生産性向上国民運動推進協議会
平成30年2月15日、安倍総理は、総理大臣官邸で生産性向上国民運動推進協議会を開催しました。
会議では、各分野の業界団体の取組報告等が行われました。
総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「本日は全国津々浦々から、業界団体の代表の皆様、そして日々の経営にお忙しい経営者の皆様に、オールジャパンで生産性向上を進めていくため結集いただきました。
5年間のアベノミクスにより日本経済は、足元で28年ぶりとなる8四半期連続のプラス成長となりました。4年連続の賃上げにより経済の好循環は着実に回り始めており、民需主導の力強い経済成長が実現し、デフレ脱却への道筋を確実に進んでいます。
その結果として、需給ギャップは縮小し、足元ではプラスとなっています。中小・小規模事業者の皆様は深刻な人手不足に直面しています。
現在の日本経済にとって、人手不足を解消し、生産性を高め、潜在成長率を引き上げていくことが最大の課題です。人手不足の解決には様々な対策を多面的に進めてまいりますが、基本は生産性の向上です。生産性向上の鍵は人づくりです。人づくり革命を力強く進めることは一人一人の人材の質を高め、潜在成長率を引き上げていくことにもつながっていくものになると考えています。
急速に進む少子高齢化という国難に立ち向かい、誰もが夢に向かって頑張ることができることが当たり前となる社会を私たちはつくっていきたいと思います。
安倍政権は、生産性向上を進めることで景気回復の波を全国津々浦々へと広げてまいりたい。皆様の御協力をよろしくお願い申し上げます。」
また、最後に総理は、本日の報告を踏まえ、次のように述べました。
「本日はお忙しい中、全国からお集まりいただき、生産性向上の取組状況を本日報告いただいた事業者団体の皆様、また御参加いただいている経営者の皆様、厚く御礼申し上げます。
飲食、宿泊、道路貨物運送、介護、小売の分野では昨年、本協議会を立ち上げて以降、皆様が着々と生産性の向上に取り組んでいただいていることを直接伺うことができました。大変心強く思っております。
そして新たに参加していただいた建設、医療、生活衛生、学習支援、農業の分野の皆様からは、今後の活動について強い意欲を感じることができました。
私も総理大臣としていろいろな会議に出席するのでありますが、この会議に出ると大変わくわくした気持ちになれます。他の会議がわくわくしないということではありませんが、他の会議もわくわくすることもあるんですが、この会議は本当にわくわくするわけであります。なぜかというと、今日も、今までの取組成果について発表していただいたのですが、具体的な分かりやすい取組を行って、そしてその成果が出ているということであります。
さらに、その成果をいかして従業員に対して賞与を引き上げていこうという、大変うれしい御発言も頂きました。正に目に見える成果が出ている。まるで平昌(ピョンチャン)オリンピックのテレビ放送を見ているようで、金メダル、銀メダル、銅メダル、金はまだ誕生していませんが、今週末期待したいと思っているんですが、そのように次々とメダリストが誕生しているということでありまして、これからもどんどん新たなメダリストを誕生させていただきたいと、このように思います。
大体今日お集まりいただいている皆様の業界は、国民の皆様の生活に最も密着している分野の皆さんが多いのだろうと思います。そして全国津々浦々にそれぞれの業界の分野は広がっているわけでありまして、皆様方が生産性の向上に成功すれば間違いなく日本全国津々浦々でどんどん成長していく、そういうチャンスを得ることができると、こう思っています。
日本は現在、人口が減少しているわけでありますが、同時に経済が好調という中にあって、有効求人倍率は43年ぶりの高い水準になっている。そして同時にIoTとかAIとかロボット、第4次産業革命が進んでいる。つまり生産性革命を向上させる全ての条件がそろっている。ということは同時に、今このときに生産性向上を進めていかなければ皆様も日本の未来もないんだろうと思います。
一緒にこれから国民運動として生産性向上に取り組んで、皆様の未来を、皆様の明日を、そして日本の明日を、共に切り拓いていきたいと、このように思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。」