、次のような症状が出てきたときは、上記の窓口に相談されるか、最寄りの医師の診察を受けましょう。
 ・息切れがひどくなった場合
 ・せきやたんが以前に比べて増えた場合やたんの色が変わった場合
 ・たんに血液が混ざった場合
 ・顔色が悪いと注意された場合や爪の色が紫色に見える場合
 ・顔がはれぼったい場合、手足がむくむ場合や体重が急に増えた場合
 ・はげしい動悸がする場合
 ・かぜをひいて、なかなか治らない場合
 ・微熱が続く場合
 ・高熱が出た場合
 ・寝床に横になると息が苦しい場合
 ・食欲がなくなった場合や急にやせた場合
 ・やたらに眠い場合
 今健康に支障がない場合でも、石綿による健康障害は、潜伏期間が数十年と長い場合があります。石綿にばく露するような作業に従事されていたのであれば、1年に1回は胸部レントゲン撮影等による健康診断を受診されることをお勧めします。

(20)石綿を扱う作業に従事していた場合は、無料で定期的に健康診断を受けることができる健康管理手帳制度があると聞きました。どこで手続きをすればよいのですか。
 過去に石綿を取り扱う作業に従事し、離職の際または離職後の健康診断で、一定の所見(両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚があること。)が認められる場合には、住所地の(離職の際は、事業場の)都道府県労働局に健康管理手帳の申請をすることにより、健康管理手帳の交付がされます。手帳が交付された場合には、その後、無料で定期的に健康診断を指定の医療機関で受けることができます。
 なお、この健康管理手帳の申請は、所属していた事業場が倒産等により、今現在存在していなくても、申請することができます。
 申請方法などの詳細につきましては、お近くの都道府県労働局、労働基準監督署にお問い合わせ下さい。

(21)医師に中皮腫と診断され、労災が適用されるといわれました。どのような手続きを行えばよいのですか。
 業務上、石綿(アスベスト)を吸入し、それが原因で石綿疾患に罹ったり、亡くなられた場合には、労災としての認定を受ければ、労災保険の給付を受けられます。
 労災保険の給付には、治療費の給付に当たる療養補償給付や治療するために 会社を休んだ場合に支給される休業補償給付等がありますが、いずれの場合も請求書に必要事項を記入して、医療機関又は労働基準監督署にその請求書を提出して手続きを行います。
 詳しくは、都道府県労働局又は労働基準監督署にご相談ください。
 ※ 労働局連絡先
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/pref.html
 ※ 労働基準監督署連絡先
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/location.html

(22)医師に中皮腫と診断されましたが、どこで石綿を扱ったかわかりません。この場合でも、労災認定を受けられるのでしょうか。
 石綿を取り扱った場所がよくわからない場合でも、最寄りの労働基準監督署にご相談ください。監督署において、詳しくお話を伺い、必要な調査を行います。その結果、中皮腫が仕事が原因であると認められれば、労災認定が受けられます。

(23)既に退職していますが、在職中は石綿を取り扱う作業に従事していました。中皮腫や肺がんを発症した場合、退職後でも労災認定は受けられるのでしょうか。
 労災保険給付を受ける権利は、退職しても変更されません。したがって、退職された後であっても、労災認定を受けることができますので、労働基準監督署にご相談ください。


アスベスト問題に関する関係閣僚による会合
厚生労働省:03−5253−1111(代表)
労働基準局安全衛生部化学物質対策課(内線5514)
労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室(内線5572)