未来投資会議
平成30年10月5日、安倍総理は、総理大臣官邸で第19回未来投資会議を開催しました。
会議では、成長戦略の方向性(案)について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「先般、やや私事ではありますが、党においてまた3年の任期を頂きましたので、本日こうして様々なお話を伺っていて、しっかりと共有しながら、様々な改革に全力でいきたいと思っております。その中で早速、本日、未来投資会議をキックオフし、早速、新しい内閣の3年間の改革の議論をスタートさせました。初回の本日は、今後の戦略について議論いたしました。
まず、Society 5.0の実現です。第4次産業革命への対応について、世界の変化は加速しています。雇用環境が一段と改善している今こそ、技術革新を現場に積極的に取り入れ、労働生産性の向上を図るチャンスです。この3年間が勝負です。誰でもどこでも、キャッシュレスで、支払・送金・サービスを受けられる社会を実現するため、金融法制の見直し、金融機関との連携促進などを検討します。
モビリティ分野については、人口減少が進む地方でも高齢者が自由に外出でき、人口過密な都市でも無駄な待ち時間なく移動できる社会を目指し、制度改革を進めていきます。
公共サービスでは、子育て・住所変更・死亡・相続等の行政手続きの自動化に向けた環境整備を進めるとともに、道路・水道といったインフラについて、防災の観点も含め、AIやロボット、センサーを用いたメンテナンスを一気に実行に移してまいります。
そして、安倍内閣の最大のチャレンジである全世代型社会保障への改革です。このテーマも、この未来投資会議において集中的に議論を進めていきます。
生涯現役社会の実現に向けて、意欲ある高齢者の皆さんに働く場を準備するため、65歳以上への継続雇用年齢の引上げに向けた検討を開始します。この際、個人の実情に応じた多様な就業機会の提供に留意します。
あわせて新卒一括採用の見直しや中途採用の拡大、労働移動の円滑化といった雇用制度の改革について検討を開始します。
健康・医療の分野では、まず、人生100年健康年齢に向けて、寿命と健康寿命の差をできるだけ縮めるため、糖尿病・高齢者虚弱・認知症の予防に取り組み、自治体などの保険者へのインセンティブ措置を強化します。
さらに、地方施策の強化です。人口減少を背景に地域にとって不可欠なサービスの確保が困難になる中で、地方銀行等の地方基盤企業の統合・強化・生産性向上を図るため、独占禁止法の適用の在り方を検討します。
美しく伝統ある故郷(ふるさと)を守り、次世代に引き渡すため、人口急減地域への支援を強化するとともに、引き続き、地方経済を支える中小・小規模事業者の生産性向上を支援してまいります。
本年末までに、中間的な報告を取りまとめます。その上で、こうした改革を進めるにあたってのボトルネックを解消するため、3つの3年間の工程表を含む実行計画を来年の夏までに閣議決定いたします。
私が先頭に立ちますので、茂木経済再生・全世代型社会保障改革担当大臣を始め、安倍内閣の関係閣僚は、正に全員野球の精神で、内野外野の区別なく、改革に向けた具体的な検討を進めていただきたいと思います。」