ものづくり日本大賞表彰式及び祝賀会
令和2年1月8日、安倍総理は、総理大臣官邸で第8回ものづくり日本大賞表彰式及び祝賀会に出席しました。
総理は、表彰式の挨拶で次のように述べました。
「ものづくり日本大賞の表彰式に当たり、受賞される皆様に心よりお祝いを申し上げたいと思います。
この表彰式は、2005年に始まり、今回で第8回を迎えます。本日は全国各地から、最先端のえりすぐりの技術や技能で、日本のものづくりの最前線を支えておられる皆様に、官邸にお集まりいただきました。
受賞案件は、いずれも、ものづくり大国・日本にふさわしいものばかりであります。
大阪の従業員40名ほどの町工場の技が、今、世界の医療現場を変えつつあります。世界初、継ぎ目のないカテーテルは、町工場の皆さんの25年にわたる執念と血のにじむような努力の結晶です。大阪から生まれた技術が、世界中で、脳梗塞などに苦しむ患者の皆さんに、大きな希望の光をもたらそうとしています。欧米メーカーも決して及ばない、高い安全性と操作性は、現場の医師の負担も大幅に軽減し、正に、メイド・イン・ジャパンの実力を世界に知らしめるものであります。
世界といえば、いよいよ本年、我が国でオリンピック・パラリンピックが開催され、世界の注目が集まります。日本選手の皆さんのメダルラッシュを大いに期待しておりますが、本日は、技能五輪のメダリストの方々にもお越しいただいています。ものづくり現場の変化に応じて、技能五輪の種目も当然、時代とともに変わってきます。何と言っても、近年のキーワードは、自動化、オートメーション化です。その自動化に関する部門でも、昨年、日本初の金メダルを坂元さんが取ってくれました。ものづくりの進化に応じて、若いエンジニアの皆さんの技能もアップデートされ、どんどん進化していることに、大変心強く感じています。
これからも、世の中の変化のスピードは、ますます速くなっていきますが、そうした中にあっても、ものづくりの重要性は変わることはありません。そうした意味で、皆さんには、これからも日本のものづくりをリードしていただきたい。イノベーションを生み出していただくことを、祈念しております。皆さんの更なる御活躍、大いに期待をさせていただきまして、御挨拶とさせていただきたいと思います。本日は、皆様、誠におめでとうございました。」
さらに、総理は、祝賀会の挨拶で次のように述べました。
「皆様、ものづくり日本大賞の受賞、改めて、おめでとうございます。
先ほど、いくつかの製品・技術の実例を拝見いたしまして、受賞者の皆様から御説明を頂きました。改めて、ものづくり大国・日本と、その現場、それぞれの場所で支えていらっしゃる皆さんの力強さを実感したところであります。
本日は、ささやかではありますが、お祝いの席を用意させていただきました。この後、乾杯に移るわけでございますが、今日は未成年の方もおられますので、お茶で乾杯をさせていただきたいと思っています。
大宮工業高校の皆さん、ロケット国際大会の2年連続の入賞、本当におめでとうございます。次世代の日本のものづくりを担う若者たちが育ち、世界を舞台に活躍していることを大変うれしく思います。国際大会ですので、プレゼンも英語で行われたと伺ったところでありますが、ロケットを日本語で説明するもの大変難しいのでございますが、それを英語でプレゼンして、世界をうならせた。本当にすばらしいなと、頼もしく思います。
経済のグローバル化が一気に進む中で、あらゆる分野で、もはや、国内予選はなくなっています。最初から世界大会で戦わなければならない、そういう世界に、今、あなたたちは生きているわけであります。しかし、日本のものづくりの底力をもってすれば、国際競争も、何ら恐れることはないと確信しています。若手からベテラン、そして中小企業まで、ワンチームで、その力を結集し、世界に冠たるものづくり大国・日本を共につくり上げていきたいと思います。
私もこの世界に入る前は、神戸製鋼という鉄鋼会社に入社いたしまして、最初は兵庫県の加古川市にある製鉄所で、工程管理をやらさせていただいたんですが、工場の皆さんが、とにかく一生懸命いい製品をつくろうと、日夜汗を流して、いつも考えに考え抜いているんです。QCサークルというのをいつもやっていまして、昼休みの時間にもいつもいろんな議論をしながら、工程を、より生産性を上げ、よりいいものをつくっていく、不良品を減らしていく、そしてそれぞれの技術を磨いていくという姿に、いつも感心していたわけでありますが、そういうものづくりの現場をちょっと経験しているものですから、私はいつも、日本はやっぱりものづくりだなと、こう思っているところでございますが、今日はこの皆さんの姿を見て、改めてその思いを強くしているところでございます。これからも、どうか皆さんには更に世界で活躍して、ものづくり日本の名を世界に知らしめていただきたいと思います。
改めて皆様、本日は、受賞おめでとうございました。」