未来投資会議
平成29年11月17日、安倍総理は、総理大臣官邸で第12回未来投資会議を開催しました。
会議では、生産性革命について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「2020年を大きな目標に、生産性革命の実現に向けて企業による人材や設備への力強い投資を促すため、これまでにない大胆な政策を講じる必要があります。
賃上げや設備投資に積極的な企業には、国際競争において十分に戦える環境を整備します。特に、革新的な技術やビジネスに果敢に挑戦する企業には、思い切って世界に打ち勝つことができる環境を提供します。他方で、企業収益が過去最高となる中で賃上げや投資に消極的な企業には、コーポレートガバナンス改革や様々な政策ツールを活用して、果断な経営判断を促していきます。
税制も含めて大胆かつめりはりのついた対策を検討してまいりたいと思います。とりわけ、雇用情勢が大きく改善する中、人手不足に悩む中小・小規模事業の生産性向上は国の課題です。安倍内閣は、これまでも、固定資産税の半減など中小・小規模事業の攻めの投資を後押ししてきました。さらに、赤字など厳しい経営環境の下でも投資などにチャレンジする中小・小規模事業者の皆さんを後押しするため、従来にない税制や補正予算など、大胆な支援策を講じていきたいと思います。中小・小規模事業でも賃上げ可能な経営環境をつくり上げることで、景気回復のうねりを全国津々浦々に広げてまいります。
生産性革命の鍵は、イノベーションの実現です。イノベーション拠点である大学のガバナンス改革、政策資源の若手研究者への思い切った振替など、イノベーションを生み出すシステムの大改革を進めていきます。第四次産業革命によって、今、世界中で次々と新しいビジネスが生まれています。この時代の潮流を先取りする大胆な規制制度改革も進めていかなければなりません。技術革新を踏まえた電波帯域の有効利用、ビッグデータ統合のための共通基盤の構築、公共データのオープン化など、Society5.0時代に対応した制度改革を進めます。個別分野での規制改革と併せてこれまでにない革新的なアイデアをビジネスにつなげるため、規制のサンドボックスの仕組みを創設します。このため、次期通常国会への法案提出に向けて準備を進めてもらいたいと思います。改革を進めることで、世界からベンチャー精神あふれる人たちが集まるような日本をつくり上げていきたいと思います。
世界に先駆けて我が国で生産性革命を実現する。そのために、税制、予算、規制改革、これまでにない大胆な政策を実行していく考えであります。各大臣におかれては、この大方針の下、来月の経済政策パッケージの策定に向けて、政策の具体化を進めてもらいたいと思います。」