新型コロナウイルス感染症対策本部(第34回)
令和2年5月14日、安倍総理は、総理大臣官邸で第34回新型コロナウイルス感染症対策本部を開催しました。
会議では、新型コロナウイルス感染症への対応について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「緊急事態宣言の下、国民の皆様には、ゴールデンウィークにおける帰省や外出の自粛のほか、3つの密回避に向けた取組に御協力いただいたことにより、新規感染者数は減少に転じ、我が国は事態の収束に向け、着実に前進してきております。
本日の専門家会議においては、緊急事態措置の解除基準として、感染の状況、医療提供体制、監視体制の3つについて、具体的な数値なども含め解除の客観的基準を策定いただきました。こうした基準に照らし、本日、諮問委員会からも御賛同いただき、北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府及び兵庫県の8都道府県を除く39県について、緊急事態宣言を解除することといたしました。なお、1週間後の21日をめどに専門家の皆様に改めて状況を評価いただき、可能であれば31日の期間満了を待つことなく、緊急事態を解除する考えです。残された8つの特定警戒都道府県においては、感染者数は大きく減少しておりますが、気を緩めることなく、これまでと同様、外出の自粛や都道府県をまたいだ移動を控えることを含め、まん延防止に向けた取組を、引き続き住民の皆様に促していただくようお願いいたします。解除された各県においては、引き続き手洗いやマスクの着用、3密回避などの基本的感染対策を継続するとともに、専門家の皆さんから示された新しい生活様式や業種ごとに作成された感染拡大予防ガイドラインの実践を通じて、社会経済活動と感染拡大防止の両立に向けた取組をしっかりと進めていただきたいと考えております。
多くの地域における緊急事態宣言の解除によって、ここから、コロナの時代の新たな日常を取り戻していく。このため、もう一段の新たな対策が必要である。そう判断いたしました。先般の第1次補正予算を強化するため、直ちに第2次補正予算の編成に着手します。同時に、必要な制度の創設のための法案の準備にも取り掛かります。
その柱は第一に、休業を余儀なくされている皆さんの暮らしを守るため、雇用調整助成金を抜本的に拡充します。日額上限を1万5,000円まで特例的に引き上げるとともに、雇用されている方が直接申請することができ、お金を受け取れる新たな制度を創設します。
第二に、中小・小規模事業者の方々の売上が大幅に減少する中で、固定費として大きな負担となっている家賃をより一層軽減するため、新たな支援制度を創設します。
第三に、大学生を始めとする学生の方々がアルバイト収入の激減等により学業を断念するといったことがないよう、新たに学生支援のための仕組みを創設します。
第四に、ウイルスとの長期戦を戦い抜くことができるよう、医療体制に関する包括支援交付金を全額国費による負担とするとともに、大幅な積み増しを行い、検査体制や重症者治療の充実など、医療の現場が抱える課題の解決に向け強力な支援を実行します。
第五に、海外での感染症の動向が十分に見通せない中、中小企業のみならず、中堅・大企業の資金繰りにも十分配慮することとし、日本公庫の特別貸付や日本政策投資銀行による危機対応融資の積み増し、劣後ローン等の資本性資金を活用した財務基盤強化など、金融機能の強化に向けた対応を行います。
以上の制度改正のほか、これまでの予算の執行状況等を見極めつつ、必要な支援について検討しますが、今後の長期戦を見据えれば、状況の変化に応じ臨機応変に対応できるようにすることが重要です。こうした観点から、新型コロナウイルス感染症対策予備費も、更に積み増しし、今後の対応に万全を期すこととします。
本補正予算については、5月27日を目途に概算決定を行い、その後速やかに国会に提出したいと思います。このため、財務大臣におかれては、こうした方針の下で第2次補正予算の編成に当たってください。また各位にあっては、目下第1次補正予算に盛り込んだ各種対策の執行を進めていただいているものと承知していますが、各種給付金を1日も早く国民の皆様のお手元に届けられるよう、引き続き全力で対応に当たってください。その上で第2次補正予算の策定にも協力をお願いします。
最後に、本日、新たにメキシコ、モルディブ等13か国を入国拒否対象地域に追加する措置を始めとした水際対策の見直しも決定いたしました。
今後、感染拡大を予防しながら、新たな日常をつくり上げるチャレンジに国民の皆様と共に踏み出してまいりますので、各位にあっては引き続き対策に全力を尽くしてください。」